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家造り、隠れた要望は、部屋単位で明らかに〈家族の要望3〉
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
秋分 初侯 雷乃声を収む(かみなりこえをおさむ)
秋のお彼岸
秋分、秋のお彼岸はこの時期で、二十四節気では白露の次の季節にあたります。お墓参りや法要をして、先祖を供養します。
お供えものは、おはぎです。
もち米などにあんこをまぶしたほぼ同じものを、春にはぼたもち、秋にはおはぎと呼びますが、牡丹と萩といえば、春と秋の代表的な花。地方にもよりますが、どうやら小豆がとれたばかりの秋にはつぶあんでおはぎを、ひと冬越して固くなった小豆はこしあんでぼたもちを作るようになったといわれています。
そして…
秋分 初候 雪乃声を収む(ゆきのこえをおさむ)
雪乃声を収む(ゆきのこえをおさむ)
明日の朝、晴れていたら空を見上げてみてください。
この時季の天高く馬肥ゆる空には、水族館などで見られるイワシの銀色にキラキラ輝く魚群のような雲が棚引いています…
秋分の初候は、雪乃声を収む(ゆきのこえをおさむ)。夕立と連れ立ってピカッゴロゴロと来ていた雷が鳴らなくなるころ、という意味の季節です。およそ九月二十二日から二十七日ぐらいのこと。
夏の入道雲から秋の鰯雲へ、気づけば空模様も変わっています。
鰯雲が出ると、鰯がよく取れるといいますが、どうなのでしょうね。
空の外れに見かけることも、空全体を覆って一面に広がっていることもありますよ。特に夕焼けに染まる鰯雲の空には見とれてしまうくらいの憂愁がありますね。
秋の季節には、夏の栄華が枯れていく姿に、オー・ヘンリーの「最後の一葉」のような憂愁の美を感じさせる小説があります。なぜか堪らなく好きです。
夏ももちろん好きですが、何十回目か分かりませんが、もう一度読みながら、秋の夕暮れの美しさを満喫したいと思ってます。
家造り、隠れた要望は、部屋単位で明らかに〈家族の要望3〉
お施主さんからの膨大なご要望は、最後は部屋単位で整理していくと明確になります。部屋別に分類することで、家族が望んでいる新居全体のイメージや将来のライフスタイル像に芯ができあがってきます。
そしてこれが後で、設計の方向性を決める大黒柱となっていきます。
①部屋の「内部」を明確化する
部屋単位の明確化は、「部屋の内部」「部屋の位置」「部屋の繋がり」の3つを軸に行います。
まずは「部屋の内部」です。キッチンであれば広さ、収納量、仕上げの材料、毎日の使用頻度などを明確化することが部屋の個性を際立たせていきます。
- レンジフードは、ステンレス製で大人スタイルを感じさせるものに
- この場に窓がほしい
- キッチン天板(ワークトップ)もステンがいいなぁ…
- できるだけシンクは広いほうがいい…
- シンクの下あたりにゴミ箱が納まればいいなぁ…
例えば…奥様からのキッチン要望
②部屋の「位置」を明確化する
その部屋を「どこに設けたいか」も重要です。日当たり、眺望、風通しなど、部屋ごとに何を重視するかを明確にしていきます。
配管の経路や道路からのアクセスなど、部屋の位置は計画上の細部のこだわりも関わります。
【各部屋への繋げかたは参考程度に】
部屋と部屋を繋げかたは間取りの根幹をなす重要なところです。ですが、ここでお施主さんの要望をすべて反映させてしまうと、どうしても歪なバランスの間取りになりがちです。
失礼かもしれませんが、繋げかたの要望は参考程度に留めさせていただいております。重要なのは「お施主さんが何を重要視しているか」を読み取ることなのです。
③部屋の繋がりを明確化する
たとえばキッチンなら、ダイニング、リビングとの位置関係、庭との距離感が重要になります。
家事動線を考えれば、洗濯機置き場を含む脱衣室との関係はもっとも大切です。繋がりの要望を聞いて、お施主さんが何を重視しているかをつかんでいくようにしています。
【本音を引き出すにはスクラップブックで】
要望の聞き取りは、具体的な床面積や寸法よりも、「新居で実現したいイメージ」を聴くほうがより価値のある結果を得ることができます。
そのイメージを聴くのに、効果絶大な方法が、お施主さんに「新居のイメージをまとめたスクラップブックづくり」を依頼させていただきます。
写真やイラストを使用して、自分の手でそれをつくってもらうと、それまでお施主さん自身も気づかなかった「ほんとうの要望」明確になることがあります。
【「変換」「置換え」「明確化」で要望を使えるかたちに】