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【省エネの切り札といったら断熱です】〈断熱・省エネ考①〉
夏至(げし)末候 半夏生ず(はんげしょうず)
半夏生(はんげしょう)
夏至(202)から数えて11日目にあたる雑節(420)「半夏生」を迎えました。
七十二候も、2020年は昨日から「半夏生ず」に。半夏とは、薬草ともなるカラスビシャクの漢名で、今頃に花をつけることから「半夏生」の言葉が生まれたといわれています。
半夏生は、米づくりにおける大切な節目です。
昔から、今日まで田植えを済ませていなければ秋の実りが減るといわれており、「半夏半毛(はんげはんげ)」「半夏半作(はんげはんさく)」といった言葉も残っています。
各地に伝わる半夏生の行事食のなかでも有名なのは、関西発祥のタコ。稲の根がタコの足のようにたくさん張ることを願い、食べるようになりました。
多少こじつけのように思えますが、これも労をねぎらうためのしつらえだったのかもしれませんね。
【省エネの切り札といったら断熱です】〈断熱・省エネ考①〉
熱が逃げないよう、入らないようにすることが断熱です。せっかく部屋を暖めたのに、熱が逃げていってしまっては、いつまでも暖かくなりません。
逆にまたエアコンで部屋を涼しくしたにもかかわらず、夏の強い日差しで熱せられ、部屋の中まで熱くなってしまっては、エネルギーの大変な無駄遣いということです。
ですから、断熱をしっかりすれば暖冷房に要するエネルギーが少なくて済むのは明らかなのです。
【天窓(トップライト)の遮光方法】
トップライトは長所が多い反面、それに比例して短所も負けないくらい多い開口部なのです。特に夏には厄介な開口です。普通は、立ち上げ部分に換気口を設けますが、当然夏の暑さ対策にはそれだけでは不十分です。
屋根の上に登ることが可能なら簾や遮光ネットなどを付ける方が、内側で遮熱するより爆発的な太陽の放射熱を遮るには効果的です。
ただし、外につけることは、危険を伴うのと、太陽光線や雨などに直接晒されますので劣化が激しいのはご了承ください。
それらのリスクを避けたい場合は、トップライトの内側にアクリル板の蓋のようなものを取り付け、開閉できるようにしてもいいかもしれません。
①簾で放射熱を遮ります。
②断熱のための空気層をとります。
大変危険なので、お薦めはしませんが、建物の外側で遮熱したほうが暑さ対策には抜群の効果を発揮します。
●トップライトの構造と仕組み↓
●ハイサイドライトの構造と仕組み↗
上記の設備・トップライト&ハイサイドライトのどちらも主に暗くなりがちな部屋に光を取り入れるのが主な目的です。
それならば、どちらかをつくるならば、断然ハイサイドライトの方をお薦めします。
なぜならば、トップライトのリスクは夏は太陽放射が直接部屋の中に入って灼熱地獄になってしまうことです。もうひとつは、雨漏りがしやすいことです。どうしても真上にガラスなどの平面の板を設置しなければならないので、防水シーリングなどの経年劣化し易い材料に頼らなければなりません。
その点、ハイサイドライトならば、真夏の高い高度の太陽放射は屋根材に遮熱性の高いものを使用することによって、遮ることができます。それでいて明かりは、高い位置から取り入れることになりますので、充分に取り入れることが可能です。
雨漏りの心配も、天窓(トップライト)に比べてはるかに雨漏りしにくい構造となっています。
それ以外に、天窓もハイサイドライトも副産物なのですが、家のなかの温められた空気や湿気を重力換気で外に追い出してくれます。しかも空気は、出たら、必ず他の開口部から流入してきます。
建物の北側などの開口部を開けておくことによって、自然と冷やされた空気が風となって家のなかを通り過ぎていきます。もちろん、天窓やハイサイドライトの開閉できるようにしておくことは大前提です。
【ガラス戸の簡単な断熱方法】
住まいの中で熱損失の大きい部分は開口部のガラスです。ただし、それは、木製建具の場合です。現在の日本の住宅では、アルミサッシがほとんどと言っても過言ではないくらいの普及率なのです。
アルミサッシの場合は、ガラスの枠にアルミニウムが使用されているので、熱損失の最も高いのはアルミなのです。中学の科学の授業でも教えてもらったと思いますが、アルミは、最も熱伝導率の高い銀についで二番目に高いのです。
それでも、ベアガラスの登場によって、その性能は格段に良くなりましたが、まだ旧来の単層ガラスのままの窓や扉も少なくないのも現状です。
そこで、梱包用のクッション材(いわゆるビニール製の「プチプチ」)引っ越しの際などにエレベーターなどの壁面の保護として使用されるプラスチック版材(養生用プラダンといいます。プラスチック製のダンボール紙のこと)をガラス部分に張ります。
完全とはいえませんが、エネルギーの節約には役立つくらいの断熱性はあります。ただし、今どきはほとんど使用されてはいないと思いますが、裸火(はだかび)のストーブを使用する家では、お薦めできません。
なぜならそれらのビニールがストーブの火に引火してしまうかもしれないからです。それでも使用される場合は、絶対に剥がれ落ちないよう十分に注意が必要です。
①ビニール製の空気層でできたプチプチ梱包材
②引っ越しの際の養生用プラダン(プラスチック製ダンボール)を利用します。
③霧吹きなどで、ガラスに少しだけ湿気を与えて湿らせ、プチプチ梱包材を張り、テープなどで止めます。プラダンの場合は、両面テープで張りつけてもOKです。見た目も多少きれいに仕上がります。
●【外付けと内付けのブラインドの断熱効果】
①ガラスだけでブラインド無しの場合
②外付けのブラインドの熱貫流率
③内付けのブラインドの熱貫流率
熱が物質を通過する場合の数値を熱還流率といいます。熱貫流が少なければ少ないほど断熱効果が高いのです。上記図中の数値は100%の熱が入ってきたときの実内に入ってくる熱の割合です。
【各種ガラスの熱貫流率比較】
風葬ガラスは単板ガラスの約2倍の断熱性能があります。特殊な金属膜は熱の放射を遮ることができます。夏の暑さ対策を主な目的とする場合は外側のガラスに、冬の寒さ対策を主な目的とする場合は内側のガラスにこの特殊金属膜をコーティングすることで効果がより発揮されます。