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ファザードなのにエアコン配管?!【外観 CASE 4】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
小満 初候 蚕起きて桑を食う
伊達巻の日
今日はおせち料理でおなじみの「伊達巻の日」です。
お正月からだいぶ経ったのに?と不思議に思いますが、戦国武将・伊達政宗の命日に由来しています。
一説によると伊達巻の「伊達」は、洒落た装いや粋を好んだ伊達政宗の「伊達」からきているそうです。
ハレの席で食べられる華やかな卵料理、というわけです。
伊達巻は卵と魚のすり身、砂糖やみりんを混ぜ、ふっくらと焼き上げた後、巻いて成形します。
この形が巻物に通じることから、学問や知性の向上を願う縁起物となりました。
・今日の一日を愉しむなら…
【ゴルフ場記念日】
1903(明治36)年の今日、イギリス人の貿易商アーサー・ヘスケス・グルームが日本で初めてのゴルフ場を六甲山(兵庫県)に開きました。
【とげぬき地蔵尊例大祭】
「とげぬき地蔵尊」の名で親しまれる東京都・巣鴨の高岩寺(こうがんじ)では、1、5、9月24日の年3回、例大祭を執り行います。
20人の僧侶が次々に唱えあげる『大般若経』の転読は壮観です。延命の霊験にあやかろうと祈願する参拝者で賑わいます。
ファザードなのにエアコン配管?!【外観 CASE 4】
今回も、若いママ友の二人連れが、相談にいらっしゃいました。どんな相談事を持ってくるのでしょうか……愉しみです。
m(ママ1)2階の南側に3室並べて配置する「南面3室」。
F(ママ2)へぇ~そんな呼び方があるんだー。
m 窓が大きく取れるし、道路面だから見晴らしも日当たりもおそらくいいはずだよ。外観デザインもまとまりやすいと思うよ。
F 間取りPLANAは使いやすいかなぁ?主寝室にはクローゼットがあるし、広いベランダもあるから問題はなさそうね。
m 欲をいえばウォークインクローゼットが欲しいところだけど、クローゼットの幅が案外広いから大丈夫みたいだね。
F 南面3室の注意点ってあるのかなぁ?あるとしたらどんな注意だろう?
m そうねー、例えば【真ん中の部屋は窓が一方向(南側)にしか付けられないから換気がしづらいよね。
F そうかー、ということは、エアコンも南側にしか配管できないってこと?
m 本当だー。【玄関にエアコンの配管や室外機があるなんて台無しだよね。どうしたらいいのかしら?
×【間取り PLAN A】
①間仕切り壁は音対策が必要
②動線が長過ぎる。
ベッドのレイアウトとしては、離したほうが都合がよい
④ エアコンの室内機がここだと、エアコンの配管、室外機が建物正面(ファザード)になってしまう配置
【解決策・処方箋】
【実際に、立面図に落とし込んで確認する】
南面3室は、間口が広い家の基本となる考え方のひとつですが、ママ友二人の会話にも出ているように、挟まれた部屋の換気効率が悪くなるというのは、その通りだと思います。
それから、主寝室と子ども室が壁一枚で繋がっていて、音が伝わりやすいなど注意すべき点もあります。
通常としては、主寝室の南側にバルコニーを配置することが多いのですが、間取りPLAN Aでは西側にバルコニーを持ってきてしまっています。
屋根の形がすっきりシンプルに納まるなどの利点もあるのですが、子ども室のエアコン室外機の設置場所には困ってしまいます。
この間取りでは子ども室の直下が玄関となるので、このままでは玄関横に室外機や配管が見えてくるなど見栄えが悪すぎるという欠点が浮き彫りになってしまいます。
配管を壁内に隠蔽するという策もありますが、それは最後の手段として、ここでは間取りの工夫で改善してみたいと思います。その他にも、主寝室と子ども室のベッドのレイアウトが近すぎると思います。
その上、主寝室奥側のベッドまで出入り口から遠いなど課題があります。ウォークインクローゼットが欲しいなどの要望が出てくる可能性も高いのではないかと思います。
【解決策・処方箋】では、【南側にバルコニー配置】することで子ども室の室外機置き場ができました。配管も目立ちにくいのですが、就寝中に室外機の音が気に障るという方には注意が必要です。
ロジアバルコニー(ルーフバルコニーともいいます)にすると屋根形状も整いやすく、急な雨降りでも洗濯物が濡れないなどの利点が考えられます。また、改善案前の原案に比べて間口が広いので、物干しもしやすくなるという利点もあります。
次に、バルコニーがあった場所を【ウォークインクローゼット】にして、主寝室のベッドを移動してみました。子ども室のベッドも移動しましたが、間仕切り壁はお互いのプライバシーのために遮音機能の高い壁にしておくことをお奨めいたします。
せっかく外観にこだわって計画しても、エアコンの他、換気扇のフードや縦樋の配置によって台無しになることは少なくありません。せっかくのファザードの台無しを回避するためには、それらを立面図に必ず落とし込んでみて確認することが必要なのです。
角地の場合は特に慎重に計画することをお奨めいたします。
【間取りPLAN Aの解決策・処方箋】
①遮音性能の高い間仕切り壁にする。
②柱を入れてロッジアバルコニーにすると、容積率に参入されてしまうデメリットもありますが、屋根形状が意匠的に大変シンプルになります。また、洗濯物が雨に濡れにくいというメリットもあります。
③扉の欄間部分を開閉できるようにすると、風の流れが生まれます。ただし、よほど気を付けて施工しないと、せっかくの遮音壁が音漏れで無駄になってしまいますのでお気をつけください。