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真ん中じゃない玄関の弱点克服法とは…【玄関②】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
寒露 初候 鴻雁来る(がんきたる)
温め酒(ぬくめざけ)はご存知ですか?
新暦からひと月ほどずれて、旧暦九月九日は本来の重陽の節句です。
この日は寒温の境を分けるとされ、酒を温めて飲めば無病息災と言いならわされてきました。
たしかに夜はだいぶ涼しくなってきて、酒好きの友だちが、これからの季節はぬる燗、熱燗が美味しくなってくると言っていました。九日の月は、上弦からややふっくらした半月です。
たとえば焼き鳥屋で炭焼きの香ばしい匂いが立ちこめるなか、ビールで喉を湿らせたら、温め酒をちょいと欲しくなるとも先ほどの彼は言ってました。
酒の飲めない私にも分からなくもありませんが、全くの想像の世界には違いありません。
真ん中じゃない玄関の弱点克服法とは…【玄関②】
敷地条件の制約などから、玄関を中央に配置できないケースは多々あります。そんなときは、建物の隅に配置しながらも、「廊下が長い」という欠点が露呈してしまいます。
ところが、そのデメリットを克服する方法を探っていると、それなりになんとか見つかるものでもあります。
【収納スペースを兼ねる廊下】
間口が狭く、奥行きが深いI型の建物でお薦めの方法がこんな感じです。
コーナーに配置した玄関と中央に配置した階段との間に廊下ができます。その廊下の幅を少し広げて収納の機能をもたせてあげれば、長い廊下が無駄にならないどころか、これだけの収納はなかなかとれるものではないと喜ばれること然りです。
【玄関が隅なら「土間玄関」を中央まで拡張するのもあり】
玄関を「広めの土間」という扱いにして、建物の中央付近まで広げてあげれば、中央玄関と同等のメリットを生かせますね。各部屋の移動は、実質的に建物中央からスタートして、ある程度広い家でなければ少し難しい間取りですが、広い土間には自転車など大きなモノを収納できる長所もあるのです。
【階段さえ真ん中近辺なら、隅にあってもいいんです。むしろ…】
「えぇ~!!何いってんの?!さっきの話とずいぶん違うじゃないか」と怒られそうですが、玄関を建物の隅に配置する間取りも実はそんなに悪いとは限りません。
もちろん、やりかたにもよるのですが、むしろ敷地が狭い場合は、
玄関を隅に置いたほうが間取りをまとめやすくなることもあるくらいです。
ただし、階段だけは相変わらず建物の中央付近にしなければなりません。逆に階段を中心付近に計画してから、玄関の配置を決めるほうがいいと思います。
階段を真ん中にすること。これだけはなんとしても死守して頂きたいものです。
【「隅の玄関」の利点】
建物の角とか隅に玄関を配置すると、玄関までのアプローチが敷地の片側に寄るので、駐車場との位置関係が良くなる可能性が高くなります。
駐車したクルマの裏側に玄関が隠れることもありません。動線が建物の真ん中を貫通しないので、部屋や庭を広くとれることにも繋がってきます。
また、建物の隅を少し欠くだけで、凹型の玄関ポーチも簡単につくることが可能となります。段差が生じる玄関の三和土(たたき)も、建物の隅であれば、配置しやすくなるのです。
以上これらすべてが玄関を角や隅にもってくる大きな利点なのです。
※とはいえ、まずは玄関を中央付近の配置を検討することをお薦めいたします。