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No.15 紙パック掃除機の落し穴(後)(2006.9.10)
前回の続きです。
何故そのようなことをするかというと、 簡単に言ってしまうと日本の市場ではその方が儲け易いからです。
まず本体の掃除機は利益にはならないくらいの価格を設定して他方式のそれより安く販売します。
他方式の掃除機よりも当然売れますが利益が出せません。
ところが普通の掃除機(紙パック式)は、専用の紙パックを買って使用しなければなりませんので、消費者に他のものを買う選択肢はありません。
ということは、競争が激しくあまり利益の出せない掃除機本体より価格競争のない紙パックを売った方が十分な利益が得られます。
日本の掃除機業界は紙パックを売るために掃除機を売っていると言っても過言ではないのです。
その上本体も壊れ易く、事実上部品交換はほとんど各メーカーやりませんので、こちらも短いサイクルで売れる仕組みになっているようです。
この仕組みはどうヒイキ目にみてもあまり誉められるものではないような気がします。
紙パックに使用される資源は膨大なものですし、掃除機も吸わなくなったら買い替えて捨てられてしまうわけです。
「良いものを長く使うことをよし」としている私としては、かなりの憤りを感じてしまいます。
ところがわが国では残念なことにこのようなことはいくらでも行われているようです。
しかも上手いことを考えたでしょうと言わんばかりに、どうどうと大手の企業がやっているのです。
パロマの事故も同じような発想から生まれたものです。
こちらは逆に安全スイッチを作動しないようにする安易な方法で、急場凌ぎをしてきた結果が大惨事を招いてしまいました。
まだまだわが国は公的な機関も民間の大企業も安心して任せられるものは少ないようです。
組織の大きさより、誰がやっているかが問われる時代が来たのかもしれません。
ちなみに、紙パック方式が駄目なら、どんな掃除機を買えばよいのでしょうか?
サイクロン方式で紙パックを使用しないものがあります。
最近人気のダイソン(ドイツ製)等がその例ですが、こちらは定期的に掃除はしなければなりませんが、部品交換等のメンテナンスをしていけば支障なく十年以上は使えます。
なんと日本を除く、ドイツ等の先進諸国では、掃除機は部品交換がいつまでも可能で、メーカーは部品交換さえすれば半永久的に保証しているそうです。
やはりこれからの世の中では、壊してつくり直せばいいとする考えは終わりを迎えようとしています。
使えば使うほど愛着がわくものをつくらなければならないようです。
(2006年9月10日のメルマガより)