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階段と併せて真ん中に設けた玄関【玄関①】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
初侯 雷乃声を収む(かみなりのこえをおさむ)
秋分
「秋分の日」は「春分の日」(98)と同じく、太陽が真東から昇り真西に沈む一日です。
昼と夜の長さがほぼ等しくなり次第に夜が長くなっていきます。二十四節気も今日から「秋分」。本格的な秋の訪れです。
スポーツの秋、芸術の秋、読書の秋と、数ある「秋」のなかでも、やはり毎日の暮らしで実感しやすいのは食欲の秋です。
暑さで落ちていた食欲が上向いてきたところに、キノコや果物、魚介類に新米と美味しい食材が出回り、買い物しているだけで楽しくなります。
旬の食べ物はお財布に優しい上、栄養価にも優れた自然の恵み。感謝を忘れずいただきたいですね。
階段と併せて真ん中に設けた玄関【玄関①】
ゾーニングが一段落して、間取りの原型がなんとなく見えてきたら、今度はいよいよツボを押さえる段階です。
間取りの繋がりという機動力を左右する「玄関」「階段」という2つのツボを、ある法則に従ってガッチリと押さえるのです。
あなたも同じかどうか分かりませんが、初詣(はつもうで)などで訪れる神社は、入り口の鳥居から拝殿までの距離が遠ければ遠いほど、ありがたみというか、愉(たの)しみが増すような気がします。
ですが、住宅の場合、玄関から各部屋までの距離が遠くなると、増えるのは廊下の長さと面積ばかりでまったくありがたくも愉しくもありません。
部屋から部屋へ滞ることなく素早く移動できること。
これが住宅でのありがたみではないでしょうか。
ですから、「玄関と階段は建物の中央付近に配置する」ー愉しくありがたい間取りをつくる法則なのです。
出発地が中心にあれば、どの部屋にも最短で辿(たど)り着けるのです。ダラダラと長い廊下にだけはご利益はあり得ないのです。
【ご利益は真ん中玄関に】
①玄関を隅に配置+階段まで遠い=廊下が長い
②玄関を中央に配置+階段まで近い=廊下が短い
【玄関と階段を建物の中央に配置すると、廊下という意外とバカにならない「移動にしか使われない空間」が削減されます。
廊下の面積が減れば、当然ですが各部屋に割り振られる面積が増え、部屋が広くなるのです。
間取りの構成上、廊下の存在は必ずしも「悪モノ」ではありませんが、初期の間取りの検討段階ではなるべく廊下が少なくて済む配置を考えてみることが必要です。
③真ん中玄関の2パターン
玄関を建物の中央付近に配置する可能性は、敷地入り口からのアプローチを考えると、常識的には以下の2つしかないと思います。
[道路に面する中央に配置するパターン]
全面道路と正対する面の中央に配置するパターンです。きわめて一般的な形となります。
[側面から回り込んで中央に配置するパターン]
敷地に余裕があれば、建物外周部に路地上のアプローチを設け、そこを経由して「中央玄関」に辿り着くかたちも考えられます。