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[縁の下でなく、上(?)の力持ち]
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
立春 末候 魚氷に上る(うおこおりにのぼる)
豊かな実りを願う祈年祭(きねんさい)
私たち日本人は、大昔からお米をはじめとする農作物に命を支えれてきました。春には豊作を願い、祈りあるごとに雨や晴れを望み、秋には収穫に感謝し頭を垂れる。農作物と祈りは一体となり一年を巡ります。
今日はその巡りの幕開けともいえる日。これからはじまる本格的な農作業シーズンに先立ち、作物の豊かな実りを祈る「祈年祭」を宮中や各地の神社で行います。
「としごいのまつり」とも読む祈年祭は、奈良時代からの伝統をもつ祭儀です。
おだやかな天気に恵まれますように。
悪い病気が流行しませんように。
害虫が発生しませんように……。
無事なる収穫を願う祈りをささげます。
農業を生業(なりわい)としなくとも、農作業が実り、食卓に上がるありがたみを感じ、豊作を願いたいものです。
【八戸(はちのへ)えんぶり】
青森県八戸市では、豊作を願う田踊りである「えんぶり」を奉納します。「えんぶり」は「えぶり」という農具を手に持って踊ったことに由来しているそうです。
力強い舞で凍てつく大地を揺らし、春を目覚めさせる郷土芸能です。
【アサツキ】
ネギの近親種であるアサツキはピリリとした辛味とシャキシャキの歯ごたえが魅力。さっと湯がいて酢味噌和(あ)えにすると、ネギが苦手な私でも美味しく食べられます。
[縁の下でなく、上(?)の力持ち]
[時にドラえもんのどこでもドアは困りもの?!]
ドラえもんの秘密のアイテムのひとつ「どこでもドア」のように、玄関ドアを開けてすぐ外だったら、土砂降りの雨のときは、傘を開こうとしている間にずぶ濡れになってしまいますね。
雨や風が吹き込んでくるのを避けるため、窓やドアなど壁に穴を開けた部分、いわゆる「開口部」と呼ばれるモノがある部分には、必ず庇が必要になります。
縁側などの空間でも少しばかり深い軒の出や庇があることで、雨の日でも快適に過ごすことができます。
先日、前回のブログ
でもお話させていただきました。
こちらも、そこで少しだけ紹介させて頂きましたが、庇には、雨露(あめ、つゆ)を凌ぐ他に、もうひとつ重要な役割があります。それは太陽光というか、太陽の放射熱のコントロールです。
夏と冬では太陽高度がまったく違うため、庇の角度や長さを調節することで夏は太陽光(=熱)を遮り、冬は室内の奥深くまで光を取り込むことができるのです。
南側の開口部には深い庇が必要なことは、前回もお話しました。古(いにしえ)の農家(豪農)の家をみると、南側に必ずかなり深い軒や庇が設(しつら)えてありました。
考えてみると、先人の知恵というのは素晴らしいですね。ほんとうに頭が下がります。
【雨露から家をガッチリガードします】
[庇のもつ重要な役割の一つが、雨風や露から家を守ることなのです。]
[庇がない場合]
雨が降ってきたときに庇がなければ、雨や露は直接壁を伝わって下へ落ちてきます。何度もその状態が繰り返されるます。その際、どうしても壁に負担をかけ徐々に傷めてしまいます。地震や大型の自動車などの震動などもさらに壁に負担をかけます。
ところが、庇があれば、雨も風も露でさえも直接当たることはないのです。庇や軒は特に開口部には必ずつけることをお奨めします。
[庇がある場合]
庇は壁や窓に直接、雨、露や風が当たるのを防いでくれます。また、吹き込んでくる風の向きを調整(コントロール)することで、壁や窓を長持ちさせます。そして当然ながら、結果的には家全体を長持ちさせてくれるのです。
【太陽光(=熱)を調整(コントロール)】
日差しをコントロールして夏は涼しく冬は暖かく
[夏と冬の、午後12時の光の到達域]
夏と冬では太陽高度が大きく異なり、室内への光の到達域も異なります。正午の東京では夏はおよそ80度でほとんど真上になります。
逆に冬は、およそ30度で、たとえ南でもイメージより大分低くなります。この場合は、理想的な庇の深さは、90cmが効果的だと思います。
[その他、パーゴラなども太陽熱(=光)を柔らかくしてくれます]
植物をはわせて日陰をつくるパーゴラも有効です。光をある程度通しつつ、優しい光に緩和してくれます。
by株式会社 大東建設 阿部正昭