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【玄関】狭い玄関を生かすには、「部屋」として捉える。
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
旧暦 季節 二十四節気 清明 末候 虹始めて見る(にじはじめてあらわる)
鎮花祭
古来、疫病をもたらす疫病神(厄病神)の勢いは、桜の花の散る頃に盛んになるとしてきました。きっと、風に乗って四散する花びらに病の流行や蔓延を重ねたのでしょう。
奈良県の大神神社(おおみわじんじゃ)では、毎年4月18日に奈良時代から続く神事・鎮花祭を行い、人々の無病息災を願います。製薬業者も多く参列するため、「薬まつり」とも呼びます。
今の時季は生活の変化や気温の寒暖差が手伝い、心身のバランスを崩しやすいもの。散りゆく花を惜しみつつお散歩したり、ゆったりと入浴したり。厄介な不調を招かぬよう、頑張り過ぎない一日も大切ですね。
清明の末候は、虹始めて見る(にじはじめてあらわる)
あの七色の虹が発生し始めるころという意味で、今日4月14日から18日頃の季節のことです。
【玄関】狭い玄関を生かすには、「部屋」として捉える。
来客を招き入れる玄関は、家の中で一番の公的な空間です。家の外と内の通過点と考えず、「部屋」として捉えてみると見えてくるものがあります。
【快適な玄関のチェックリスト】
- □家の顔でもある玄関には収納スペースをしっかり取って、すっきりシンプルな空間づくりを意識する。
- □玄関を「部屋」として捉え、窓を設けたり、椅子やベンチを配置したりしてリビング的な演出をしてみる。
- □玄関土間を思い切って広く取ってみる。自転車やベビーカーなどの収納・保管にも便利。
- □玄関土間をリビングやキッチンにつなげることで全天候型の多目的空間になり、暮らしやすさが格段にアップする。
- □二世帯住宅の玄関は、境界壁に窓や引戸などをつけて開放度を調節できるようにすると、家族同士が自然に繋がりをもつ。
【家づくりの処方箋】
玄関は家の顔。大小に関係なく、外に目を向けて創ることが必要です。なるべく収納を充実させ、あっさりとした空間にすることが重要です。また、余裕を持って迎え入れてくれる雰囲気を演出するために、土間を少しでも広く取りましょう。
【家の顔「玄関」は部屋として印象づけてみよう】
玄関は、人を招き入れる空間。家の中でもっとも公的な場所。
公共の場所をパブリックといいますが、家の中にもパブリックとプライベートが混在しています。寝室が代表的な私的空間で、来客を招いたり、家族が集まるリビングや玄関がパブリック空間です。キッチンやダイニングはその中間というところでしょうか。
寝室などは、ノックをして入りますが、リビングや玄関に入りますよと言ってから入ることはあまりありませんよね。
パブリック空間がゆったりと開放的であると、家は風通しの良い快適な場所になります。一方逆にそこが窮屈だったり、私的な印象が強いと、来客にとっては、なんとなく落ち着かない印象になってしまいます。なので、パブリックの代表的空間の「リビング」は家の顔であり、家づくりでもっとも重きを置く空間になるのです。
では、それと比較して、同じ公的空間でもある玄関の場合はどうなるでしょう?
実は家の中でもっとも公共性の高い空間は、多くの人を招き入れる玄関なのです。近所の人と玄関で立ち話をしたり、宅配便を受け取ったり、靴を脱いだり、上着を脱いだりと「玄関」はたくさんのパブリックな機会が行き交う空間なので、本来は、ゆったりとくつろげる場所にしたいところなのですが、実はあまり意識されているとは思えないところではありませんね。
公的空間(パブリック) 私的空間(プライベート)
玄関→リビング→ダイニング→キッチン→浴室→寝室
公的空間(パブリック)と私的空間(プライベート)は区分する。
家の私的(プライベート)空間に入るにつれ、訪れる人はどうしても居心地の悪さを感じてしまいます。ですから、玄関からリビングはプライベート空間を通らずに移動できなければなりません。また、トイレを借りるのに洗濯物が積まれた洗面脱衣室を通ったりすると、来てはいけない場所に足を踏み入れてしまった(笑)感じがしてしまうものです。
【理想的な玄関は、収納はしっかり取って、あとはできるだけ簡素な空間に!】
「玄関」という名前は、「玄」は奥深い道理、「関」はその入口という意味なのですが、禅宗の言葉だそうです。江戸時代から住宅用語としても使われたようですが、現代の私たちにも腑に落ちる気がします。ですが、はたして今の玄関はその名に恥じないものでしょうか。
都市型住宅では、リビングやダイニング、寝室などの重きを置かれている部屋から面積を確保していくため、玄関はたいてい後まわしになっています。また、戦後は核家族が仲良く暮らせる家を理想としたため、家の中がほとんど私的(プライベート)な空間になってしまい、玄関はどんどん蔑(ないがし)ろにされ、どんどん狭くなるばかりでした。
そのため訪問客は、常に私的(プライベート)な空間にお邪魔したような居心地の悪さを感じてしまいがちです。ですが、家族が社会と繋がるために玄関の役割は蔑ろにはできないものです。
とはいえ、そのような事情だとしても狭くなってしまっても、公的(パブリック)空間としての玄関にするにはどうしたらよいのかを考えなければなりません。そのためには、二つの点に注意する必要があります。
ひとつめは「収納の工夫」です。子どもの絵を飾ったり、趣味のものを置いたりするのは家族を表現できて悪くはありませんが、私的(プライベート)なものが露出しすぎるのは、公的な部分から遠ざかりかねません。
なので、玄関だけは、多少狭くなってしまったとしても、簡素でスッキリとした空間にしたいものです。もちろん収納スペースだけはしっかり取ることを忘れてしまってはなりませんが…。すっきりとした空間は、狭くてもそれなりにゆとりを感じさせてくれるものです。
もうひとつは「玄関」を部屋として考えてみましょう。たとえば外部へ大きく開いた窓を設置したり、まわりに椅子やベンチなどを配置することで、単なる通過点ではなく、リビングのような玄関として演出も可能です。
家の顔としての「玄関」づくりを、ぜひ意識し考えてみてください。