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食事をする空間と引戸の横入りトイレを極める[間取り・動線追求6]
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
大暑(たいしょ)初候 桐始めて花を結ぶ(きりはじめてはなをむすぶ)
スイカ前線
季節のうつろいを告げる花に開花前線があるように、野菜や果物にも前線があります。
なかでも「スイカ前線」は、南から北へと収穫地が移りゆく様子がとてもわかりやすいのだそうです。
スイカ前線のスタートは3月の沖縄から。ついで九州、中国、近畿、東海と進み、5?6月には関東地方で実りの時を迎えます。現在は東北地方を北上中。
8月には北海道に上陸し、9月初旬に収穫が終わります。スイカは夏のイメージが強いものの、実は半年にわたりオレたちをたのしませてくれる優れものの作物なのですね。
食事をする空間と引戸の横入りトイレを極める[間取り・動線追求6]
食事をするスペースに拘(こだわ)る
上図は2階を回遊性のある間取りとした例です。ダイニングキッチンは、機能的でありながらも食事する空間としても演出できるように計画したい場所です。
ダイニングやキッチンを設ける場合には各家庭にそれぞれのルールがあるので、それに対応するためには細部に渡って詳細な計画が必須となります。
食卓の頭上、真上には緩やかな曲面を持つ折り上げ天井などで高さを変え、表情を豊かに表現します。さらに照明による演出効果で、空間の広がりに変化を与えてみました。
家族が長い時間ともに過ごすダイニングでは、日常生活を豊かにする工夫をちりばめ、逆に長く居たくなるような、空間にしたいというかしなければならないのでしょうか。
【ダイニングには家族みんなが集える雰囲気のある演出が必要なのです!!】
①ライティングレールにLEDスポットライト×3~4台で明かりの色と明暗で演出。もしくは直管蛍光灯(ラインランプ)による間接照明でダイニングスペース全体を淡い光で照らし落ち着いた雰囲気にするのもいいかもしれません。
②この食堂(ダイニング)はおよそ10㎡(約6帖)のスペースです。ダイニングテーブルは900×1800mmのゆとりある大きさです。日本人の一般的な、1人あたりの食事スペースとして、幅およそ600mm、奥行き400mm程度が標準だといわれています。
③食堂(ダイニング)には演色性の高いハロゲンランプを用いたダウンライトを使用したいところですが、電球の場合熱を発しますので、場合によっては、ライトコントロール可能なLEDダウンライトでもいいと思います。
【トイレには断然、横入り引き戸がいい理由があります!】
トイレに横から入るように引き戸で設計することで、開閉が圧倒的に楽になるため、高齢者にも障害者にもやさしく、トイレ内での動作が予想外に減るといった多くの有利な点が生まれるため、断然トイレには横入り引き戸をお薦めします。
平面図
②この幅がある程度狭かったとしても引戸で横入りであれば、使い勝手は全然よいと思います。
トイレだってできれば広いほうがいいに決まっていますが、広さにも限度があります。狭いトイレを少しでも有効に使いやすく考えるのは重要なことだと思います。
たとえば便器に対して横から侵入できるように入り口を考え、それができれば、引戸であればなおよいということになります。
横入りのトイレの何が良いかというと、トイレに入ってからしゃがむ迄に身体を180度ではなくて90度回転すればすむため、狭いトイレのなかで、衣服やベルトなどが引っかかたりするような動作が少なくなるのです。
開き戸の場合は、出入りするのに、意識してみると何度も身体の角度を大きく回転させたり、戻したりという動作があることに気付きます。
引戸であれば、扉の開け閉めにほとんど苦労する必要もなく、高齢化社会を考えればトイレの介助もしやすいため、トイレは横入りタイプの引戸がいいのです。
ちょっとだけ、想像して出入りを何回かやってみることをお薦めします。狭いトイレなどの個室での動作や出入りは実際にやってみないと分からないものなのです。