BLOG
ブログ
【浴室】事故と介護の両方を視野にいれた空間制作(63歳からのリフォーム⑮)
今回もは、独断と偏見で旧暦のお話はお休みせていただきます。
【浴室】事故と介護の両方を視野にいれた空間制作(63歳からのリフォーム⑮)
お風呂は、1日の汚れとともに疲れも癒やし、リラックスできるというか、それが主な目的の場所です。
お風呂で熱いお湯に浸かるのが好き、という方もいらっしゃるでしょうが、42℃以上の熱いお湯は心臓や血管に負担をかけるため、血管が弱くなっている高齢者にとっては、冬場は特に脳梗塞(のうこうそく)や心筋梗塞(しんきんこうそく)などの入浴事故に繋がる可能性が最も高くなってしまいます。
滑(すべ)りやすかったり、何かと事故が多い場所でもあります。家屋内事故でダントツで多いのも浴室内です。
【失敗談 成功談?!etc…】
[内開きの浴室扉には困った…]
「浴室の扉って浴室側に開くように内開きタイプになっていることが多いでしょう?あれ意外と不便なのよね」
「でも、浴室のお湯が扉の外に出ないようにするには、仕方ないような気もするけど…」
「でも確かに言えてるよね~。浴室から出るときに、いったん体を後に引かなければならないものね~」
「浴室の中は濡れているし、石鹸やシャンプーが床に残ってたりしたら、滑りやすくて危険極まりないしね~」
「そうだよね…。でもやっぱり、水仕舞いのことがあるから仕方ないんじゃないかしらね~」
「でも、知り合いのお年寄りが浴室で倒れたときに、やっぱり内開き扉だったんだけど…開かなくて困ったって言ってたわよ。」
「それって、トイレでも同じことが言えると思うけど…、トイレは水仕舞はないからね~」
「実際に…、浴室って狭い家が多いから、内開きの扉で、中で倒れたら、そうなるよね…」
「実はウチ、父が脳梗塞で倒れたことがあってね、うちは折れ戸だったんだけど、それでも同じように扉が父の体につかえて出せないで苦労したことがあったわ…。折れ戸も折れないとまったく開かないんだよね。」
「え~っ、大変だったね~!」
「脳梗塞(のうこうそく)って寒い時期のお風呂場や洗面脱衣室で発症する割合がもっとも高いみたいね」
「そうそう、それから、高齢者に限らず、20代、30代の若い人たちでも、浴室で脳梗塞だとか脳出血で倒れる話もよく聞くよね。高齢者だけの危険じゃないって!」
「やっぱり、温度差、気温差の問題かしらね」
「ヒートショックっていわれてるよね」
「でも、そうなってしまったら、一刻も早く手当しないと大変なことになってしまうから…、扉を割るか外すしかないよね」
「ほんとうに、そうだよね。それに事故のときって緊急を要する場合が多いから、扉を外すにしても外れやすくなっていることが必要だよね。」
「どにかく、そういうことが他人事じゃなく、今日にも、明日にも自分たちに起きるかもしれないと思ったら、どんな場合でも扉がすぐ開けられるようにしておく必要があるよね」
「そうねぇ~、そうすると、何かあったときのことを考えると、扉は結局引き戸がいいのかしら?」
「確かに引き戸だと前後の幅を気にしなくていいものね」
「でもさぁ…、引き戸のタイプの浴室って少なくない?ユニットバスだと折れ戸タイプと開き戸タイプしかないと思わない?」
「ユニバーサルタイプっていうのがあって、それだと引き戸というのもあるわよ。扉2枚分の空きで間口寸法が大きいから、車椅子でもラクラク入りやすくなっているんだよね。よく考えてると思うわ」
「へえ、そんなのがあるんだ~!」
「ただ、サイズが大きくないとダメなんだよね。それだけのスペースが取り切れない場合が多いからねぇ」
「でもやっぱり、事故や介護のことを考えると、イザというときのためには、浴室の扉は引き戸か…、最低限折れ戸がよさそうだね」
「浴室の計画をするときには、よく考えてスペースをつくらなくちゃね」
*
*
*
【浴室用のルンバはいつかできるのかなぁ?】
「それから浴室って、家の中でも掃除が大変な部類に入ると思わない?っていうか、一番大変だなと思う」
「そうそう。うちも樹脂製の椅子を入れてるんだけど、その裏側とか、気づいたらカビだらけですごいことになってるんだよね」
「私はそれが怖くて家の浴室に椅子を入れるなんて考えられない。それでずっと膝をついて先発してるのよ」
「そうなんだ。でもそれって今はいいかもしれないけど…高齢になって足腰が弱ってくると大変じゃない?」
「浴室の掃除がしやすいのは重要なことだよね。腰をかがめて何かするのって、母を見ていても危ないなって思うもの」
「お風呂の中も、自動で掃除してくれる「ルンバ」みたいな家電製品があったらいいんだけどなぁ~」
「ああ~、浴室用ルンバが欲しいわ~」
「いいわね。壁や天井まで昇ってくれるとか?(笑)」
「普通室用だって、壁天井まで昇るのなんてないじゃない(笑)(笑)」
「でもね~!、ルンバとまではいかないけど…、お手入れが明らかにラクなユニットバスはあるらしいよ。うちの近所の工務店さんが、紹介してたよ。こんど聞いておくね…!」
【浴室の見直し:解決策アドバイス・処方箋】
【浴室 チェックリスト】
①家族構成や生活スタイルに合わせて、洗面台の形状、ボウルや水栓の数も検討する。
②洗面所で軽く洗濯や洗髪をすることを考えるとボウルの大きさは広めにしておいたほうがいい。
③洗面所で洗濯や洗髪をする場合は、当然ながら水栓は引き出せるシャワーヘッドが付いているシャンプードレッサータイプにしておいたほうが便利。
④水栓の開け閉めや止め忘れなど心配な場合は、自動センサー水栓やワンレバータイプの水栓も検討する。
⑤車椅子や化粧台椅子を置くことを想定した場合、洗面ボウル下は十分な空きがあるように考慮する。
⑥洗面室が脱衣室も兼ねている場合、ヒートショック予防のためにも暖房設備を置くと予防効果がたいへん高くなる。
⑦脱衣室とリビングが一続きになっていると、移動がしやすい上に脱衣室の温度もリビングと変わらない温度に保つことが可能となるので、ヒートショックの予防に効果絶大となる。
⑧タオル意外にも下着、パジャマなど衣類がしまえる収納があると便利。
⑨洗面所に椅子をおいておくと、歯磨きや髭剃りなどで、疲れているときにすぐに座れて便利。
⑩靴下などを脱ぎ着する場合も、椅子があると座ってできるので転倒防止にもなる。
⑪珪藻土マットは、通常のバスマットと比べてすぐに乾いてサラサラになるし、洗濯の手間が減るので、必要に応じて検討する。
by株式会社 大東建設 阿部正昭