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No.13 ベランダの排水(2006.8.18)
今年は例年に比べ雨が多く、その上に短い時間に集中して降る豪雨がやたらと多いせいでしょうか?雨漏りの問い合わせも比例して多いようです。
今月は同じような造りで、同じ原因で2件の雨漏りがありました。どちらも1階のサッシの上部で、サッシ枠と木枠の継ぎ目から雨漏りがしてくるというものでした。
どちらのお宅も、ご主人(お施主さん)に、「2階屋根からの雨漏りじゃないでしょうか?」と言われました。
片方の家はまだ防水工事をやられたばかりで、もう一軒は防水工事をやり直したら、大掛かりな工事が予想されます。費用も当然掛かるのでできれば簡単な修理で済ませたいという願望から出た言葉でした。
ところが原因はやはりベランダでした。防水には全然原因が無かったわけではありませんが、根本的には排水に原因がありました。
排水が詰まっていて、ベランダ内に雨水が溜まってしまい、防水の立ち上がりを超えて、ベランダの床下に浸水していました。
そして、ベランダの床と軒天の間に溜まって逃げ場の無くなった雨水が下の部屋のサッシの上の壁内に浸水し、サッシと木枠の隙間からポタポタと部屋内に落ちるという経路を辿っていました。
集中豪雨のときはバタバタと浸水していた様子でした。
排水を詰まらせたのは木の葉や布団や洗濯物から落ちた髪の毛でした。それを取り除かなかったことが直接の原因ではありますが、急にまったく流れなくなることはありません。
普通はだんだん流れが悪くなるのでそこまでなる前に気が付きます。何故ほとんど完全に流れなくなる前に気が付かなかったのでしょうか?
ベランダの床と軒天(ベランダを下から見たときの天井)の間には空間があります。その空間の中で排水管は真っ直ぐに下ろすべきなのですが曲げてありました。
周りに木が多いような場所ではすぐに詰まってしまいます。こんなことは初歩的なことのように思われますが、外観を良く見せるためかどうかはわかりませんがここは肝心なところがおろそかにされています。
ですが、このようなことはいわゆる分譲住宅では日常茶飯事行われています。(注文住宅でも少なくない)
今回のようにすぐに見つかるような場合は反って良かったのかもしれません。
長い時間ジワジワと雨漏りしていたら白蟻にも遣られますし、気が付いたときには取り返しのつかない状態になっていたかもしれません。
どちらにしても雨樋や排水はないがしろにされ勝ちです。排水管の中に木の葉などの異物が入り込まないよう網などの防御を施し、こまめに掃除するに越したことはありません。
あたりまえのことが施されていない建物でも気に掛けて手入れをしてあげれば、ほとんど気に掛けて貰えない建物より長く持つかもしれません。
また現場に教えられてしまいました。
(2006年8月18日のメルマガより)