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縁側に学ぶ、バルコニーを活用するための技術[外まわり5]

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今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。

春分 次候 桜始めて開く

犀星忌(さいせいき)

ふるさとは
遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの

室生犀星(むろうさいせい)『小景異情』より

この一節を知ったとき、心の奥がキュッと締めつけられるような、切ない気持ちになりました。

生まれ故郷を出て暮らしたことがある方には、沁みるものがありますよね。

新年度を前にすると、この詩と進学のために上京したばかりの自分を思い出します。

というのは真っ赤な嘘です。

東京で生まれ、育った自分には、そのような経験は全くありません。

大学の友人から聞いた話です。ですが、その話を聞いたときに想像から、まざまざとその光景が思い浮かびました。

東京での暮らしが長くなるにつれ、故郷からの距離が遠くなっていくようにも。少々センチメンタルになるのは、出会いと別れが交錯するこの時季だからなのかもしれませんね。

・今日をたのしむ
【桜始めて開く】

春分の次候は、誰もが待ち焦がれた桜の花が開く頃。桜前線、北上中です。

【犀星忌】

大正から昭和時代に活躍した詩人であり小説家・室生犀星の忌日(きにち)。代表作には『愛の詩集』『蜜のあわれ』『杏っ子』などがあります。

【比良八講(ひらはっこう)】

比良山(滋賀県)で汲んだ法水を、船の上から琵琶湖にまいて安全祈願をする、天台宗の法会(ほうえ)を行います。

・季節をたのしむ
【甘夏ー旬の果物】

甘夏が旬の季節になりました。
ほろ苦く肉厚なマーマレードを作ってみるのはいかがですか。

縁側に学ぶ、バルコニーを活用するための技術[外まわり5]

 

前回は【バルコニーを120%活用するための技術[外まわり4]

【バルコニーを120%活用するための技術[外まわり4]】

(青字のタイトルをタップすると記事に飛びます)をお伝えしました。

今回は【縁側に学ぶ、バルコニーを活用するための技術[外まわり5]】をお伝えさせていただきます。

前回、外廻りのおさえておきたい重要な点を再度おさらいしておきたいと思います。

【快適な外まわりづくりのポイント】

□ 玄関は庇があるだけでも安心感が得られます。門扉から玄関のスペースに余裕があれば「エントランスガーデン」として演出する愉しみもあります。

□ 心地よい風や庭木の緑を眺めることができるかつての縁側のように、生活の中で十分に利用できるバルコニーづくりに挑戦してみることをお奨めします。

□ バルコニーをオープンエアのカフェのように愉しむのも十分ありだと思います!その際は外部からの目線を気にしなくてもいいように植栽なども工夫したいところです。

□ 外構は別途費用が必要になる場合があるので、計画段階から外構の予算も確保しておくことをお奨めします。

□ カースペースは車を入れることができればいいという分けではなく、屋根材、床面、床材、ドアの開閉スペース、将来にわたっての自家用車プランなども検討することをお奨めします。

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【縁側に学ぶ、バルコニー活用術】

通路=縁側

 

通路空間を設ける

【通路空間を設けると利用率は俄然上昇!】

 

上図のように縁側は、もともと通路としてつくられたものです。外部へのアクセスも簡単で、通路だから物は置かないことをお奨めします。バルコニーも右図のように、窓際には必ず通路空間を空けておきましょう。すると、バルコニーの利用率は格段に上昇します。

 

私たち日本人には、縁側を上手に使う文化がありました。雨の日は縁側に座り庭木を眺め、晴れの日は庇(ひさし)の下で心地よい風を感じる。こういった情景には、生活の中に根づき、十分に利用されるバルコニーやテラスのヒントが隠されているのです。

まず、外部への通り道があることです。縁側はもともと通路ですから、物も置かれず、外へ出るのも容易でした。窓の前にソファーなどがあって、道が塞(ふさ)がれるとバルコニーは使われませんので、窓際の通路空間は、しっかり空けておくよう確保しておきましょう。

次に窓際で座ったりできることです。縁側の場合はサンダルなど履かなくても窓際に座ることができました。ですが、バルコニーの多くは窓際に椅子を置くと邪魔になります。だからといって窓の外に椅子を置いても汚れっ放し、汚れたサンダルを使わなければ外の椅子に座れないのが現実です。

まずは、バルコニーを日常的に座れるような場所にすることが必要なのです。バルコニーに裸足で出られるように工夫することもお奨めです。

また、外部には雨や日差しを避けてくれる深い庇(ひさし)があることもというか、絶対条件だと思っています。ただし、布製のオーニングテント(日避けテント)を設置するのもいいかもしれません。

あとはバルコニーやテラスに居るときに、人の目線が気にならないようにしなければなりません。家が密集している場合は特に気を付けなければならないことです。せっかくバルコニーを設けても、人目が気になって利用できないのでは本末転倒になってしまいます。

どうしても人目を避けられないくらい密集している場合は、格子などで、風を通しながらも外部からの目線が気にならないようにすることです。昔ながらの植栽を上手く使ってみるのもありだと思います。

このようなことは古(いにしへ)からの縁側や庭づくりの作法ですが、上手く利用すれば、使い易くて便利なバルコニーやテラスづくりが可能になり、自然を感じる豊かな生活に繋がります。

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【窓際(まどぎわ)に座れるバルコニー】

窓辺に座れるバルコニー窓際に座れることは、バルコニーを利用する大きな決め手となります。椅子を置き、庇やテントなどで雨や日差しを防ぐことで格段に利用し易くなります。このとき、外部からの目線にも気を配ることをお奨めします。

 

 

①オーニングなどオープン型のテントもお奨めです!

 

②視線は遮(さえぎ)ることをお奨めします。

 

 

裸足で出られるバルコニー

バルコニーというと段差が無かったり、外側が一段低いタイプが多いのですが、腰の低い窓にして敢えて段差をつくり、バルコニーを木製にすることで窓際に座れ、裸足でバルコニーに出やすくなるのでお奨めです。

①座れる窓辺

 

②木製なので、裸足(はだし)で出ることができるバルコニー

 

③ちょっと腰掛ける感じで気楽に座れる段差もお奨めです。

 

by株式会社 大東建設 阿部正昭

 

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