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No.23 騙そうとしてるわけじゃないかも?(2007.2.1)

先日、築年数50年程の家の床下を見させて頂き、本当に驚かされました。

そこには、典型的な悪徳リフォームの状態が展開していました。

おお、これが、巷でよく言われている悪徳リフォームのやり方なんだと感動すら覚えました。

なぜならば、私達のような住宅建築やリフォームを本気で仕事にしているものには予想もつかない工事が施されていたからです。

 

悪徳リフォームを仕事にしている人達は、よく屋根の上や小屋裏(最上階の天井と屋根の間にある空間)そして床下のように、なかなか普通の人が行きにくく、それでいて比較的工事がやりやすい場所で行うことが多いようです。

 

こちらのお宅の例は床下でした。

床下の換気をするために、機械換気設備を取り付け、湿気を吸湿するために猫のトイレに使われている砂のようなものを床下の土の上に満遍なく撒いてありました。

それらの工事は問題なく、というよりも理にかなっていて、機械もしっかり動いていました。

床下の空気も乾いていました。

 

問題は、補強工事でした。

床下には、床を支えている根太というものがあります。

その根太の下には、根太を支えている土台や大引きという角材が横たわっています。

そして、土台を支えているのが基礎(ここでは布基礎)と呼ばれるコンクリート製のものです。

大引きを支えているのが束(つか)(床下のものを縁束(えんづか)といいます)で、普通土台よりひと回り細い角材等を垂直に使い、敷石で土に沈まないようにして、大引きを支えています。

この大引きと束は通常、釘や鎹(かすがい)という比較的簡易な金物(簡易と言っても使う場所や使い方で十分な働きをしてくれます)で繋いだり、留めたりします。

ところが、ここではかなり大掛かりな耐震金物が使われていました。

金物一つに対して、太くて頑丈そうなビスが8個も使われていました。

 

強い分には文句はないじゃないかと思われるかもしれませんが、それほど頑丈な補強金物を必要としない場所に使用するには、このような補強用金物は決して安価なものではありません。

その上、束という材は、上からの荷重を支えるものです。

ところが、その補強金物は大引きが上に持ち上げられないように材と材を緊結することに力を発揮するものです。

この金物を使うには適当な場所ではないのです。

そして何よりも問題なのは、かなりの数が使われているということでした。

私が見渡した限りでも数十個はありました。

床面積から計算すると100個以上は取り付けられていると推測できました。

工事費にして、100万円をかるく超える額を請求されただろうと思います。

 

実際にその様にお聞きしました。

お施主さんは、まったく必要のないところで大金を払わされてしまいました。

耐震補強工事では、それくらいの工事費は必要だろうと思われています。

ですから、大袈裟な金物をたくさん持ち込んで工事すれば、大金を請求しても支払ってもらい易いのです。

しかし、そのとき私はふっと思いました。

本当にこの工事はお施主さんを騙そうとしてやられたのだろうか?

もしそうだとしたら、他の換気工事はしっかり施工されているし、その金物もしっかり施工しているのはおかしいのではないかと思いました。

以前私が見た悪徳リフォーム業者の施工した小屋裏の耐震補強工事では、金物はたくさん使われていましたが、いい加減な取り付け方でした。

(こちらはお施主さんを騙すつもりの完璧な悪徳業者でした。)

そう考えると、この業者はこのやり方が本当に正しいと思ってお施主さんに勧めているのではないだろうか?と…。

もちろん、私はこの業者をかばっているわけではありません。

正しいと思っていても間違ったことをしてしまえば、許されないのが、この世界ですから…。

(もちろん、お施主さんにこの方法がいいと思うのですが、どうですか?と了承を得てやった場合はその限りではないと思います。)

私がやっかいなことだと懸念しているのは、人を騙しているという意識のない人にでも、熱心に勧められたら耐震に不安を抱いている大抵の人はコロっと乗せられてしまいます。

 

悪徳リフォーム業者による被害がなかなか減らない理由が少しだけわかったような気がしました。

この問題は、意外と奥が深く難しいことかもしれません。

 

そこで考えました。

少しでも多くの仕事に私共が関われば、世の中の被害は減るのではないかと思うのは傲慢でしょうか?(^^;)

 

                         (2007年2月1日のメルマガより)

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