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【LDK感覚を捨てる】(間取りを変えたい①)
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
大暑(たいしょ)末候 大雨時行る(たいうときどきふる)」
眠り流しとねぶたとねぷた
青森県各地でねぶた祭りが開催されています。ねぶた祭りの見所といえば、やはり極彩色の大灯篭(とうろう)。
内部の灯りによって浮かび上がる武者絵や美人画は、息を飲むほどの迫力に満ちています。
ねぶた祭りは、七夕に行っていた悪霊祓いの灯籠流しと、夏の農作業の邪魔をする眠気を祓う「眠り流し」がひとつになって生まれました。
北国の短い夏を惜しむかのように、青森県内の20カ所以上で行います。
「ラッセーラー」のかけ声とともに「跳人(はねと)」が跳ね回る「青森ねぶた祭」や、扇型の灯篭を曳(ひ)き回す「弘前ねぶたまつり」が代表的です。
・今日をたのしむ
【大雨時行る(おおあめときどきふる)】
七十二候の上では、夏も最後。夕立に代表される突然の大雨が時に激しく降るころです。
【ねぶた・ねぷた】
「ねぶた」も「ねぷた」も「眠た」が訛(なま)りお祭り名となったもの。青森ねぶた祭りは今日から8月7日まで、弘前ねぷたまつりは8月1~7日までの開催です。
【ハーブの日】
8(ハー)月2(ブ)日の語呂合わせ。
【LDK感覚を捨てる】(間取りを変えたい)
前回ブログ→ 【600万円の工事を400万円であげるために④】(400万円でどこまで可能か⑧)
のお話をお伝えしました。(青字のタイトルタップするだけで前回記事に飛びます。なので、よかったらお読みください。
今回は新シリーズで 【LDK感覚を捨てる】(間取りを変えたい)という内容のお話でお伝えしたいと思います。
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【「LDK」感覚を捨てよう】
しきりに売り家や新築マンションなどの広告で、「2LDK」とか「3LDK」という文字を目にします。ご存知、言うまでもなく「LDK」とは、リビングルーム(居間)とダイニングルーム(食堂)とキッチン(台所)を一括(くく)りにした空間のことです。
それに個室の数をプラスした表現のしかたです。いつのころからか、日本人のマイホームは、個室の数を中心にして考えられるようになってしまいました。
ところが私は、この「LDK」なる住まい感覚こそが、日本人の住まいと生活を息苦しいものに変えてしまった元凶だと思っています。「LDK」などという言葉自体、不思議なことに英語にはありません。
不動産業者の誰かが、建て売りや分譲マンション等の物件を販売しやすくするために考え出された言葉なのだと思います。わが家の間取りをこんな安易な略字で呼ぶのは、おそらく日本だけだと思います。
「LDK」感覚を捨て去らない限り、私たちの生活は、おそらく変わりません。また、よくなることもありません。最大の問題は、私たち自身、「LDK」の意味や機能をじっくり考えることなく、部屋の形式だけ受け入れてしまったことだと思います。
「何が何でもLDK。その他に個室を2部屋か3部屋、できれば4部屋ほしい」まずは、こんな先入観を捨て去らなければならないと思っています。
個室を数で「2」とか「3」とか呼ぶのは、百歩譲ってしかたないとしても、キッチンとダイニングルーム、そしてリビングルームまでまとめて「LDK」と呼ぶのは、とてもおかしいことだと思います。
これらの部屋は、それぞれ目的も、機能も、まったく違うからです。その違いを無視してひとつに括れば、どこかに無理やゆがみが生じてくると思います。そして何より現実には、リビングルームにその皺寄(しわよ)せが生じてしまいます。
「LDK」のなかで、いちばん強いインパクトと存在感を持つ部屋はどこでしょう?それは、キッチンです。キッチンこそは「飯をつくる」という確固(かっこ)たる目的と機能を持っているからなのです。
「食べものを調理する」という大義名分のもと、あらゆるキッチン用品や調理器具が部屋中を占拠します。さらに、キッチンには臭いがあります。音があります。煙も油もまき散らします。
うっかりすると、「LDK」全体が大きなキッチンと化してしまいます。「L」も「D」も「K」の脇役となり、部屋全体がシステムキッチンのイメージになってしまうのです。
ダイニングルームだけなら、我慢もできます。ダイニングルームがものを「食べる場所」である以上、ある程度、キッチンの影響を受けるのは、やむを得ないかもしれません。ですが、リビングルームはどうでしょう?家族が集う「もっとも大切で重要な場所」であるはずの「居間」という空間までが、キッチンの支配下となっていいものでしょうか?
「いつの間にかリビングのサイドテーブルに炊飯器を置くのがあたりまえになってしまった」
こんなお宅だって少なくありません。一方で「リビングルームがただの通り道」というお宅も少なくありません。狭い空間に無理やり個室を3つもつくってしまったために、廊下をつくれず、トイレや浴室に行くにもリビングを通過しなければならないのです。
キッチンのゴミを出すのもリビング経由です。これでは、ソファにのんびり座って寛(くつろ)ごうと思っても、余程大らかな性格でもない限り、落ち着けるわけがありません。
住まいの中で最もリラックスできる場所は、リビングルームに違いありません。他の部屋には、それぞれ「飯をつくる」とか「身体をきれいにする」「排泄する」「寝る」「勉強する」といった目的があります。極端な話、それぞれが最低限の機能さえ持てばいいのです。
これに対してリビングルームは、家族が集まって団欒(だんらん)する憩いの場所なのです。それだけ重要で最も大切な場所なのです。
マイホームをもっと暮らし易く、快適なものにしようと思うならば、まずはリビングルームを見直す必要がると私は思っています。「LDKひと括(くく)り」「個室優先」から「リビングルーム中心」の住まいへ変わる。住宅リフォームの第一歩は、その発想の転換から始めるべきではないでしょうか。