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住宅を構成するダイニング&キッチン空間の標準寸法【寸法考③】

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今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。

春分 次候 桜始めて開く

山桜(やまざくら)と山笑う

まだまだ、満開とはいえない桜並木だけど週末には見事なまでの桜吹雪が見られることでしょう。

満開の桜の下、はらはらと舞い散る花びらを眺めると、盛りを迎えては過ぎてゆく季節のうつろいを柄にもなく、ふと感じることがあります。

桜といえば、ソメイヨシノと決まっているものだと思っていましたが、花見の主役は、時代とともに移り変わってきてるんですね。

かつては、違っていたのです。

山々を、ほのかに色づかせる山桜が花見の代表的なものでした。

同じ山でも、あちらに咲いては、こちらに咲いて山桜の咲くタイミングはまちまちです。

ふわっ、ほわっ、と山野を染めるさまを、ふもとから眺めて楽しみます。

またそんな春の山のようすを「山笑う」といいます。

昔のひとは、桜があっちこっちで山肌を染める様子をみて、笑っているように見えたのかもしれませんね。

 

住宅を構成するダイニング&キッチン空間の標準寸法【寸法考③】

 

前回、前々回の【寸法考① ②】では、3尺モジュールを半分に細分化することでバリエーションがまったく違ってくるというお話をさせていただきました。

今回は、住宅を構成する各空間の標準寸法を寸法ごとにグループ分けしてみました。

以下、前回の【住宅考①のおさらいです。

住宅の設計に使われるモジュール(基準寸法)は、大変便利なものです。昔も今も尺貫法(しゃくかんほう)の3尺(じゃく)(910mm)を基本としたものが一般的です。

廊下やトイレの幅、押し入れの奥行きなど、3尺(じゃく)(910mm)という長さは遥か古(いにしえ)より、私たちの日常生活にフィットしてきた万能の寸法といっても決して過言ではありません。

建築物をつくる材料なども、大抵は3尺(じゃく)(910mm)が基準となっています。

ところが、私たちは、その半分にあたる455mmを実際には多く使用しています。ほとんどの住宅は、限られたスペースに個室や収納を設けなければなりません。

しかも、効率良くでなければ設計する意味がありません。なので、3尺(じゃく)(910mm)という長さが最小単位では、少しばかり大雑把すぎてしまいます。

よく古(いにしえ)より言われてきた、「帯に短し、たすきに長し」な部分や場所がいたるところに、いくつも出てきてしまうからなのです。

『ごはんをおかわりしたいな……。と思ってもお茶碗一杯だと多過ぎるかもしれないので、半分だけにしておこう』という腹具合ってありますようね。

ちょうど、もう一杯のほうが、少ないくらいかもしれません。その手の微妙な匙(さじ)加減が欲求を満たしてくれる、言い換えれば「かゆいところに手が届く寸法」といえるのです。

それが、一尺の半分、455mmという寸法の重宝さという魅力なのです。

【+455で刻みたい場所「寝室・廊下」空間】

平面図を(間取り)を細かく細部に渡って煮詰めていくと、455mmという寸法がまるでスーパーマンのように大活躍しそうな非常に多くの場所に出くわすというか、出逢います。たとえば、下図のようなところ…

【+455でベッドの周りを快適に】

間口2間(3,640mm)、奥行き1.5間(2,730mm)という6畳のサイズの寝室は、ベッドを2つ置くと間違いなく足元が大変窮屈になります(反面、両サイドは多少余裕)。

そこで、足元側に+455mm大きい奥行き3,185mmにすることによって足元に十分な余裕を作ることができます。僅か+455mmにするだけで快適といえるゆとりの寝室の出来上がりです。

【+455で廊下に収納スペースを設ける】

廊下の幅を910mmで計画すると、壁を張って仕上げた後の有効寸法は770mm程度まで狭くなってしまいます。この幅は通路だけで使用する分には問題ありません。

ところが、あと455mm広い幅1,365mmで計画することにより、壁面に収納スペースを設けることができます。僅か+455することで大容量のどこからでも出し入れしやすい収納空間となります。

以上ここまでは、おさらいでした。

今回は、ダイニング空間とキッチンについて考えてみたいと思います。

【+455刻みで椅子の引き代分ふかしたい「ダイニング」篇】

[ダイニングチェアにほしい「引き代(ひきしろ)]

ダイニングの+455

ダイニングの+455

 

ダイニングテーブルのサイズは製品によって様々ですが、多少大きめの800×1800mmくらいのテーブルを置いた場合、1間×1間(1,820×1,820)の広さでは椅子に座ると「余白」がほとんどなくなってしまいます。

椅子の後方を人が通れるくらいないと非常に不便で使いづらいダイニング空間となってしまいます。そこで、その分余白を設けなければなりません。

人が通れるくらい空けておくには、あと455mm大きい2,275mmで計画することをお奨めします。(これでもギリギリ通れるくらいなので、ダイニング空間に広さを取れるのであれば、910mm広くしてもいいくらいです)

当然ですが、+455でも椅子をラクに引けることは引けますので、余裕がない場合は、むしろこちらで計画することをお奨めします。

【+455刻みでキッチンだけでなく食器棚も納めたい「キッチン」篇】

[キッチンをぴったりサイズでつくりたい]

キッチン+455

キッチン+455

キッチンが調理だけをする場所ならば、キッチン空間の巾というか、奥行きは1間(1,820mm)もあれば十分だと思います。

ところが、食器や食材などを収納する棚までスッキリ納めたい場合には(通常は納められないと非常に不便です)、あと455mm大きい2,730mmにすると、今度は「微妙に余る」空間ができてしまい、かえって動線などにムダが生まれてしまいます。

この場合はダイニングの場合と違って、大きな家なら、それでも許すというわけにはいきません。

前回お伝えした、住宅を構成する各空間の標準的な4つのグループの寸法を載せておきます。間取りを検討する際のあくまでも参考としていただければ幸いです。

910mmの空間

910mmの空間-1

910mmの空間-2

1.365mmの空間

1365mmの空間-1

1365mmの空間-2

 

1,820mmの空間

1,820mmの空間-1

1,820mmの空間-2

2,275mmの空間

2,275mmの空間

2,275mmの空間-2

【3尺グリットを使って〇〇過ぎない間取りに】

by株式会社 大東建設 阿部正昭

 

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