40 5戊【トイレ設計の知っておきたい基本[トイレC]】 2−154−157 今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。 冬至 次候 糜角解つる(しかつのおつる) おせち支度 うちの実家は最近まで、毎年本格的におせち料理をつくっていました。「今日は数の子と黒豆!」「明日は伊達巻きを焼いて、お煮しめの野菜を切って…」といった祖母の陣頭指揮のもと、みんなでワイワイと台所に立ちます。 私はというと、大掃除の役回りなのですが、おせちをつくるのを傍目で見ていると、改めて気づくのが、どれも手間暇のかかるものばかりということ。 歳神さまにお供えし、家族一緒に食べる一年で最初の食事を、先人がどれだけ大切に考えてきたかがわかります。 ライフスタイルや食の好みが変化しても、おせちのおめでたさは変わりません。それぞれのいわれや縁起を、大切に受け継いでいきたいものです。 今日をたのしむ 【おせち】 季節の節目に神さまへ供える「節供(せちく)」が「お節(せち)」となり、やがてお正月の節供のみを指すようになりました。おめでたさを重ねる願いを込め、重箱に詰めます。 ・数の子…ニシンの卵。数の多さに子孫繁栄を願います。 ・黒豆…健康を意味する「まめ」との語呂合わせ。無病息災を祈願。 ・田づくり…田畑の肥料でもあったイワシの稚魚に豊作を祈願。 ・紅白かまぼこ…紅はおめでたさを、白は清浄さを意味します。 ・栗きんとん…「きんとん(金団)」は黄金の布団のこと。商売繁 盛を願います。 ・紅白なます…紅白の水引を模しています。 ・昆布巻き…「よろこぶ」の語呂合わせ。 ・伊達巻き…巻き物に似た形は、知識や文化を象徴しています。 【福の日】 お正月行事本来の意味やいわれを知って福を招く一日。日付はお正月前の29日を「ふく」と読む語呂合わせから。 40 5戊【トイレ設計の知っておきたい基本[トイレC]】 2−154−157 前回はトイレの進化は特にめざましく、近年は〈狭くて暗いから〉から〈広くて明るいへ〉変化しています。家中で最も利用頻度が高い場所なので、明るさや消臭対策はきっちりしておきたい空間。というお話をさせて頂きました。今回は引き続き発展した便器を利用したリフォームについてお話したいと思います。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 【パウダールーム(化粧室)へと変身するトイレ】 独立した洗面台を備えたトイレでは、身だしなみの確認やお化粧直しが可能です。このようなトイレを化粧室やパウダールームと呼びます。 ※ 【トイレの役割が変化してきた?】 最近の若者は、学校や社内のトイレで食事をするという衝撃的な事実を聞きました。理由は様々あるようですが、そもそもがトイレで食事なんて、私たちの世代では考えもつかない話だと思います。 トイレがそれだけ衛生的になったということなのでしょうか? これまでは、トイレといえば家の中でも階段下の余った狭い場所やスペース。北側の暗い場所、西日の当たる灼熱地獄の場所につくるものと思われていました。それが今では、トイレの位置をきちんと確保した家づくりを計画するようになりつつあります。 最近では南側の最も日当たりの良いスペースをトイレにする家も見られます。その他にも広いスペースに洗面台を配置した、まるでホテルを思わせるトイレを依頼されるケースもあります。 もはやトイレは『狭い・暗い』ではなく、『広い・明るい』場所になってきているのです。 トイレはあまり長く居る場所ではないと思いますが、頻繁に利用する場所でもあります。部屋別の利用時間ではトイレが最も長いのかもしれません。トイレは用を足すだけのところ、という認識に変化が生まれ、これまでの常識は過去の遺物となりつつあるのかもしれません。 【化粧室があると快適な暮らしに】 そんな広くて明るいトイレは「パウダールーム」うあ「化粧室」などと呼ばれます。化粧室とは文字通り化粧をする部屋と思われがちですが、この場合は化粧もできる部屋というほうが的を射ているかもしれませんね。 ※  @引き戸で間仕切りをしているので、普段は開けっ放しでも大丈夫(OK) 【個室内にパウダールーム)化粧室を設ける】 家の中にそんなスペースがあれば、朝、家族で取り合いになる洗面台がひとつ増えることになってしまいます。夜、家族の誰かが浴室を使っていても、気にせずに使える化粧室があると何かと便利です。 招待したママ友に「手を洗わせて」と言われた時にも、洗濯物を置いているサニタリーではなく、別の化粧室に案内できるため、来客の多い家にも最適といえます。(うーん、でもトイレの中にあるパウダールームに案内するのはって我々世代の日本人には抵抗感がありますけど…) 高齢者の部屋に化粧室を備えるのも、私としてはお奨めです。部屋を出ることなくトイレに行けることはもちろん、好きなときに手や顔を洗うこともできます。ゆったりとしたつくりのトイレは、それはもう高齢者には使い易いことだと思います。 その上、夜中にトイレに起きてしまったときにも寝室から即トイレに行けるのは寒い廊下を震えながら、はるばる歩いていくより遥かに安全といえます。 そんな、スペースはつくれないという家もあるでしょうが、実は工夫次第ではトイレを化粧室に様変わり(リノベ)させることも可能なのです。 【化粧室のつくり方(プランから考える)】 トイレを化粧室としてリノベした例を考えてみたいと思います。下図のように、当初のプランでは普通に造られたトイレも、近接している階段の仕様を変更することでスペースが生まれ、洗面台を設置して立派な化粧室に変身しました。 トイレの配置やトイレの近くの部屋を変更することで、あっという間に化粧室にアップグレードすることができるのです。 狭いトイレが決していけないわけではありませんが、広ければゆったり感も生まれますし、掃除もしやすくなります。トイレを用を足すだけの空間にせず、もっと多機能な部屋にしてみませんか? ※[最初の平面プラン] ※[変更後の平面プラン 【トイレをパウダールームに変えるリフォーム】 トイレを階段側にはねだしたプランに変えたことによって、パウダールーム(化粧室)に変身。小さな手洗い器を、顔も洗えるくらいの洗面器に変更して、化粧ミラーを設置してアップグレードさせた例です。 ※ @洗面器にカウンター、化粧鏡も設置することで、女性の化粧直しも可能な空間に変身です。 .。。。。。。。。。。。。。。。。。。 ※ by株式会社 大東建設 阿部正昭 heiwadai.jp