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愉快な電気を使わない生活[収納の学び舎【第7回】

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愉快な電気を使わない生活[収納の学び舎【第7回】

豊かな非電化(アンプラグド)生活とは?

以前お伝えした「電気を消してスローな夜を~100万人のキャンドルナイト」に、様々な反響をいただきました。

地域でのイベントやご家庭で、コロナが終息したら、草の根的な活動としてスローにそして愉しく実践してみたいとのことです。

私どもが提唱する「シンプルで心豊かな暮らし」は、収納によるすっきりした部屋を作り出すことにとどまらず、ライフスタイルそのものもスローに切り替えなくては、得られないものだと考えます。

今回、見つけた楽しい本は、15年ほど以前に発刊された古めの本ですが決して今読んでも見劣りしない内容のものです。

「電気のない生活活は考えられない。でも、できるだけ原子力に頼らなくて済むように、必要最小限度に電気の利用を抑えよう」という立場で、肩肘をはらずにスローに、そして愉しみながら電気の利用を抑えよう、という想いを伝えてくれる内容です。

『エコライフ&スローライフを実現する愉しい非電化』(洋泉社MOOK—シリーズ) 藤村 靖之著 1,365円。現在、新刊本は出ていないかもしれません。BOOKOFFかAmazonUsedなどでお求めください。

愉しい非電化

 

藤村靖之著者

著者の藤村さんは発明家として、また起業家としても有名で、息子さんの喘息を発端として発明した電子式空気清浄機クリアベールは、累積200万台販売を記録しました。

電子式空気清浄機クリアベール

藤村さんの最近の発明は、もっぱら、電気を使わない掃除機、洗濯機や、放射冷却を利用した冷蔵庫など、ユニーク、かつ多彩です。ただ、既成の電化製品に比べて同じ機能を持っているというわけにはいきません。

たとえば掃除機はフローリングなら軽く手で動かすだけで十分ごみが取れるが、毛足の長いじゅうたんには向かない。中身を目で確かめられる浄水器はカートリッジ交換がいらないが、週に一度は熱湯で活性炭の再生を行なう必要がある。

このように、使う人は「非電化」のために、「ちょっとした手間」を惜しまないことが要求されます。逆にいえば消費者がそれを受け入れない限り、この発明は活きてはこないとうわけです。

いっぽうでこの本では電化製品の「効率の悪さ」を証明する一つの例として電気掃除機をとりあげています。

手のひらに載せた小さな紙切れに息を吹きかけて動かしてください。簡単に動いてくれます。では次に「息を吸って」動かしてみてください。顔が赤くなるまでがんばって吸っても、目の前の紙片はピクリとも動かないはずです。

でも電気掃除機はこれをしているわけです。
ごみを床からごみ箱に移すためだけに、電気が生む膨大な力を使います。藤村さんいわく、「手で拾って捨てる(あるいはほうきで掃く)場合の約2000万倍のエネルギーです。2000万倍!」

家全体で5gのゴミを集めるために1kWの掃除機
で30分かけて掃除をおこなったとして、ゴミが与
えられた(物理学上の)仕事=約0.1W秒、掃除機
が行った電力消費量=2,000,000W秒、この効率=
(ゴミが与えられた仕事÷電力消費量)=2000万
分の1となります。

本当にそれだけのエネルギーをかける必要があるのか、と藤村さんは考えたわけです。

この本の前半は電化製品というものは、発電所からのエネルギーの伝達ロス等を考えると、いかにエネルギーが無駄になっているか(効率が悪いか)が綴られています。後半は藤村さんの「非電化」製品のアイデアなどが書いてあります。

2000万倍エネルギー消費

藤村さんの提唱する「非電化製品」の運動は、原発などの大規模な電力供給に頼らなくても、そこそこ快適な暮らし、楽しい暮らしができるんじゃないかという発想から始まっています。なので、「電気を否定してランプで暮らす」みたいな前時代的なものとは違って、電気を使った方がよければ使う、しかし今の電化製品はエネルギーを無駄に使いすぎていないか?というスタンスなのです。 

たとえば、「非電化冷蔵庫」。非電化冷蔵庫の原理は至って簡単です。
貯蔵室は熱伝導率の高い金属でできています。、周りには水がたっぷり(写真の大きさの場合200リットル)充填されていて、水の上面は放熱板の下面に接しています。

非電化冷蔵庫

放熱面は輻射(放射)が生じやすい材料で作られています。放熱板は複数の透明な板で覆われているために、外部の空気から熱は侵入しません。水の周りは断熱材で覆われているために、外部の空気からの熱は遮断されます。

貯蔵物の熱は貯蔵室の金属を介して周囲の水に伝えられます。水に伝えられた熱は自然対流で上部に移動して放熱板に伝えられ、外部に放出されますから、庫内の水は一方的に冷えていきます。

非電化冷蔵庫実写版

ただし、「輻射が一方的」という条件が必要ですから太陽の直射光が当たらず夜空がよく見える場所に置く必要があります。空が澄んでいて星が見えれば、絶対零度の宇宙が見えているわけですから、空からの輻射は零となり、「輻射が一方的」をほぼ実現できることになります。

ところが、実際には曇っている夜の方が多いでしょうから、水を大目にして、冷熱をたっぷり蓄えるようにします。昼間、直射日光が当たらなくとも、散乱光は放熱板に入射してきます。

放熱板は温められ、接している水も温められますが、自然対流により上部に移動して留まるために下部の貯蔵室への影響は抑えられます。晴天の夜が3日に1日以上あれば真夏の昼でも庫内を7~8℃くらいには維持できます。(ホントかな?信じられな~い!)

【あくまで参考ですが^^ 放射冷却の原理】

一般に絶対温度がT(K)である物体の表面からは電磁波が放射されているが,その単位時間当たりの総放射エネルギー量
E(W/m2)は,次式で表わされる; E = εσT4
ここでεは放射率,σはシュテファン・ボルツマン常数(5.67×10-8 W/m2K4)である。

非電化冷蔵庫では、放射面の放射率は0.96を実現しているので、放射面温度が20℃の場合     E = 401 W/m2
放射面の面積は約1m2なので、  E = 401 W つまり、1時間に401WH(ワット時)=364kcal のエネルギーを放射する。

夜間を10時間とすると、夜間に放射されるエネルギー量は3,640 kcal 。水の総量は200リットルなので、このエネルギー量は水の温度を18℃下げる効果に匹敵するのです。(これは理想的な状態を前提としているが、実際には様々な要因によって、理想通りには行かないことが多いのです)。

また、放射面やそれに接する水が冷やされると、外気温との差に比例して外部から熱が侵入するために、(断熱の度合いにもよるが)温度がどこまでも下がり続けることはありません。特別な設計をすれば夏の夜に氷を作るこことも可能ではありますが、実際には非電化冷蔵庫では氷を作ることは難しいと思います。

非電化除湿機右の写真は非電化除湿機です。

本体には10本のエレメント(塩化カルシウムを含浸させたろ紙を、孔のあいた金属板で覆ってある)が納まっており、その形状と配列を(流体力学的に)工夫して、室内の湿気をほどほどの速さで吸収できるようにしています。

2日かけて1~1.5リットルくらいは湿気を吸い取りますから12畳くらいの部屋でしたら使用に耐えるそうです。電気除湿機(1日数リットル吸い取る)に較べるとスローですが、数百円で売っている使い捨て除湿剤に較べると数十倍速いみたいです。

非電化掃除機

非電化掃除機

まだ試作品の段階ですが、湿気を吸収したら太陽にさらすことで除湿能力が回復し、半永久的に利用できるそうです。その下は非電化掃除器です。藤村さんは、「現在、世界中で脱原発や地球温暖化対策のために再生可能エネルギーや燃料電池の開発が進められていますが、私が提案するのは、原子力や石油に代わるエネルギーを見つけることではありません。

電気自体をなるべく消費しないようにするために『電化製品を減らしていこう』という運動です。それは『非電化製品』を増やしていくことでもあります」と語ります。愉快でちょっと不便な非電化ライフのお話でした。

LOHASな北欧の頑固さ~56年間もモデルチェンジしない収納システム

Haraldさん前回はスウェーデンの大工職人、Harald Lundqvistが発明したVAS PLUSの歴史を紹介しましたが、今回はその魅力をお伝えします。

VAS plus はフィンランドでの製造開始以来56年間、基本的なモジュールに変更を加えることなく、もっとも優れた木製システム収納家具として、ヨーロッパや米国で高い評価を得ています。

北欧の針葉樹林で育まれた優良なパイン材(松の一種)を素材として、時代のニーズに合わせて様々なアイテムが付加されて現在に至っています。
無垢材の持つ肌合い、芳しい香り、温かさは人が求める温もりに他なりません。

VASplusFunctional(機能性) 

VAS plus は棚板をはじめとしてドア、天板、引き出し、パソコンデスク等を必要に応じて組み合わせることができるシステムで、書斎や居間や食堂台所、寝室、そしてホームオフィスにも対応できるシステムユニットです。

Flexible(柔軟性) 

柔軟性

VAS plus は一度取り付けた後でも、間取りの変更や模様替え、引っ越し等による解体、レイアウトの変更、アイテムの差し替え、追加が自在かつ簡単にできるシステムユニットです。

 

Natural 天然素材

明るく、暖かな木目がインテリア空間に安らぎを与えてくれます。仕上げは無害で高級なウレタンUV塗装を採用し、人に優しい商品設計を心がけています。

像が乗っても壊れない耐過重強度     

異なるサイズの基本棚板について荷重実験を行った結果を下に示しています。条件の同じシェルフユニットを使用。シェルフのたわみは長さのおよそ0.5%までとし、4回試行。但し、その他のシェルフについては最大荷重を表示しています。
スタンダードなシェルフ

幅(cm)     50   80  100  120

奥行き(cm) 30 165kg 165kg 100kg 70kg
       40 220kg 220kg 135kg 95kg
       50 275kg 275kg 170kg 120kg
       60 275kg 275kg 170kg 120kg

by株式会社 大東建設 阿部正昭

Natural 天然素材

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