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4魅せる化粧構造柱を極める。(かたちと構造PART4)
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
立秋 初候 涼風至る
涼風至る(りょうふういたる)
七十二候の秋の始まりは、涼風至る。涼しい風が初めて吹いてくるころ、という意味の季節でおよそ八月七日から十一日まで。
このころから、朝夕に吹く風を気にかけてみてください。天気や地域によっても変わりますが、猛暑真っ只中のはずなのに、スウッと涼しい風が吹いてくることがあります。
涼風とはすずかぜとも読んで、俳句では晩夏の季語とされます。
涼風の曲がりくねって来たりけり 小林一茶
この時期になると、この「すずかぜ」を感じ見つけるために生きてるのかなって思うくらい幸せな気持ちになります。
4魅せる化粧構造柱を極める。(かたちと構造PART4)
柱と柱の間隔が長く構造上梁成(はりせい)が大きくなってしまう場合の対処法としては、使用上、支障がなければ、化粧構造柱を立てればいいと思います。柱があることで、なんとなく違和感なく、触ってみたくなるような愛着がわいてきたりします。そして空間アクセントにもなり得ます。
最近の木造住宅は、室内外ともに大壁造りで、柱自体は表面に現れない家がほとんどですが、デザイン上、化粧柱を見せることで「この家は木の柱でできているんだ」と実感することができるのです。
家を支えている構造用「柱」をあえて見せてしまう。
①この角柱は、リビングとダイニング間の小壁の延長上にある柱。2室は天井の高さも異なり、柱の上部には垂れ壁もあるので、意匠上、四角い化粧柱としました。
②この丸太柱は、リビングスペースの平天井に立っているので近くには棚があり、軽いポリカーボネートの框戸で軽やかに間仕切る部分となります。意匠上丸い化粧柱を採用しました。
通り柱や丸太化粧柱を極める
空間をはっきり区別するのではなく、つながりを意識しながら仕切りたいときには通り柱を使います。見え隠れしながら直接的な視線を遮りつつも様子は分かるくらいの通り柱による仕切りは、流れが生まれ、柱がつくる陰翳礼讃(光と影)も美しいものです。丸太化粧柱は通り柱より軽い仕切りとなり、空間の領域を意識したいときに使うといいでしょう。たとえばリビングダイニングが繋がっているワンルームの場合、1本か2本の柱をその領域の境目に立てます。そうすることで動線の道標になるし、子どもたちは上ったり回ったりして遊びかたを工夫してくれます。
丸太化粧柱で空間の領域をわける
②丸柱4本と低い天井でダイニングの範囲を意識付け、手前のリビングは吹き抜けになっています。
①内部丸柱はスギ磨き丸太末口180mmφ少し太いくらいのほうが存在感も出る
通り柱の場合は、構造的に柱の役割をしているものは三尺間(910mm)もしくは6尺間(1820mm)間隔とし、その間を8分の1間(227.5mm)または1尺(303mm)間隔で割り付けるといいでしょう。