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洗濯、物干や生ゴミ置場を極める[間取り・動線追求3]
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
穀雨 初候 葭始めて生ず(あしはじめてしょうず)
植物学の日
今日、令和3年4月24日は「植物学の日」なんです。
日本に自生する植物は7千種に及ぶといわれています。
そのうちの1500種以上に学名をつけたのが「日本の植物学の父」と呼ばれる牧野富太郎です。
練馬区では小学生の社会科見学で必ず富太郎先生の生家であり、植物園に訪れます。
小学生の頃は植物園などに行っても何も分からず、牧野富太郎先生がそんなに立派な人だとは微塵も知りませんでした。
身近なところを見ただけでもケヤキやキンモクセイ、クチナシ、ノジギクなどの学名は彼によるものです。自叙伝に「私は植物の愛人として生まれ来たように感じます」と記しています。
彼はすぐれた観察眼と絵を描く才能に恵まれていました。
ネズミの毛を3本束ねただけの極細の筆で描かれた植物画は、その精密さと美しさにため息が出るほどですよ。
彼の植物画を収め、1940(昭和15)年に刊行された「牧野日本植物図鑑」は、植物学者や植物好きのバイブルとして読み継がれています。
そして…
七十二候で穀雨の初候は葭始めて生ず(あしはじめてしょうず)。
およそ、4月20日から24日までの季節で、水辺の葦が、にょきりと芽吹きはじめるころという意味です。
そんな葦の若芽のことを、葦牙(あしかび)といったり蘆の角(あしのつの)といったりするんですね。
葦の芽が水面に飛び出してくるとき、芽の切っ先が牙や角のようにとんがってくるからとかいわれています。
水温(みずぬる)んできた春のさなかに、すくすく伸びる葦のたくましさを感じさせます。
また風にそよぎ、あおあおと茂る若葦のようすを、葦若葉とよんでいます。
何千年、何万年と繰り返し営まれている、こんな自然の現象を目のあたりにすると、ちっぽけ過ぎる自分をどうしても意識して落ち込んでしまいますね。
ところが、パスカルの「人間は、自然界で最も弱い葦に過ぎない」には、続きがあります。「ただし、その葦は自然界で最も弱い葦に過ぎないが、考える葦である」
あまりにもちっぽけですが、考えることによって、計り知れない可能性を持っているということなんですね。今日から困難な問題があれば、とにかくとことん考えてみたいと思います。
洗濯、物干や生ゴミ置場を極める[間取り・動線追求3]
【カウンターの下部を屋外から使える生ゴミ置き場に】
防水やスムーズな動線を考慮すると外開きか引戸とすることが理想なのですが、引き込み代をとることが難しい場合は内開きの扉にすることもありだと思います。
外開きにする場合、十分に確認が必要になることは、ゴミ袋やポリバケツの高さを見込んだ位置に設けるか、開口部から離れた位置に置ける広さを確保しなければなりません。
①ダイニングに付属するカウンター収納の一部を外壁側から凹ませることで、屋根のある外部空間にします。ですからここは外部となります。
高気密・高断熱住宅の場合は扉も断熱扉にする必要があります。
②使い勝手上、内開き扉にせざるを得ない場合が多いかと思いますが、その場合は、生ゴミ置き場の天井を低くして床をフロアレベルよりも200mm下げて、防水性を高める必要があります。
③生ゴミ置き場の開口部の大きさは 幅=600mm、高さ=650mm
④床の仕上げと壁の立ち上がり300mmはFRP防水を施します。ゴミ置き場の天井高は860mm広さはおよそ0.4㎡以上が理想です。
【生ゴミの置き場を極める】
2階以上にキッチンがある家の場合は勝手口が設けられないため生ゴミの臭気対策を必ず考えておかなければなりません。この生ゴミ置き場はダイニングに付随するカウンター収納の一部を外壁側から凹ませることで、屋根のある外部空間になっています。
ここで気をつけなければならないことは、このゴミ置き場は、外部ということになります。なので、床壁を防水しておく必要があります。ここではFRP防水を施しています。
その他の方法としては、ルーフバルコニーがあれば勝手口をを設けることで外部の一時的なゴミ置き場として使用することができます。またルーフバルコニーでなくても、サービス用の専用バルコニーを設けることも考えられます。
下記↓ I様邸では、ビルトインガレージの上部に洗濯物干し用バルコニーを設け、キッチンから勝手口ドアを経てが屋外生ゴミ置き場を実現しています。
【洗濯環境を極める】
洗濯物を干す場所を考えるときに、雨の日は当然ですが、それ以外にも花粉の時期には外に干すことができなかったり、夫婦共働きが当たり前になっている今日では、帰りが遅くて洗濯物が冷たくなってからしか取り込めないという人たちが最近では圧倒的に多くなっています。
ですが、浴室換気乾燥機や洗濯乾燥機はできるだけ利用せずに、なるべく太陽の光で自然にお日様の匂いがするように乾燥させたいものです(お日さまの匂いが実際にあるのかどうかは、さて置き…)。
そんなときは階段の上を利用して室内洗濯物干し場を設置することをお薦めします。意外にひと目を気にすることもありませんし、暑い空気はそれぞれの部屋や家全体の最上部に溜まるものです。
さらに冬は室内の過乾燥を防いでくれます。その上、階段室はいい香りになるのです。ただし、一般的な柔軟剤や芳香剤はいい香りを通り越して、頭痛の元になりかねないこともありますので、気をつける必要があります。
【室内洗濯物干しがあれば、梅雨時や花粉の時季でも安心です。】
①室内洗濯物干しの本体取り付け位置に開口部を設け、周囲に補強
用桟木(補強桟木45×45mmもしくは45×60mm程度の木材を使用)を取り付けておかなければなりません。
②ハイサイドライトで自然の太陽光も利用しない手はありません。
③この室内用洗濯物干しは既製品です。天井高2,200mm~2,700mmの位置に取り付けるように設計されています。本体を引き上げ下げできるようにコードが付いているので必要に応じて操作コードで引き上げ高さを調節することができます。