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南でも隣家がそばにあって日があたらないリビングと庭【リビングCASE 8】

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今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。

啓蟄 初候 桃始めて笑う(ももはじめてわらう)

心にも体にも、あま〜い喜び

砂糖の日

3月10日は砂糖の日

わさんぼん

3月10日は砂糖の日 わさんぼん

最近では、どちらかと言えば、不健康の一大原因とされていますが、心にも体にも、あま〜い喜びを与えてくれて、さまざまな料理やお菓子に欠かせない調味料といえば、砂糖です。

紀元前から利用されていた砂糖が日本に伝わったのは8世紀のこと。

当時は薬として重宝されました。たしかに疲れたときの甘いお菓子は、元気の源。薬とされたのも納得です。

江戸時代中期になると、国内でのサトウキビの栽培・製糖が奨励されます。

とくに細かな結晶とまろやかな甘味が特徴の「和三盆(わさんぼん)」は珍重され、今でも老舗菓子店は逸品に用いています。

季節の花や縁起物をかたどった和三盆の干菓子(ひがし)は、目にもたのしい甘い喜び。眺めているだけで元気になれます。 

そして…「桃始めて笑う」

桃始めて笑う

七十二候 桃始めて笑う

桃始めて笑う

桃始めて笑う

二十四節気の啓蟄の七十二候のなかでも最も微笑ましいのがこの「桃始めて笑う」かもしれないですね。

啓蟄の次候が「桃始めて笑う」ですが、笑うは咲くという意味で、今日3月10日から14日頃の季節のことです。

調べてみますと、「咲」という字は「笑」という字の俗字でした。

つまり、「咲」も「笑」も同じ字だったということになります。

武井咲(えみ)という女優さんがいますが彼女の名前はなぜ(えみ)と読ませるのかと思ってましたが、こんな理由があったんですね。

桃の蕾がほころび花が開く様子がいにしえの人には、まるで笑っているかのように見えたのでしょうか。

 

南でも隣家がそばにあって日があたらないリビングと庭【リビングCASE 8】

今回は再び、母娘二人連れのお客さんが相談にやってきました。今回はどんな相談事を持ってくるのでしょうか……愉しみです。

d(娘サエコさん)敷地の南側に家が建ってるんだけど、庭やリビングの日当たり良くないんじゃないかなぁ?

m(母)前の建物の影になってしまわないかってこと?

d そうなの。間取りPLANAだと南側に3mくらいの庭がとれるんだけど。

m そうねぇ。夏と冬では太陽の角度も違うから季節や時間帯によって随分と違うんだろうね。

d 夏は間違いなく明るいと思うんだけど、春秋分はどうなのかな?冬はどうせダメそうなので諦めてるけど。

m 洗濯物を干すのはどうすればいいの?趣味のガーデニングは、どうなんだろう?

dできれば洗濯物は庭に干したいし、植物も育てたいしね。でも何より、お日さまがほとんど当たらない庭は嫌だよね。

d南側に配置したリビングダイニングも…。その先の庭もせめて春や秋も明るいといいのだけれど…。

①春分や秋分の時期には部屋に日が入るが冬は日が入らない

間取りPLAN A

間取りPLAN A

 

②夏至の時期には日があたるが、春分、秋分の時期には日があたらない 庭の形状にメリハリがほとんどないので用途を分けて使いにくい

【解決策・処方箋】

隣地境界から5m下げてリビングは配置する

敷地の状況から、眺望と日あたりを考え、一番恵まれている場所を家族の集う場所にあてる、というのが一般的です。日当たり良好(=明るさ、暖かさ)を重視するのであれば南面に配置するのがいいに決まっています。

ところが、北側接道の狭小地であるにもかかわらず1階南面をリビングにした結果、あたらなくていい真夏以外は日があたらず、掃き出し窓から2m程度しか離れていない隣の家のトイレ、浴室の窓が目障りになる例は結構よくみかけます。

日影図では手間がかかるので、下記の資料で日あたりを予測してみましょう。

東京の南中時の太陽高度は夏至でおよそ78度です。春分、秋分で55度、冬至でおよそ32度です。間取りPLAN Aは隣地境界線から3m離れて計画していますから、夏至の南中時には庭に日がさすのが分かります。

春分、秋分は庭でなく建物の中に日が差し込みます。冬至は2階にしか日が差しません。サエコさんの洗濯物を干す、明るい庭がほしいという要望に沿うように、改善案を考えてみましょう。

①冬至近くまで日差しが入る

②春分、秋分でも一部には日があたる
 午前中は自宅の影になってしまう可能性が高い

③日は差し込まないがリビング前の日があたる明るい庭を見ること は可能

間取りPLANAの解決策

間取りPLAN Aの解決策

間取りPLAN Aの解決策では駐車場の配置を工夫して建物を雁行(横並びではなく斜めにずらす)させることで、ダイニングは境界線から2.1m、リビングは5.0m離して配置してみました。

ダイニングの南側にある窓からは日差しが望めませんが、西側の窓からはリビングの前の明るい庭の様子を楽しむことができます。掃き出し窓にすると容易に出入りすることも可能です。

このように全体に均一な隣地境界からの離隔距離を取るよりも、部分的(敷地の半分以上推奨)でも広い離隔距離を確保したほうが、庭としての設計がしやすくなります。

また、日差しを制御したい場合は日除けを付けるなどするとよいでしょう。ただし、建物形状を雁行させた影響で、午前中は自分の家の影響で庭が影になってしまうこともあります。影の原因は近隣建物だけでないことを理解しておきましょう。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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