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No.9 雨水浸透舛(2006.6.17)
最近、新築と増改築の現場で『雨水浸透舛』をつくる機会がありました。
通常市街地では、雨水は下水管につないで処理していますが、宅地内に浸透(しみ込ませる)する設備をつくって処理するのが『雨水浸透舛』です。
ここ数年で集中豪雨が多発するようになり、都市の排水設備の容量が足りなくなってしまいました。夏になると各地で洪水に見まわれています。
そこでできるだけ雨水と生活排水を分けて処理せざるを得なくなってきました。
今回の『雨水浸透舛』は、東久留米市の条例で義務付けられている例と、条例で決められてはいないけど建て主さんが環境のためにご希望された例です。
今までよく見る浸透舛はインチキなものが多く、ちょっと使用しているとすぐに雨水を吸い込まなくなり、溢れ出すようになるものばかりでした。
どうも『雨水浸透舛』にあまり良い印象がありませんでした。ところが、正式な施工方法でつくられたものはなかなかのものでした。
正しい『雨水浸透舛』とそうでないものの違いは何かというと、たくさん水抜き穴のあいた舛のまわりに砂利、砂を入れるための余掘りを十分にして、砂、砂利の層を底に施します。
舛を水は通し、砂、砂利は通さない特殊な布で包み設置します。その舛の側面にも砂、砂利を層にして詰め込みます。
インチキな『雨水浸透舛』は穴の開いた舛をただ土中に埋め込んだだけなので、すぐに泥や土が穴に目詰まりしてしまい、吸い込まなくなってしまいます。私もそれが『雨水浸透舛』だと思っていました。
本当の『雨水浸透舛』は数と大きさを十分に取れば、溢れることはないようです。今回のものもしっかりと浸透していました。
雨樋から流れ出る水が地中に吸い込まれていく様子は、舛の中で滴の音がコダマして、なぜか心が癒されるような気がします。
地球が喜んでいるのかもしれません。
雨音が奏でる大地の喜ぶ音を聞いてみたいと思いませんか?
(2006年6月17日のメルマガより)