BLOG

ブログ

戸建て住宅で雨漏り被害が最も多い理由とは?

LINEで送る
Pocket

amamori

最近は集中豪雨やゲリラ豪雨と呼ばれる降雨が大変多くなっていると思いませんか?
今年も多くの場所で、短時間にとんでもない量の雨が降っていますよね。
実際、局所的で圧倒的な豪雨が増えているのも事実です。
そこで、今回は、雨漏りに関するお話です

建築基準法では瑕疵(かし)担保の保証が義務付けられ、その後「保険(瑕疵担保保証保険)」ができましたが、なんと雨漏りの保険請求は2014年度に9割を超えたそうです。(住宅保証機構調べ)

amamori-01

私の建築人生においても雨漏りが起きた場合もございますので決して偉そうなことは言えませんが、雨漏りの原因は様々で、現場の知識不足と考えれる不具合が相変わらず多いと思います。
住宅保証機構の資料を見てみると、瑕疵保証の支払件数は3年目前後と特に10年目が多いのです。

しかし、これは、保証が10年で切れてしまうから点検してみたら、実際に雨漏りによる劣化が見つかったということではないかと私は思っています。
ところが、住宅保証機構さんは、外観のデザインが複雑化し、雨漏りを発見しにくくなっているからだと指摘しています。
確かに、その見解もうなずけるのです。特に昨今の日本の建築は、見栄えやデザインに注力しますが、肝心な施工が追いついていない傾向にあります。しかも、コストは今まで以上に削りながら…。

amamori03

1軒のお家が建つまでには、大勢の人が関わりますので、誰とは言い難いのですが、施工者は勿論のこと、デザインや見かけ、値段に翻弄されてしまう建築主にも責任はあると私は思います。

家は本来、百年から数百年住み継がれるべきものだと私は考えています。それには当然、百年以上雨漏りさせてはなりません。ですので雨漏りしやすいような形やデザインは、その本質に逆行していると言えるのです。

勿論、必要最低限の手入れは必要ですが、デザインや価格ばかり重視してしまう事で、とても大切な部分から外れて行くのです。

「家のカタチ」が地域ごとに異なる訳とは?

世界中どこを観ても、美しいと思えるデザインは、町並みと調和しています。どこの街でも、その地域の環境に根ざした独特の構造やデザインが存在するからです。
何故なら、その土地に住む家族を日差し、雨や雪、風などから数百年守るため、その土地の風土に合った家じゃないと、暮らす上で不都合が沢山生じるのです。

なので地域ごとに、同じ屋根材や外壁材が使われた形の家が建ち並んでいきます。それが数千年の経験値から試行錯誤して生まれ落ちた機能美であり、地域に根付いた街の形になるのです。ですから、地域の気候条件を無視し、庇や軒もないような家や、デザインとコストばかり重視して建てた家が、雨漏りだらけの日本独自の住宅事情をつくってしまったと言っても過言ではないのです。

ある建築家は「現在は、材料や防水材、接着剤などが、昔より進歩しているので、どんな斬新なデザインも好きなようにできる」と言います。確かにそういった側面もありますが、あくまでもそれは、補助的に使われるべきものであって、風土や気候条件を無視し、好き勝手につくれるようになったわけではないのです。

実際に住宅瑕疵の「9割が雨漏り」という現実は、そのことをまさに証明しているよう感じます。
だからこそ、これから住まいを新たに建てる場合は、建築家と呼ばれるような方や、建設会社に聞いてみてください。「今は防水材や接着剤がよくなっているので大丈夫です」などのように、答えをうやむやにするようなら、その会社は考え直したほうが懸命かもしれません。本来建築に携わる方達は、その土地の気候条件を知り、家の寿命を延ばすような知識と提案が求められるのですから。

雨樋が雨漏りの原因!?

冒頭でも申しましたが、年々局地的なゲリラ豪雨が多発するようになりました。それにともなって、既に建った家でも、施工だけでなくお掃除の不備…。特に雨樋が機能しない事が原因の雨漏り被害が出ているのです。

雨樋は屋根から流れてくる雨水を受けて排水する・流す役目ですが、ゲリラ豪雨のような短時間に集中する雨の場合、処理しきれません。処理しきれない雨水は、雨水が集中する部分(マス)あたりで、溢れ出します。

noki

軒がしっかり出ている家などでは、溢れてもさほど問題はないのですが、今の家は軒も庇もほとんどないので、雨樋から溢れた雨水は直接建物に垂れ流れたり、あるいは屋根の内側に巻き込まれたりします。

雨水が巻き込まれると、自然現象ではありえない「下から雨が降るような状態」が起こります。

家は通常、下から雨が降る想定をしていないため「ココは濡れないでしょう」と思っている部分から雨水が侵入してしまい、コレも雨漏りの一因になるのです。

amamori04

しかしこのような現象は室内まで侵入せずに、壁の内側だけに侵入しているので、住人はほとんど気がつきません。私もこれまで、雨が浸入し、壁や屋根の内側に入り込み、雨漏りして腐らしてしまった家を何軒もみてきました。

雨が降っている時、人はあまり外に出たり、雨樋をまじまじと観察することはありませんよね。ましてや、ゲリラ豪雨の時など、家の中で通りすぎるのを静かに待っている場合がほとんです。

百歩譲って、ゲリラ豪雨でなくても、似たような状況は起こっています。最近では隣家に隣接していたり、3階建てが多くなり、雨樋掃除など滅多にしなくなっている場合が多くなっています。掃除しなければ、枯れ葉やほこりなどが雨樋の桝(マス)が詰まってしまい、そんなに大した雨量でなくとも排水できなくなるのです。

雨樋を掃除してみよう

だからこそ、この季節は雨樋の掃除など、できることからやってみることをお勧めします。雨樋の掃除をするだけでも、ピタっと雨水の浸入が止まるケースもあります。ただ、高所や危険な場所に雨樋がある場合は無理して怪我をしては元も子もありません。「危ないかなぁ」「大変そうだよなぁ」と感じた場合は、プロに任せください。

緑が多い地域は枯葉も多い

また、地域によっては緑が多く環境にも恵まれている場所がありますが、そのようなところは、枯れ葉がたくさん飛んできます。

雨樋は、枯れ葉を流せませんし、流れない枯れ葉はどんどん樋の中を詰まってしまいます。簡単に雨樋掃除できる場所であれば問題ないのですが、隣地に接していてハシゴを建てる余裕がない場合や、3階建て以上で手が届かない場合もあります。そのような場所には枯れ葉除けネットという便利なものがありますので、そちらを取付けることをお薦めします。

枯れ葉が雨樋の中に入るのを防いでくれるので、詰まりの原因を無くせますし、何と言っても雨樋に入らなかったネット上の枯れ葉は風で吹き飛んで行きます。

これらを使うことで、掃除する回数を極端に減らすことができます。是非、ご一考をお薦めします。

eslonet

★また、こんなことが原因の場合があります。こちらもご覧ください。
雨漏り・雨侵入にご用心

リフォーム会社 大東建設ページトップへ
練馬区のリフォーム会社 大東建設へのお問合わせ