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No.29 近隣への挨拶と慰謝料?(2007.5.12)
以前、現場でこんなことがありました。
その現場では工事も終わりに近付き、最後に外壁の塗装工事を施工していました。 ところが、道路を隔てた斜向かいのお宅から連絡が入りました。 そのお宅のご主人からのクレームの電話だったのですが、かなり怒っているようでした。
怒りの電話の内容は、うちの工事で外壁を塗っていた塗料が風で飛ばされ、そのお宅の車庫にあった乗用車に飛び散ったので弁償しろとのことでした。
細心の注意を払って、周りには飛び散らないように心掛けているつもりなのですが、それでもご迷惑をかけてしまう場合もあります。
そこで、取り急ぎ、現地に状況を確かめに足を運びました。
先に現場の塗装職人達が、被害に遭われたというご主人から工事を止められ、私が現地に到着するのを待っていたようでした。
まずは本人達に状況を詳しく聞いてみると、飛散防止の養生はしっかりやっているようでしたし、工事保険にも入っているので弁償しますと言ったが、凄い剣幕で怒っているとのことでした。
工事保険に入っているので弁償しますと言ってしまったことには引っ掛りましたが、とにかくそのお宅を訪ねました。
待ってましたとばかりに出てきましたので、まずは丁寧に謝ってから、乗用車を見せていただきました。
ところがどうでしょう、塗料が飛び散っている跡がわかりません。 しかもその車までの間にもう一件のお宅があるのですが、そのお宅の塀や道路がまったく汚れていませんでした。
塗料がどこについているのかご主人に尋ねると、良く見ればわかるからもっと良く見てくれと言われました。
やっと、それらしき白い塗料のようなものを見つけることはできました。しかし、その跡はどうも以前から付いていたもので、色も今回の工事で使用した色とは違っていました。
その人が言うには、この車の塗装は特殊で、そこら辺の板金塗装屋ではできないものなので、ご自分で塗替えをされるとのことでした。 その工事代金を請求するので払ってくれればいいと言うのです。
私はまだ弁償するとは一言も言ってはいませんでした。
今回のうちの工事で付けてしまった塗料でないことはほとんどわかっていましたので、弁償はできないことと、その理由を説明しました。
それを聞いたご主人は大変激怒され、どうしても今回の工事で付いたものだと言い張って、聞く耳を持ちませんでした。
調べれば塗料が違うことは明白なので、私の方で調べて、同一塗料であることが間違いなければ弁償しますが、そうでない場合は工事を差し止められた損害と偽証で訴えさせて貰うとお話しました。
すると、急にそのご主人は弱腰になって、「お宅の職人が工事保険に入っているから弁償しますと言ったんだ。訴えられたら堪らねえよ。」と言って家の中に引っ込んでしまい、二度と出てきませんでした。
もちろん、私は訴訟など大嫌いなので、よほどのことがない限りやるつもりはありませんでしたが、訴えてやると口癖のように怒鳴っていた当のご本人は、自分の非を訴えられるのは苦手なようでした。
その後、匿名で警察や役所に通報されたようでしたが、状況説明に時間を取られたぐらいで、それ以上の困ったことはありませんでした。
後日わかったことですが、そのご主人は、近隣で工事がある度に文句を付けていたそうです。 しかも、近隣の工事を請け負った建築業者は、言われるがままにお金を払っていたようです。 文句を付ければ建築業者は金を出してくれると思い込んでいたようでした。
彼も最初からお金を貰おうとして文句を付けたわけではないのでしょうが、簡単にお金で解決しようとする、お金持ちの建築業者が多いので勘違いしてしまったようです。
私の会社では理不尽なことに出すお金はビタ一文ありません。 まさか、そんな貧乏建築会社があるとは思ってもみなかったのではないでしょうか。
私のところから予定していたお金が取れなかったせいでしょうか、そのご主人は、数ヵ月後に家を売って出て行ってしまいました。
それでは、健康な我が家をめざして…
(2007年5月12日のメルマガより)