BLOG
ブログ
玄関・ホール・階段編【あふれている靴を踏まないと家に上がれない玄関】
【あふれている靴を踏まないと家に上がれない玄関】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
鼓星(つづみぼし)
空気が乾燥し大気の透明度が上がる冬は、星の瞬きが際立つ季節です。日没が早く、日の出が遅い、つまり夜が長くなるため、自然と星を目にする機会も多くなります。 冬の星座の代表格は、オリオン座です。4つの星を結んだ四角形のなかほどに、3つの星が並んでいます。今の時季ならば21時過ぎ頃、南の空を探せば見つけられるでしょう。 「オリオン」はギリシャ神話に登場する狩人です。サソリの毒によって命を落とし、星になったと伝わっています。オリオン座の和名は「鼓星(つづみぼし)」。たしかに、オリオン座を結ぶとできる、中央がくびれたリボンのような形は鼓に似ています。オリオン座には鼓星(つづみぼし)という日本名があったんですね。
【エンドユーザーの声】
先日、女性お二人(親子sさん、kさん)のお客さまから、家をリフォームしたいのだけれど、不動産屋さんから出してもらったプランがあまりピンとこないので相談にのってほしいとのことでした。
s コンパクトなプランだけれど、【間取りa】【間取りb】どちらの間取りも玄関が狭くて使いにくそう。
k 「コンパクトだけれど収納充実。スタイリッシュな四角いデザイナーズハウス」って書いてあるが……。全然、そうでもなさそう。
s両方とも土間収納なるものがあるのは嬉しいところだが、横に長くて使いにくそう。
k どちらもホールから使える下駄箱がないから、それでなくても狭い玄関が靴だらけになってしまいそう。
s それに【間取り a】は玄関前の凹みの幅が狭い。この幅だと傘をさしたり、しまったりできない。窪みをなくして庇を出したほうがいいのでは!?
k 【間取りb】は上がり框斜めに設置して玄関、ホールを広く使おうとしているんだけど、かえって狭くなっている気がする。
s いろいろと問題が多そう。知り合いの家では玄関にあふれている靴を踏まないと家に上がれないのだが、そうはなりたくない。コンパクトな家だからといって、収納が疎かな家には住みたくない。
以上、お二人の気になる点を聞き取らせていただきました。
【玄関・ホール問題点の炙り出し】
・土間収納より、省スペースで効率的な玄関収納を設置する。
・コンパクトな家だからといって、玄関に必要な機能まで無くしてしまってはなんのためのコンパクトなのか分かりません。
・【間取りa】では広い土間収納がチェックポイントになっているようですが、奥行きが狭く横長の収納は奥の物の出し入れが非常に困難です。[デッドスペース]になってしまいます。また玄関・ホールに下駄箱を置くスペースがないため、間違いなく靴で埋れてしまうのが容易に想像できます。
・玄関アルコーブの幅が玄関扉分だけでは、傘の開閉や、両手に買い物袋をもって通ることが困難です。外観へのこだわりか、コストダウンが目的なのかは分かりませんが、このような設計では、すぐに住んでいたくなくなります。
・間取りbでは、上り框を斜めに設置して、空間の効率利用を図っているようですが、本来はリビング方向に向けて斜めに配置すべきところ。かえって狭くて使いづらくなってしまいます。
・ホールに収納があるのは便利なのですが、土間収納の使い勝手が悪く、下駄箱もないため収納力不足になることが予想されます。
・トイレドアとリビングドアの向き合った配置は、ドアとドアがぶつからないまでも、見栄えや安全上からも避けるべきだと思います。
『【間取りa】の解決策』
・玄関に必要な機能をバランスよく満たせるようにしました。
・土間収納を大幅に削減して、玄関をL字型にして奥行感を出し、ホールの間口も広げました。
・下駄箱を設置して、アルコーブも傘の開閉等に支障のない幅にしました。
『【間取りb】の解決策』
・アルコーブ玄関をやめて、床面積を増やすことにしました。それにより土間収納が使いやすくなり、下駄箱も設置できました。
・上がり框を斜めにする場合には、視線や動線を誘導したい方向に向けたほうがいいと思います。
・リビングドアをトイレドアとずらして設置しましたが、その際は必ずリビングのTVやソファのレイアウトを検証しなければなりません。
・玄関が靴であふれないようするためにも、土間収納より効率的に使える玄関とホール双方から使える玄関収納の設置を優先して考えるべきだと思います。