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南接道の外観に欲しいひと工夫【外観 CASE 3】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
穀雨 次候 霜止んで苗出ず(しもやんでなえいず)
黄金週間
そろそろゴールデンウィークがやってきますね。
気候にも恵まれるため、どこへ行こうか、何をしようかと、指折り数えてたのしみにしている方も多いことでしょう。
最近では、この時季に運動会を行う学校も増えているようです。
ところが昨年2020年から今年にかけては、新型コロナの感染でまったく別世界になってしまっていますけどね。
ゴールデンウィークはもともと「黄金週間」。実は昭和20年代、この時期に封切りされた映画がヒットしたのをキッカケに、映画業界のキャンペーン名としてつくられた造語です。
その後、響きのよさから「ゴールデンウィーク」と直訳され、次第に暦の言葉として広まったとされています。
ほんとうに今年も「ゴールデンウィーク」どころか「暗黒週間」になってしまいました。
一日も早く、「黄金週間」その名の通り、ピカピカと光る輝かしい連休を過ごしたいものですね。
・今日の一日を愉しむなら…
【ゴールデンウィーク】
明日からのゴールデンウィークはそれぞれ何の記念日の集まりでしょう?
昭和の日(4月29日)・憲法記念日(5月3日)・みどりの日(5月4日)・子どもの日(5月5日)を含む土日や振り替え休日につながることにより発生する大型連休です。
以前からだと大分変わっているので、思っているのと違っているかもしれませんね。
【駅伝誕生の日】
1917(大正6)年の今日、日本ではじめての駅伝「東海道駅伝徒歩競争」の火蓋が切って落とされました。
東京が首都となって50周年を祝して催された東西対抗の一大レースで、コースは三条大橋(京都府)から上野不忍池(東京都)まで、なんと約500km。
昼夜休みなく三日間にわたって行われた大会に、大観衆が湧き上がりました。現在、スタートとゴール地点には、記念碑が立てられています。
【諏訪神社例大祭(万燈(まんとう祭り)】
和紙と針金でつくられ、なかに灯りがともされる大万燈が8基登場する新潟県佐渡市のお祭りです。
なかには高さ3mに及ぶ大万燈も。諏訪神社のお神輿(みこし)とともに大万燈が進む夜のパレードがクライマックスです。
南接道の外観に欲しいひと工夫【外観 CASE 3】
今回は、また若いママ友の二人連れが、相談にいらっしゃいました。どんな相談事を持ってくるのでしょうか……愉しみです。
m(ママ1)外観PLAN Aは、特に何ということもない普通の外観だね。
F(ママ2)そうね~。2階のバルコニー下が玄関の庇(ひさし)になっているので。庇をつけなくても大丈夫なんだね。
m 外観PLAN Bも同じかしら?!バルコニー幅が広いので洗濯物がたくさん干せそうね。
F う~ん…、でもどちらの外観も窓位置が揃っていて悪くはないけど、もう少し工夫がほしいかも…
m 外観のアクセントに外壁の色を塗り分けている家が多いけど、そんな感じにするとか?
F 同じ面での塗り分けは、カッコ悪いって聞いたけど…どうなんだろう?!
m それと玄関とリビングの窓が同じ面に並んでいるのはどう思う?
F 離れているから気にはならないかもしれないけど、玄関はもう少し陰影深くというか、凹凸というか、でっこみひっこみというか、特別なデザイン空間にしたいわ。
m&F 外観を整えるって難しいけど、よいアイデアないかしらね?!
×【外観 PLAN A】
①庇兼用で、便利であり、よく使われているやり方ではありますが、意匠的にはあまり推奨できるものではありません。
図 ②外観が矩形でなく、美しいとはいえません。
×【外観PLAN B】
①メリハリがなく、単調過ぎるファザードに陥りやすい
②同一面での色分けは避けるべきだと思います。素人っぽく観えてしまいます。
【解決策・処方箋】
【入隅を設計すれば、外壁の塗り分けが可能です】
南側接道の外観は、北側接道の外観に比較して、バルコニーが付いて大きな窓が並ぶことで比較的デザイン性がまとまりやすいのですが、その反面、単調になりやすいので、大変注意が必要です。
バルコニーの配置や納め方ひとつで、大きく印象が変わる場合もあります。特に、納め方は重要な要素となります。
外観PLAN Aと外観PLAN Bを見てみると、それぞれの窓位置が左右対称になっています。また、上下階の位置も整理されているなど配慮がなされています。
当たり前のことかもしれませんが、外観を整えるうえで、窓(種類、位置)の整理は大変重要な要素となります。アクセントとして外壁を色分けするなどの希望がある場合は、同一平面での塗り分けは避けることをお奨めします。
少なくとも上下階での色分けは別として、部分的に色やテクスチャ-を変える場合は【入隅で変える】(同一面にしない)ことが原則となります。
【外観PLAN Aの解決策・処方箋】では、バルコニーの納まる壁をほんの少し伸ばしました。これで色分けする場合も【入隅】ができるので美しくおさめることが可能となります。
デメリットとしては屋根の軒の出が左右対象に見えなくなってしまうことですが。常に建物正面から家を見るわけではないので、ほとんど気にならないレベルだと考えています。
次に玄関軒先空間の独立性を増すためにバルコニーの端部から袖壁を建ててみました。これでバルコニーの納まりもある程度よくなり、玄関に陰影深い印象を与えることも可能です。
袖壁をタイル貼りなど印象的なものにすると、それだけで外観のアクセントなりますが、ちょっとだけ、斬新なデザインに気を付けておかないと、年数が経過して、お粗末なデザインになってしまわないよう、それだけは、気を付けてくださいね。
【外観PLAN Bの解決策・処方箋では】、バルコニーを色分けしやすいように、単純に建物端部からバルコニーを離して設置しました。
玄関横にリビングの隔壁(かくへき)となる壁を建てるのも、外観PLAN Aの解決策・処方箋と同様の意図があります。常に、間取りと外観、エクステリアまでもを意識しながら、それらの適正化を図ることが設計をするにあたって求められているのです。
○【外観PLAN Aの解決策・処方箋】
①バルコニーはそのままで、建物の壁だけを少しだけ伸ばします。
②バルコニーの止まりの袖壁を付けると玄関の納まりもよくなります。
③立面形状を矩形(かねがた)に整えるように設計します。そうすることで外装の色分けもし易くなります。
④袖壁はタイル張りにするとデザイン壁としても使えます。もちろん、石張りや漆喰塗装などでもかまいませんが…
○外観PLAN Bの解決策・処方箋
①ベランダ外壁幅を建物幅より小さくすることで納まりが美しくなります。(左右対称、シンメトリーにします)実際には両端の柱の内側で梁受けを設計することをお奨めします。両サイドとも柱幅分だけ内側に入ることになります。
②袖壁を付けることで玄関軒下空間の独立性が増すことになります。
③外観PLAN Aと同様、立面形状を矩形に整えます。色分けもしやすくなります。