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L+D+K 動きに無駄のない美しさは完璧な計画から
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
秋分 次候 蟄虫戸を坏す(すごもりのむしとをとざす)
蟄虫戸を坏す(すごもりのむしとをとざす)
旧暦七十二候では、春の半ば、三月五日ごろから蟄虫戸を啓くの候があり、そのときもお伝えしましたが、覚えてますか?
それと対をなすのが秋分次候の、蟄虫戸を坏す(すごもりのむしとをとざす)です。
寒くなってきて、虫が土の中で巣ごもりの支度をし出すころ。およそ九月二十八日から十月二日ぐらいまでです。
このほかにも七十二候には、虹やつばめ雁などが姿を現し、また去っていく季節が対になっています。こちらも、お伝えしましたが、覚えてますか⁉️覚えてませんよね。
古い古い時代には人は半年を区切りとして、いろんな習俗を対にして行っていたといいます。一月の正月と七月のお盆、夏越しの祓えと年越しの祓、そして春分と秋分もそんな昔の名残りかもしれません。
L+D+K 動きに無駄のない美しさは完璧な計画から
LDKというのは、お決まりの3点セットですが、設計計画で最も気を使うのが、座ったり、立ち上がったりする動作と歩く動線です。
立って作業するキッチン、椅子に座って食事などをとるダイニング、床座で寛(くつろ)ぐリビングという、それぞれ違った動きをする空間同士をスムーズに繋げることは、美しい立ち居振る舞いに繋がります。
たとえば、キッチンのすぐ隣に床座のダイニングテーブルを置いた場合、配膳するにも立ったりかがんだり(座ったり)と動作の流れが悪く、疲れてしまいます。ところが、よくある間取りです。
それから、もうひとつ大きな問題があるのですが、それは目線です。LDKのそれぞれの場所にいる人同士の目線を合わせ、コミュニケーションをスムーズにする必要があります。
目線が合わないとなかなかコミュニケーションを取りづらいのです。よく「目を見て話せ」と言いますよね。目と目が合わないと気持ちが伝わらないからです。気持ちが伝わらなければ、当然ですが良いコミュニケーションは取れませんよね。
これらの問題をすべて解決する方法として、キッチンを土間にした例やダイニングを掘りごたつにした例があります。LDKは別々に計画されがちですが、なぜLDKと隣どうしにするのかを考えてみれば、自ずと分かることだと思います。空間内での流れを考えてひとつの空間として計画することをお薦めします。
目線の食い違いをなくす
自然に目線があって、家族の会話が弾む理想の家にしたい。
【目線がバラバラで自然に会話が弾まない例】
一般的なLDKにおいて、家族がそれぞれ異なる場所にいる場合を考えてみましょう。キッチンに居る人は立って作業しています。ダイニングでは椅子に座っています。リビングでは大抵床に近い場所にいます。
ですから、図のようにお互いの目線の高さが、かなりズレてしまっています。これでは目線が合って自然に会話が弾むことはとてもなさそうです。
【目線を合わせたLDK】
A図のような目線の食い違いを避けるためには、床のレベル調整をしなければなりません。B図はキッチンで立って作業する人を基準とした例です。ダイニングとリビングの床を50cm上げることで、会話の弾む楽しい床座型LDKができます。一方、反対にダイニングとリビングに合わせてキッチンを玄関の床レベルに下げる方法もあります。
【大テーブルは、狭い部屋ほど有効】
リビングとダイニングを兼ねた大テーブルで、ほかの空間を有効利用!
「ローテーブル」は食卓にも寛(くつろ)ぐこともできます。
食べることも寛ぐ場所も一緒でいいという人には、リビングとダイニングの両機能を兼ね備えた、高さ30cmくらいのローテーブルがおすすめです。これならばダイニングとリビングの両方を間取りするとそれぞれが狭くなるような小さなLDKでも余裕をもってつくれるのです。アイランドキッチンがこのタイプともいえます。
【ダイニング・キッチン一体カウンター】
対面キッチンの天板の一部をダイニングテーブルとして使った例です。キッチンで家事をする人とカウンターに座る人がおしゃべりできるので、来客にお茶を出すときなども大変便利です。
【LDKが一体になり、省スペースを実現】
畳敷きのリビング・ダイニングにローテーブルを置いた例。LDKはこぢんまりと納め、個室などほかでスペースを使えるようにします。ローテーブルは、掘りごたつ式テーブルにしてもいいと思います。
【対面式の団欒(だんらん)型キッチン】
キッチンに対面させてダイニングテーブルを併せて造作(製作)。しかもこの空間はリビングも兼ねています。キッチンの吊戸棚にテレビを入れることで、テレビを観たければ、家族が顔を合わなければならない仕組みにするのも家族団欒(だんらん)の在りかただと思います。