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ダメ夫が家事の天才になれなくても、邪魔にだけはならない方法④最終回
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
処暑 次候 天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)
八月尽(はちがつじん)
8月も最終日を迎えました。八月尽です。コロナ禍で、夏祭りやお盆休み、帰省など大きな年中行事の中止などが続いたせいでしょうか。
8月の末日は他の月よりも「終わっていく」という感慨が大きいように思います。
例年でも、多くの地域では夏休みの最終日。海水浴場も海じまい。遊泳期間は今日まで、というところが多いようです。
かつては夏が終わるという感傷に浸る余裕もなく、夏休みの宿題を片づけるのに大わらわだった、という方も多いかもしれません。
悩ましい宿題もない今こそ、存分にゆく夏を惜しみましょう。
ダメ夫が家事の天才になれなくても、邪魔にだけはならない方法 ④最終回
定年退職などで家にいる時間の増えたご主人が奥さまから粗大ゴミ扱いされないよう、男も積極的に家事を担っていくための特集の最終回です。
このノウハウを使えば家事をシステマチックに合理化でき、女性にとっても役立つ内容です。
【これまでのおさらい~冷蔵庫と下駄箱から、家事の基本テクニックを買い物から上級編を学ぶ】
冷蔵庫や下駄箱の整理から学べることとは、お部屋をすっきり片づく状態に保つための収納技術の基本となる「定位置」「定量」「定番」の三つです。
暮らしのなかでこの三つをしっかり意識していると、いつの間にかモノが少なくなり、自然とすっきり片づく暮らしが手に入れられるはずです。
次に、買い物からは単なる仕入れ調達作業ではなく、その先の料理を含めた「企画」という作業の一環であることが学べます。
さらに、「定番」「定量」を守るというマネージメント能力が身につきます。
このレベルを克服すると、家事のおもしろさや達成
感、充実感を得られるようになります。
【キッチンから学ぶ収納に役立つ応用技術】
家事をお話するうえで避けて通れないのが「道具」についてです。
どうしても道具なしにはできない家事の代表が、キッチンでの作業です。
とくに料理好きとかお菓子づくりが趣味という方にとっては、山のような道具があふれる空間になります。
このようなキッチンからは、さまざまな収納の技術を学ぶことができます。
冷蔵庫や下駄箱の整理と大きく異なる点は、キッチンは人間が動くスペースですので、動線や動線上にモノをしまう場所を工夫するという考え方が必要になってきます。
さて、男性が初めて料理をすると、いろいろなことがわかってきます。
たとえば、思った以降に水が飛び散ること。野菜の切れ端などが意外と散らばって汚れやすい場所であるということ、などです。
そして、合理的な動きができるような動線や、モノの置き場所を工夫しないと、とんでもなくムダな動きが増えてしまうことも体験できます。
お茶を入れようとキッチンに立つことがあります。
お茶を入れるときに使う道具、つまりやかんとか急須などは、いつも決まった場所にあること、そして急須のすぐそばにはお茶の葉が一緒に入っていることがわかります。
「モノは使う場所にしまう」というルールは、このように実感することができます。
以前、冷蔵庫の管理について70%収納という考え方を紹介しました。
キッチンは、調理道具や調味料、食材、さらには洗剤や雑巾、バケツなど多種多様なモノがあふれ返ってしまう空間です。
30%の余裕の空間を維持するのは並大抵の工夫では不可能です。
そこで役立つのが「リストラ」という社会生活で学んだデクニックです。
本当に必要なモノなのかどうか、レンタルで済ませないか、代用はできないか、外注できないか、などの多様な視点でモノを見直してみることができるはずです。
大きな鍋で小さな鍋の代用はできないか、包丁は最低何本あれば充分なのか、買ってから一度も使っていない調理器具はないか、など、リストラ対象はたくさんあります。
そして、「使いやすい場所」に、「使いやすいしまい方」で収納するという行動を「定番」化すれば、キッチンでの作業は合理的になるはずです。
【「水まわり」の維持管理技術は、汚れから家を守る】
住まいにおける水まわりとは、キッチン、バスルーム、トイレ、洗面所です。これらの場所は水だけではなく、お湯、水滴、石鹸カスと切り離せない場所です。
そして、この「水」こそ家(建築物)にとって大敵だと言えます。
水道水にはいろいろな成分が入っていて、それらが水アカやサビ、黒ずみ、ぬめりなどの原因になります。
水アカは水道水の中のケイ酸が原因です。サビは水に溶けている酸素が元となり、鉄分は黒ずみの原因となります。また、人間のアカや石鹸カスなどはカビの発生になります。
料理をした後の野菜くずに繁殖する細菌は、シンクにぬめりをもたらします。水まわりは、このように実にやっかいな場所です。
さて、このようなことにならないためのシンプルな予防策があります。
それは、水道の水を使ってはねた水を「すぐにサッとふき取る」。シンクを使ったら、乾いたタオルで「すぐにさっとふき取る」。料理し終わったら汚れを「すぐにっサッとふき取る」。これだけでOKです。
後でしようとか、まとめてしようとかするから忘れてしまい、油汚れがこびりついてしまったり、頑固な水アカになってしまます。
その場で、「すぐにサッとふき取る」ことを定番化(習慣化)してしまえば、いつでもピカピカの状態を維持することができます。
キッッチンではこのほかに、シンクの排水溝にたまる食材のクズもそのつど掃除しましょう。ためたら掃除するのがいやになることは、すべてその場で解決してしまうべきです。
このほか、調理のたびにしなくてもいいけれど、気がついてからではとても面倒になるような掃除、たとえば調味料を入れている棚の掃除とか、換気扇の掃除などは、週に一回、定期的に掃除する日を決めておけば大丈夫です。
要点は、作業を定番化(習慣化)させることにあり、それをしないでおくと後で肉体的、精神的ストレスになってしまうようなことを避ける、という意識を持って、家事をシステム化することです。
トイレと洗面所も、使ったらすぐに汚れを取るようにすべきです。便器の横にブラシを置いていけば、一日に一回ブラシでこすっていくだけで清潔さを保てます。
洗面台には、不要になったタオルや布切れを細かく切ったものをたくさん積んでおきましょう。洗顔したり手を洗ったら使ったら一枚取り上げて、サッと洗面台やボウル、鏡についた水滴をサッとふき取ることができます。
お風呂は最後に使った人がぬめりがつかないよう浴槽をサッと洗って、窓を開けて湿気がこもらないようにしておきましょう。そして、週に一回は洗剤で全体を洗いましょう。天井など高い部分を洗う必要のある作業ですから、もとよりご主人向きの作業です。
【「くつろぎ」の演出が卒業テーマ】
リビングを掃除してみると、どれだけ邪魔になるモノがあるかということが実感できます。
リビングにモノをいっさい置かない、というのは現実的ではありませんから、せめて目に見えるところに置かないといけないモノについては、夫婦それぞれのお気に入りのモノに厳選したいものです。
本当に気に入っているモノだけがある暮らしの空間とは、すなわち「くつろぎの空間」になります。
同時に、奥様のお気に入りの場所をご主人が占拠してしまわないよう、はっきりと奥様の場所であることを伝えましょう。
そのうえで、ご主人のくつろげる居場所を作ってあげる工夫をしましょう。使わなくなった子供部屋や納戸、屋根裏などの空間をご主人の趣味の空間にリフォームするという方法もあります。
【総合まとめ】
家事を「科学する」という視点で見直せば、ご主人の家事に対する認識が一変するはずです。そして、少しずつ家事を分担していく過程で、夫婦のコミュニケーションも深まります。何より、これまで何気なく眺めていた室内の景色が、清潔ですっきり片づいていることを自覚できる楽しみが増えるはずです。