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リフォーム済み中古マンションの危険性

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一般の人は住宅などの価値を判断する場合、”見た目の豪華さ”などの見えることのみで考えることが多いようです。もっと大事なところを見ないで、簡単に買ってしまいます。

「そんなことはないよ!」
と言われる方もいるかもしれませんが、かなり多くの人が表面的なことで惑わされているように感じます。

こんな事がありました。

光が丘の分譲マンションが2,200万円で売りに出されていたので、お客さんを連れて見に行きました。築10数年の物件にしては安いようなので見にいったのですが、中に入ってびっくりしました。
売主さんはすでに引っ越されているはずなのに、まだいろいろな物が置いてあって、ゴミも散らかり放題でした。子供がたくさんいる方のようで、壁に落書きあり、床はキズだらけです。

業者であれば、汚くてどうしようもない部屋でも表面的な内装工事をして、プロにクリーニングさせれば見違えるようになることは解りますが、一般の人には解りません。

キレイになった後の想像はできず、
「こんな物件冗談じゃない!」
と思ってしまいます。

この物件の場合、売主さんがリフォームにかけるお金を惜しんだのか、不動産業者がアドバイスしなかったのか解りませんが、リフォームはしなかったようです。どんどん値段が下がって結局1,980万円で売れたそうです。

後から聞いた話なのですが、光が丘のマンションをたくさん売買仲介していてこのマンションの値段に詳しい不動産業者に言わせると、
「リフォームで綺麗な内装にすれば2,400万円で右から左に売れる物件」
とのことでした。

リフォームで内装を綺麗にすると言えば通常、全室クロスを張り替え、フローリングの床は新しい物に張り替え、カーペットの部屋は新しいカーペットに張り替え、畳の部屋は畳の表替えをしてプロの掃除屋さんに掃除してもらいます。
これだけで部屋は新築のようにすることができます。しかも金額は100万円もあればできてしまいます。
内装が表面的に綺麗にしてあれば2,400万円で買うマンションを、内装がきたない状態では2,000万円でも誰も買わなかったということです。

一般の方がリフォーム済の中古マンションを購入する場合、見た目の表面的な内装で買ってしまうということですが、素人からすれば見た目でしか判断できないのだから仕方がないかもしれません。
しかし、その結果どうなるかというと、

  1. 中古マンションを高く買ってしまう
  2. 肝心なところを見落としてしまう

ということになりかねません。

例をあげますと、板橋区に築30年以上の古い分譲マンションがあります。
4階のある1室が私の知合いの物件なのですが人に賃貸しています。数年前、その部屋の真下の部屋を買い取った大手の買取業者(中古マンションを買い取り、リフォームして転売する不動産業者)から電話が入ったそうです。

「401号室の所有者の方ですね? 301号室を販売したとたんに上から水漏れして綺麗にした部屋が水びたしになってしまい、お客さんが怒ってます。なんとかしてください」

「まいったなー!」と思い私に相談してきました。

とにかく、原因を調べることにしました。
301号室の天井を空けさせてもらい、401号室の水を出したり流したり止めたり、いろいろやってみました。壁の中での漏水なので、なかなか原因が解りません。数日後にやっと、給湯器につながる給水管の老朽化が原因と解り、修理して漏水を止めることができました。

天井を元に戻して、濡れた床を1室全部張り替え、クロスも濡れてしまったところがあるので張り替える必要がありました。
張り替える床を注文しなければならないので、使っている床材をその不動産業者に聞いたところ、L45 という防音床を指定されました。金額が高いのですが仕方ないのでその材料を注文しました。

しかし、工事を始めて床を剥がしてみてびっくりしました。防音床でない普通の薄くて安い床材でした。
買ってもらうお客さんには、防音床ということになっているのでしょう。お客様は出来上がりを見るだけなので、解りません。

数年後、301号室の所有者の方から偶然電話がありました。私の事を知っていて電話をくれたのではありません。リフォームの依頼で当社に電話をくれたのです。

「北側の壁にカビがひどく、洗面所の床がブカブカしているので見て下さい」

とにかく見させていただくことにしました。
中に入ってカビ臭さにびっくりです。そこで洗面所の床を剥がしてみると、思ったとおり床の下に水が溜まっていました。
このマンションは、もともとはトイレと浴槽が一つの部屋にあるというスタイルで、30年前は斬新なものでした。今ではそれがすごくいやがられます。
そこで不動産業者は販売するためにトイレと浴室を分離しました。そして、浴槽、トイレ、洗面はもちろん交換します。そして、壁、床、天井などの内装を綺麗にしました。

これで、見た目には完璧です。間取りも今風になり、内装も新築同様です。販売されたこの物件を見に来た人は、新築同様の中古マンションを見て
「これなら高くない。」
と考え、見た目の内装だけで判断して買ってしまうのです。

しかし、水廻り等の工事はそう簡単なものではありません。このマンションで言うと、まずトイレを分離して部屋を作ったのでそこには窓も換気扇もありません。トイレの換気ができないということは大変なことです。湿気でカビが発生し、臭気もこもり不衛生極まりないです。
洗面所はもともとの浴室の一部に作っているのに、浴室の防水をきちっとやっていないので、床下に水が廻ってしまったようです。年中床下に水が溜まっているようでは、建物にも人間にも良くないのは当然です。

買取業者は、おそらく700万円くらいでこのマンションを買い取り、このようにリフォームして1,098万円で売却といったところではないでしょうか。
本来、このような工事をしっかりとするのであれば、300万円から350万円くらいはかかると思います。しかし、それでは買取業者の利益が無くなってしまいます。そこで、工事会社に200万円くらいでやらせているのでしょう。

このマンションを買った人にしてみれば、新築のように綺麗だから買ったのに2~3年の間にカビだらけになり、床がくさり、匂いで誰も入りたくないようなマンションになってしまったのです。その上に嘘の防音床になっているのでは、たまったものではありません。

それでは、損をせずに中古マンションをうまく購入するためには、どうすれば良いのでしょうか?

  1. 水廻りの位置を変更しているリフォームに注意
    築年数の古いマンションは、今人気のある間取りとはかなり違っています。
    そのため、業者は売れる間取りにするため、場合によってはキッチンやトイレ等の水廻りを移動しなければなりません。
    水廻りを移動するということは本来、大変な手間がかかりお金がかかります。
    しかし、それでは利益が無くなってしまうということで、お金のかからない適当な工事をしてしまうのです。
  2. 中古マンション購入の契約をする前に信用のできる建築業者に見てもらう
    「そんな事をしているうちに物件が売れてしまう」
    と思う人もいると思いますが、売れたら売れたでかまわないという姿勢が必要です。
    あせって悪い物件を買ってしまったら大損です。
    あせらなくても、これから中古マンションはいくらでも出てきます。
    今、マンションは供給過剰状態なのです。
  3. リフォーム済でない物件を安く買う
    前にもお話したように、リフォームをしていない中古マンションは、一般の人は敬遠するので安く買える可能性が高くなります。
    また、リフォーム前の物件であれば良い点、悪い点が把握しやすくなります。

とにかく、見た目の豪華さに惑わされないことです。

お化粧よりも大事なことはたくさんあるのです。肝心なところをおろそかにした化粧は、短時間で化けの皮がはがれます。
肝心なところをしっかりしていれば、見た目を美しく工事することなど、後から簡単にできるのです。


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マンションのリフォーム工事は給水管や排水管などのことを考えると、そんなに簡単にはいきません。最も重要なことです。

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