BLOG
ブログ
リビング掃き出し窓からすぐにアプローチの家【バルコニー・外構 CASE 4】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から入らせていただきます。
大寒 末候 款冬華さく(ふきのとうはなさく)
初地蔵
道端の祠(ほこら)で、山道で、田んぼのあぜ道で、おだやかな笑みを浮かべ私たちの毎日を見守るお地蔵様は、もっとも身近な仏さまかもしれません。
今日は新年はじめてのお地蔵様とのご縁を深める日、「初地蔵」です。
お地蔵様の正式な名前は地蔵菩薩。弥勒菩薩があらわれる56億7千万年後の未来まで、人々を救うようお釈迦さまに頼まれた仏さまです。
とくに育児や健康との結びつきが強く、各地で「子育て地蔵」や「身代わり地蔵」が愛されています。
ほかにも、暮らしや悩みに寄り添う「〇〇地蔵」は100以上。いかに私たち日本人が頼みとしてきたのかがわかります。
リビング掃き出し窓からすぐにアプローチの家【バルコニー・外構 CASE 4】
今回も前回に引き続き、お母さん同士の二人連れのお客さんが相談にやってきました。今回はどんな相談事を持ってくるのでしょうか……愉しみです。
m(ママ1)間取りPLANAは、敷地が狭いから仕方ないのだろうけど、アプローチが道路からまっすぐなのが残念だよね。
F(ママ2)今のままでは、玄関開けたら外から家の中が丸見えになってしまうね。真っ直ぐではなくて、ちょっとでも曲がって入ることができればいいんだろうけどね。
m 間取りPLANBのようにすればどうかな?ポストや表札をつける壁とかフェンスを少し高めにすれば家の中が見えなくなるからね。
F それは、いい考えだね。カッコいいみたいだし、車の出し入れにも支障なさそうだしね……。でもアプローチの前にリビングの窓があるけど…それって大丈夫かなぁ?
m ほんとうだ!しかもこの窓、掃き出し窓じゃない?その前が玄関アプローチだなんて最悪じゃない?
F そうだね。ゆっくり寛げないし…、おそらくカーテンも閉めたまま、開けておけないよね。それなら、窓を横長にして上の方に付けたほうがいいよね。
m &F でも東側も西側もほとんど空いていないから、リビングにはそれなりに大きい窓が欲しいよね。どうにかならないかなあ?
×【間取りPLAN A】
① 廊下に向けて開くとたいへん危険!
② 玄関ドアを開けると家の中が丸見えになってしまうので、真っ直ぐなアプローチに変化が欲しい。
。。。。。。。。。。。。。。
×【間取りPLAN B】
① 階段に向けて開くのは、著しく危険な上に、出入りに不便なので、引戸などを検討する
② プライバシーを考えると、リビングの窓の前を通るアプローチは避けたい
・・・・・・・・・・・・
【解決策・処方箋】
【アプローチはプライバシー重視で考えるべき】
アプローチの設計は道路からの空き寸法や、高低差、駐車、駐輪スペース等との関係によって色々な手法があります。
ですが、何でもいいというわけでなく門扉と玄関扉を同一線上に合わせないこと、距離を長くとって奥行き感を出すこと。シンボルツリーやアイキャッチとなる低木等と合わせて緑豊かな空間を演出することをお奨めします。
間取りプランAでは、アプローチが直線で距離もとても長いとはいえません。駐車スペースや車の切り返しに必要な距離との関係で、ポーチや門柱を納めることさえ苦慮する場合もありますが、門や玄関アプローチは見せ場となる部分でもありますので、少しでも変化を付けてみたいところです。
このままでは玄関扉を開けると、道路面からでも家の中が丸見えになってしまいます。間取りPLANBは、玄関扉前に門の機能を設けた壁を設置することで、玄関のプライバシーを改善しています。
ですが、リビングの窓の前をアプローチにすることで、リビングのプライバシーが損なわれてしまいます。
【改善案①】では、玄関の間取りを変更(土間収納と玄関を反転)し、隣地境界側からアプローチするようにしてみました。隣地との境界に壁を建ててアプローチらしく演出することをお奨めします。ここでの改善では、間取り変更によるデメリットありません。
【改善案②】では、改善案①の土間収納があった場所をポーチにすることで、[玄関扉を西向きに設置 ]しました。そうすることで玄関前の壁が不要にすることができました。
土間収納の代わりにホールには収納を設けています。門柱の機能を持つ壁の後ろには自転車置き場やシンボルツリーを植えることもできます。
このように使える空間が狭くても、[エクステリアと間取りと合わせて検討する]ことで、アプローチの選択肢は十分に増やすことができます。
敷地が狭いときこそ内外ともに併せて考えることが最重要となります。
それから、もうひとつ付け加えておくと、階段の昇り口や降り口、また廊下などにトイレなどの外開きのドアは、できるだけ引戸にすることをお奨めします。出入りの際に他の人と衝突の恐れがあり危険極まりない空間となってしまいます。
また、高齢者や障害者が同居している場合、手すりに頼るにしても、車椅子の場合でも、開き戸は大変不便な建具となります。どちらにしても、開き戸は避けることをお奨めいたします。
◯ 間取りPLAN A・Bの処方箋
【改善案①】
①引戸に変更
②ウォークスルータイプの土間収納に変更
③玄関演出空間
④ アプローチを隣地境界線に変更
【改善案②】
①ホールの一部に収納を追加
② 土間収納の部分を玄関ポーチに変更
③トールタイプにして収納量増大