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訪問しない営業手法を知ってほんとうに欲しいモノを手入れる

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インサイドセールス

ホームページや地元の広告などから資料請求などの反響はあるけども、そこからアポにつながらない…多くの住宅会社がこの悩みを抱えています。

コロナで面談は厳しいとはいえ、興味を持っているのに、なぜアポが取れないのでしょうか?

その解決策である「インサイドセールス」について、仕組みから戦略の立て方まで詳しく解説します。

セールスの方は理解を深めてください。それ以外にエンドユーザーなどの方は、どのように営業しているのかを知って、ほんとうに自分が求めているモノやサービスを手に入れてください。

資料請求があってもアポが取れない原因

顧客の行動パターン

資料請求をしている顧客のほとんどは、住宅購入や建築工事の検討を開始したばかりで、情報収集をしている段階です。

そのため、アポイントに応じてもらえる可能性は非常に低いということになります。
「AIDMA(アイドマ)」や「AISAS(アイサス)」という言葉を見聞きしたことはありませんか?

マーケティングの世界で、消費者(顧客)の購買までの意識の流れを表わした言葉です。

たとえばAISASは、「インターネットの普及により、消費者は商品購入前に自分で検索して情報収集をするようになった」という現代消費者の動向を5段階で表わしています。

AISASモデル

 

 

資料請求をしている顧客の多くは、まだ最初の「AIS(認知~検索)」の段階にあります。

それに対して電話でアポを取ろうとすることは、すなわち次の「A=行動」を押し付けていることになります。

 

この時点時期尚早

これは顧客にとっては時期尚早であるため、当然アポは取りにくくなります。しかもこの傾向は、住宅業界においてより顕著であることがわかっています。

 

不動産情報サイト「SUUMO(スーモ)」の調査によれば、住宅購入や大型リフォームや建て替えなどの建築工事の検討をはじめてから意思決定を行うまでにかける期間が「3ヶ月~12ヶ月」の中長期という顧客は、なんと全体の約70%にも上ります。

インサイドセールスが住宅営業の取り組み方を変える

住宅営業を変える

営業マンが動くのはここだけ!

知りたいのは「じゃあ、どうすればアポが取れるようになるの?」ということでしょう。その答えが「インサイドセールス」です。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは営業全体の流れを分業化したとき、インサイド=屋内で行える領域の活動がインサイドセールスです。
「外出・訪問・対面しない営業活動」の総称であり、事務所やオフィスの中から電話・メール・オンライン面談・DMなどを用いて見込み顧客との接触を行うことを指します。

インサイドセールスは電話やメールを通じて見込み顧客とのコミュニケーションを行い、「自社のターゲットかどうか」を見極めたり、詳細なヒアリングを行ったりしながら、初回面談の獲得までを担います。
本格商談に繋がりそうな顧客を「クロージング担当」の営業に送客することが目的です。

インサイドセールスが生まれた背景

元々は効率大国アメリカで取り入れられたセールス手法であり、広大なアメリカの国土で営業効率を考慮した結果として必然的に生まれたスタイルです。
「いちいち対面営業などしていられない」という極端に現実的な発想に基づいています。
インサイドセールスの発想が生まれた当時は、電話や手紙しかアプローチの手段はありませんでした。
しかし現在はインターネットやIT技術の進歩に合わせて、メールやSNS、オンライン商談ツール、Webコンテンツなど活動の幅は飛躍的に広がり、「外に出ずに」実行できる営業活動は多様になりました。
ではインサイドセールスを行うには、ただ「外に出ないで電話営業」をすれば良いのでしょうか?
もちろん、そうではありません。

インサイドセールス~よくある3つの勘違い


「要するにテレアポ部隊を設けてアポを大量獲得することでしょう?」と思われた方もいることでしょう。
これはもっともよくある勘違いです。

勘違い1:インサイドセールスは単なるテレアポである
テレアポはアポイントの「量」を求めるのに対し、インサイドセールスでは「質の高い」すなわち「成約見込みが高い」アポイントを獲得することを前提としています。
たとえアポイントが取れそうであってもあわててアポを取るのではなく、顧客の状況をしっかりと把握して判断するのがインサイドセールスです。

勘違い2:とにかく電話ばかり、ひたすらかけまくる
インサイドセールスによる顧客リストへのフォロー方法は電話だけに限るものではありません。
メールや手紙(DM)、SNS、オンライン会議システムなど様々な方法を駆使して成果を追求しなくてはなりません。
顧客に合わせた最適なフォロー方法を見極めて幅広い対応を行える必要があります。

勘違い3:売れない営業マンや新人にやらせる仕事だ
インサイドセールスはトップ営業マンこそが行うべき高い能力を必要とする業務ですから、対面営業向きではない人員や新入社員などを配置することは避けるべきです。実力のある営業担当者を配置して成功パターンをマニュアルに落とし込み、将来的に誰がやっても成果が出る状態を目指します。

インサイドセールス実施に必要な7つの事前準備

7つの事前準備

効率的なインサイドセールスを実施するために必要な事前準備は以下の7点です。まずはこれらを整えてください。

1.フォローメール用テンプレート

その都度メール作成に時間をかけていては、本質的な営業活動に割ける時間が減ってしまいます。スピーディーかつ安定したフォローを継続するため、メールの内容を想定して複数のメール文のテンプレート(ひな型)を用意しておきましょう。

2.トークスクリプト

電話やオンライン面談でのヒアリングやアプローチの質を均一化させるため、会話内容を想定したケースごとのトークスクリプト(台本)があると良いでしょう。以下がその例です。

1. 資料請求に対するお礼
2. イベント案内
3. 無料相談会や勉強会の案内

3.目標設定、目的確認

インサイドセールスの狙いがブレないように、明確な目標を定めることが必要です。また日々の活動の目的は何であるのかもしっかりと定めて、担当者全員が共通認識を持って取り組めるようにすることも重要です。

4.運用の全体図

運用の全体図

インサイドセールスとそれ以外の営業の役割を言語化できるように、以下のような運用の全体図を作成すると良いでしょう。
どんな方法でアプローチをするのかという部分も合わせて言語化できるようにすると、役割や目的への道筋がブレず、アプローチの質を維持し、向上することに役立ちます。

5.運用のルール

下書きレベルであっても運用ルールを事前に用意して定めておくべきです。
ただしアポイント取得基準や顧客管理方法以外にはガチガチに固めて営業の幅を規制せず、「NG行動」だけを決めてあとはメンバーに考えて行動してもらえる体制をつくるほうが成果が出やすくなります。

6.顧客管理シート

運用ルールで定めた顧客管理方法に基づいて、顧客情報の管理シートを作成しておきましょう。定めた管理指標に合わせて、漏れなどが出ないようにするためのシート設計を行うと良いでしょう。

7.辞書登録

メールや文書作成のスピードが上がるようにパソコンの「辞書登録」を行っておくと非常に効果的です。
辞書登録とは、メールなどパソコンの文字入力において任意の定型文や用語などを予め登録しておくことで、少ない入力ですぐに変換できるようにしておく機能です。定型文や変換しづらい頻出用語、よく連絡を取り合う人のメールアドレスを即座に誤字脱字なく入力できるなど、様々な使い道があります。

インサイドセールス役割

 

「インサイドセールス」チームの質は段階的に高めていく

チームの質は段階的に高めるインサイドセールスのチームはいきなり理想形を完成させるのではなく、振り返りや改善を行いながら段階的に質を高めて作り上げていきます。

フェーズ1 まず行動量

最初から大勢のチームを作っても組織管理に手間がかかってしまって成功パターンの完成が遠のいてしまいます。
まずは優秀な営業力を持つメンバーを本業との兼務として一人だけ選抜し、その一人が成功パターンを作り上げるところから始めます。
インサイドセールスから送客している顧客が本当に成約につながっているのか、どうすればもっと精度を高めることができるのか、その答えは現場の営業担当(クローザー)が持っています。
精度を高めるために必要な情報が見えてきたら、「ヒアリングチェックシート」のような形で整理して体系化します。
「アポが早すぎて成約に至らなかった」、「アポが遅すぎて他決してしまった」というデータが蓄積されてくれば、自社にとって最適なアポのタイミングが見えてきます。これもマニュアルに落とし込み、客観的に判断できる状態をつくります。

フェーズ2 指標を定める

十分なデータが集まってきたら、重点的に追っていくべき指標を定めて具体的な行動目標に落とし込みます。
メール内容や通話内容なども、それぞれ記録して成功パターンを分析しましょう。
「このメールは反応率が高かった」、「電話でこのキーワードを使うと顧客に響きやすい」などのパターンが見えたらそれを整理し、チーム全体のアプローチの質を改善していきます。

フェーズ3 ノウハウを仕組化する

具体的な成功例や失敗例などが蓄積されてきたら、それを自社独自のノウハウとして言語化し、マニュアルなどの形に整理して運用の仕組みとして加えていきます。
担当者の能力に左右されずに安定して成果を出せる体制が整ってきたら、教育制度も整えながら徐々にチームを大きくしていきます。十分なノウハウが蓄積されたインサイドセールスチームは再現性と持続可能性に優れ、人数に比例して成果も大きくなります。

従来型の営業活動は限界が見えはじめています。現代の消費者行動にマッチしていないのです。そのため住宅業界でもインサイドセールスが注目されるようになりましたが、真の役割を理解せずに実施を試みても失敗に終わってしまいます。

上記のようなセールスでアプローチされた場合、あなたは、分かっていれば冷静に判断することが可能だと思います。必ずしも内容によっては悪いものではありません。すぐに契約しないために慌ててやり方を変えてきたときに冷静に判断すればよいのです。あなたのほんとうに欲しいモノやサービスを手に入れていただければ幸いです。

 

by株式会社 大東建設 阿部正昭

 

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