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[【縁側】日本的なのは、内と外のあいまいさ]
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
清明 末候 葭始めて生ず(あしはじめてしょうず)
穀雨(こくう)
一昨日夜中の冷たい雨から転じて今朝もいい天気になりそうです。?しかも、今年最初の夏日が予想されています。
ですが今日から暦の上では、梅雨の次に雨の多い季節、穀雨(こくう)です。
春の節気としては最後となる穀雨になりました。
「穀雨」とは、田畑を潤し、たくさんの穀物を育む雨のこと。たくさんの穀物を育む雨のことです。
米どころでは来たる田植えに向けて、種籾(たねもみ)から可愛らしい芽が出る頃。
稲も野菜も草花も、恵みの雨を浴びてぐんぐん生長していきます。
家庭菜園や庭木の手入れもこれからが本格シーズン。「今年はなにを育てよう?」とあれこれ思案するのは、この時季ならではのおたのしみですよね。
・今日という一日を愉しむなら…
葭始めて生ず(あしはじめてしょうず)
穀雨の初候で芽吹くと謳(うた)われる「葭」は、「葦」や「蘆」とも書かれ、「ヨシ」とも呼ばれるイネ科の多年草。日々強さを増す日光でぬるんだ河川や湖沼から、にょっきり新芽を出します。
【郵政記念日】
1871(明治4)年の今日、郵便制度が実施されたことにちなんでいます。今日を含む「切手趣味週間」では、意匠をこらした特殊切手が毎年発行されます。
【発芽野菜の日】
20(はつか)日と「はつが」をかけて、毎月20日は発芽野菜(スプラウト)とは新芽や茎を食す野菜のことで、かいわれ大根や豆苗(とうみょう)、ブロッコリースプラウトなどが代表的。「天然サプリ」と呼ばれるほど栄養が豊富です。
・今の季節を愉しむなら…
【ヒジキ】
ヒジキはカルシウムが牛乳の約12倍も含まれ、食物繊維やマグネシウムも豊富。煮物が一般的ですが、サラダや炊き込みご飯にしても美味。
[【縁側】日本的なのは、内と外のあいまいさ]
座ってひなたぼっこしたり、庭の木を眺めたり、通りかかった近所のおばさんとちょっとだけ(ちょっとだけなのか、長くなって夕飯の支度がずれ込むかは定かではありませんが…(笑))お話したり…
縁側って、やはりあるとないとでは、愉しさがまるで違ってきますよね。ですが、縁側の機能は、決して楽しいだけではないんです。実は家の内と外との緊張を和らげる緩衝材になっていることはご存知ですか…。
街と家はお互いに観たり観られたりする関係にありますが、一度縁側を介して観られるのと、直接見られるのとでは、心理的にかなりの違いというか、雲泥の差が出てきます。
かつての伝統家屋にも外縁、内縁と呼ばれる縁側が当たり前のように存在していました。これらは廊下的な役割を果たしながら、近所の人との語らいの場所でもありました。
ですが、最も重要なのは外部との精神的な緩衝材の役目だったと考えられるのです。既に他界された、故人 黒川紀章氏は縁側のことを「内でもない外でもない中間領域」と定義していたのです。
確かに、洋風住宅には、内と外の間に中間というか、曖昧(あいまい)というか…のような空間は、まずないのが普通です。あるとしたら、ジョサイア・コンドル氏が設計された文京区だったか、台東区にある古河邸くらいではないでしょうか。
あの建物は、間違いなく洋館に違いないのに、曖昧なベランダやテラスといった縁側のような曖昧空間が存在しています。ですが、これは日本人だけがもつ暮らしの感性といっても過言ではないと思います。
ジョサイア・コンドル氏は日本心をもった数少ない外国人建築家だったような気がします。
【縁側の種類】
【一般的に『縁側』と総称しますが、縁側にもいろんな種類があるのです。】
濡れ縁(ぬれえん)[外縁]
内縁(うちえん)[内廊下]
デッキテラス(洋風的)
ベランダ
バルコニー
【位置やデザインにより呼び方が異なります(ですが、呼称に、はっきりと固定されたものはないようです)】
昔の家で縁側は、濡れ縁(ぬれえん)や内縁(うちえん)と呼ばれていました。濡れ縁は家の外、軒下などに設えます。内縁は家の内部につくられ、内廊下のようなものだと思えばいいかもしれません。
ベランダやバルコニーは屋根のあるなしという定義もあるようですが、私は特に区別はしていないし、実際ないような気がします。2階以上に設けられるイメージでしょうか。
それに対し、デッキテラスは、板張りで面積が広めの空間を指します。こちらは1階に設けられるイメージだと思います。
【縁側のある場合&ない場合】
[では…縁側のばかにならない効果を実際に具体的な例で考えてみましょう]
○ある↓
✖ない↑
【光・熱・風を調整・コントロール】
縁側には太陽の光や熱を、また風を和(やわ)らげてくれる重要な役割があります。降り注ぐ太陽の光が、木の板に吸収されたのち室内に入ることで和らぎます。
実際にはテラスの木の板自体は、温度計で測ってみるとコンクリート以上に熱くなっているのです。ところが木の板が熱を吸収することで、部屋の中までは入れないようにしているのです。
強い風や太陽の熱なども同様に、縁側は和らげてくれるです。
○ ある↓
× ない↑
【外からの視線を調整・コントロール】
縁側がない場合、通りから直接リビングが観えるので常に見られているような気分になるかもしれません。縁側があればいったん視線がそこに留(とど)まり、外から観え過ぎず、隠れ過ぎず、ちょうどよく、ほどよい関係になるのです。
【リビングが視覚的に延長されます】
リビングから裸足でも出ることのできるウッドデッキは、掃き出し窓を開け放てばリビングと一体化するので、まるでリビングの延長空間として広々と使えるのです。
また一方、目線が外に抜けることで、実際よりもリビングが広く感じられる重要な効果も期待できます。テラスの外側に砂浜や海岸線などが観られれば、申し分ない世界が広がります。