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「魅せる収納」を外国暮らしから学ぶ 【CASE4】

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今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。

小雪 初候 虹蔵れて見えず

笑顔のチカラ

笑う門には福来る

笑う門には福来る

ナチュラルキラー細胞「笑う門には福来る」ということわざが医学的に正しいことはよく知られています。たとえば声を出して大笑いすると、ウイルスやガン細胞といった病原体と戦い、体を守るNK細胞が元気になります。さらに大量に放出されるのは脳内物質・セロトニン。幸福感を感じる源です。
 簡単に大笑いなんてできない、という方も多いでしょうね。ですが、笑顔のチカラのすごいところは、「つくり笑い」でもその効果が発揮される点です。口角をキュッと上げるだけで、多幸感や快感を得るために必要な脳内物質・ドーパミンが増えるとされています。

そして、 二十四節気で冬の二番目の季節が小雪です。はらはらと雪が降り始める季節。そんな小雪の初候が、虹蔵(にじかく)れて見えず。虹が姿を見せなくなるころという意味で、およそ十一月二十二日から二十六日あたりのこと。

 

虹蔵(にじかく)れて見えず

虹蔵(にじかく)れて見えず

 とはいえ、冬にも虹に出会えることはあり、冬の虹という季語にもなっています。冴え渡る冷気の空にかかる虹は、くっきりと鮮やかです。

  冬の虹消えぬ強さもやさしさも   中村草田男

収納を「家事」から「暮らしを彩る生きがい」に
「魅せる収納」を外国暮らしから学ぶ 【CASE4】

隠す収納にこだわる日本に対してイギリス人は、魅せて(showing)飾って(decoration)モノを美しく収納しようとします。19歳の時にイギリスを旅行してその美しさに魅了され、以来100回を越える渡英経験を持つ井形慶子さん(『古くて豊かなイギリスの家・便利で貧しい日本の家』等 著書多数)から、イギリス流の収納の知恵を学びます。

第4章 家の中のモノを魅せるようにしまう【CASE3】から続
見た目にも美しい小引き出しでキレイにまとめる

キッチン便利抽斗

キッチン便利抽斗

イギリス人はダイニングルームや寝室、リビングで小さな引き出しを活用する習慣があります。
例えば、引き出しに裁縫道具の小さな針・糸・ボタンなどを収納し、それをキッチンに置いておくと、料理の合間をぬって手仕事に取りかかるとき便利です。
寝室ではアクセサリーや香水の収納場所としても重宝します。また、バスルームにあるサイドテーブルに小引き出しを置いて、シャンプーや薬の入った小瓶など、転倒しやすく中身のこぼれやすいモノを引き出しの中に立てて収納したりもします。こうすれば引き出しを開けるだけで、どこに何があるかが一目瞭然です。
これこそ奥に何があるか見えづらく、使いづらい鏡付きキャビネットの欠点を逆転させるアイディアですね。

古い小引き出しリサイクル

古い小引き出しリサイクル

アンティークショップやチャリティーショップにある、このような小引き出しは、かつて会計士や弁護士が書類を分類するため使っていた事務用品でした。
今や、あらゆるデータはパソコンに入っているため、このような小引き出しは必要なくなったのです。
また、オフィスの事務用品はこの40年間で徐々に金属やプラスチック製品に替わり、それまでの木製のものは必要とされなくなりました。
作りが細かく、デザインが美しいかつての書類入れは、現代ではイギリス人のあふれるモノの整理に役立っているのです。
考えてみるとイギリスの収納が魅力的なのは、彼らが古い道具を活用し、インテリアを楽しんでいるからです。
日本にも明治・大正時代に使われた小引き出しは数多く残っています。
こんなロマンと郷愁を感じさせる古い家具を、もっとインテリアに活用すべきだと思います。

第5章 子供部屋と玩具(おもちゃ)
 おもちゃや子どもの宝物は、箱式収納がベスト

子供部屋とおもちゃ収納

子供部屋とおもちゃ収納

イギリスでは新生児の時から、子どもは両親とは別に子ども部屋で寝かされます。
18歳になり、家を出る(独立)までの間、子ども部屋は単なる「勉強部屋」や「遊び場」ではなく、子どもが自己管理をする空間なのです。こんな子ども部屋を「この世で最も難しいワンルームの住まい」といったイギリス人がいました。おもちゃ、衣類、絵本、ベッドなど、すべてが小さな部屋に押し込められているからです。
こんなたくさんのモノが散乱する子ども部屋を、彼らは箱で整理整頓していきます。
なぜ、箱式収納が子ども部屋にとってベストなのでしょうか。

英国の箱式子ども収納

英国の箱式子ども収納

例えば、子どもの持ち物を引き出しにしまうと、モノを探すのに子どもたちは大変苦労し、やがてあきらめ、失くしグセがつきます。

いつも性急に動き回る子どもたちにとって、棚や引き出しにしまわれたおもちゃや絵本は見つけづらく、片づけもかなり難しい作業になります。しかも、子どもたちは服をいかに整理するかより、自分のおもちゃがどこにあるかに関心があるのです。

「日本で子どものいる家は、玄関を開けるとすぐにわかる」と、在日イギリス人は口を揃えるそうです。
玄関から廊下、応接間にいたるまで点々と子どものおもちゃや絵本が出しっ放しになっているからです。イギリスの子どもたちは箱を活用するため、そこに入れるだけで整理整頓が完了します。

イギリスの家庭に遊びにいっても、まるで子どもがいない家のように感じるのはそのせいです。こんなことから箱式収納はしつけにもよいと考えられています。何より重要なのは、出したモノを入れさえすればいいので、とても簡単であるということです。

過保護に子どもと接しがちな現代ですが、こんな収納法を「よし」とする背景には、片づけも含め、生活シーンもあくまで子どもに責任を取らせるイギリス人の教育観があるようです。

第6章 壁・床を使った魅せる収納
クリスマスカード、絵ハガキは飾りながら保管

飾って保管

仕舞い込まず飾って保管する収納術

イギリス人は、クリスマスカード、バースデイカード、グリーティングカードなどを受け取ったら、引き出しにしまい込まず、飾って保管します。

そもそもこれらのカードは、絵画やポスター同様、人に見せるため作られたものだといわれています。
表部分にアイキャッチとなる美しい絵や写真が印刷されているのはそのためです。
イギリスで初めてクリスマスカードが郵送されるようになったのは、1840年代のビクトリアン時代といわれています。

写真の収納

英国の仕舞わない写真の収納術

ビクトリア女王の夫君であった、プリンス・アルバートがクリスマスツリーを王室に持ち込み、その後にクリスマスカードが普及したそうです。

かつて、イギリスの室内は窓が小さく、壁紙の色も暗かったのです。人々はこれらのカードを、暗くなりがちな冬の室内にカラフルな色を添え、デコラティブな味を出すために飾ったといわれています。

日本では年賀状、カードの類は受け取った後、即、しまい込んでしまいます。通りや家の外観をしめ縄などで飾る習慣はあるものの、家の中を飾る習慣そのものがないためです。

 

マニュキアを塗って収納

透明のマニュキアを塗って収納する

典型的なカードの飾り方は、コットンのロープをリビングの端から端まで渡し、そこに開いたカードをかけていく方法です。

また天井や壁には緑、赤といったクリスマスカラーのテープを下げ、そこに送られてきたカードを両面テープで留めつけていくスタイルも人気が高いようです。家を訪れたゲストはカードのデザインを楽しみつつカードを開き、中のメッセージを読むことができます。

イギリスの人々はこれと同様に海外からの絵ハガキや写真、時には折り紙も見せて飾っています。
日本人からプレゼントされた鶴などの折り紙を、インテリアやファッションに活用したり、小さな折り紙で折った鶴や風船に透明のマニキュアを塗り、フックを付けてピアスにしている人もたびたび見かけます。

このようなカードを飾る習慣は家庭ばかりではなく、病室にも見られます。
イギリス人は病院でも、お見舞いに送られてきたカードをベッドサイドのキャビネットの上に飾ります。
時には看護師が患者の代わりに、届いたカードを飾ることも。
こうすると受け取った本人ばかりでなく、どんな高価な絵画にも劣らない温かさやわが家のような心地良さが病室に広がるからです。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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