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[ 間仕切り]開けっ放しの美学[快適さを生む「繋ぐ」3]
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
処暑 次侯 天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)
秋扇(あきおうぎ)に秋団扇(あきうちわ)
秋扇(あきおうぎ)、秋団扇(あきうちわ)。立秋を過ぎても、残暑の折にはやっぱり必要、と昔からこんな言葉があったようです。
まだまだ外を歩けば汗ばんできますし、家の中にいてもバタバタと扇いで(今なら扇風機やクーラーをつけて)涼をとっていたものです。
扇置く、忘れ扇、捨て団扇(すてうちわ)などともいって、こちらは秋になっていらなくなったもの、というニュアンスの季語です。
いつまでも用ある秋の渋団扇 虚子
今年は、だらだらといつまでも残暑が続きそうです。
[ 間仕切り]開けっ放しの美学[快適さを生む「繋ぐ」3]
家族が仲良く暮らす開放的な家に、空間を区切ったり、断絶するドアは要らないと思いませんか?そうなのです不要なのです。それでも寝室など必要な場所には、開き戸ではなく引き戸を使うことをお薦めします。
開き戸は開け放しておくと「開けっ放し」という感じがします。誰でも「閉めなさい」とか「開けっ放し!!」と親に注意されたことはありませんか?ありますよね!
ですが、引戸なら最初から、そこに間仕切りがなかったことにできるのです。というか、最初から開口が存在していたという感じがするのです。不思議ですよね。
内と外を繋ぐ場合でも引き戸が中心ですが、なかでも障子戸は優れものです。昔、ガラスがまだ存在していなかったころは、障子戸を開けるとすぐ外につながっていました。
障子は断熱性がある上に、雨風を受け止めます。雨で紙が濡れても、金魚すくいの膜のようにすんでのところで破れません。乾けば再びピーンと張って元に戻ります。
実際には、雨染みとかは元に戻りませんので、その跡は残りますが、汚れが気になってきたら、張り替えるということです。実際時代劇などでも、破れたところに、上からまた付け足しで紙を張ってある光景が見られますよね。
現代では、サッシなどガラス戸の内側に付けますが、実際にはペアガラスよりも断熱性が高いことが分かっているのです。
普段何気なく使っている間仕切りも適材適所で奥が果てしなく深いのです。
【多種多様な間仕切り】
空間と空間を隔てる間仕切りには、さまざまな種類があります
[目的や用途に合わせて選ぶ]
空間と空間を間仕切るものの代表はなんといっても壁です。間仕切りと書きますが、読んで字の如し、語源は、間を仕切る壁から間仕切りと呼ばれるようになりました。
開き戸を付ける際は引きしろも計算しなければなりません。引き戸は簡単につくれて引きしろも必要ありません。また一方では、固定棚や家具を間仕切りとして使われることもあります。
キャスターを付けた稼働棚は、自由に仕切れて大変便利アイテムだと思います。
【ドアの種類】
[ドアは大きく分けると框戸(かまちど)とフラッシュ戸に分類されます。
[構造の違いで呼び方が異なります]
障子やふすまのように。枠材に木や紙などを張ったものが框戸(かまちど)と呼ばれます。フラッシュ戸は芯材を並べてその両面にラワン合板やシナベニヤなどの合成面材を使います。
フラッシュ戸のほうが、職人による技術が不要な分だけに、一般的にローコストです。
【ドアの素材】
[ドアは素材によって、機能が異なるので、使い分けが必要です。
木
木目が美しい木製ドアは、壁としての間仕切り機能ももっています。
紙
何といっても軽いのが特徴です。絵を書くこともできます。
様式は和風ですが障子は洋室にも使えます。
ガラス
光を入れたい場所。できるだけ暗くしないようにする。特に外と内の仕切りに多用。二重になったペアガラスもあります。
半透明
浴室や洗面室など、光は透過しつつ目隠ししたいときに使うことが多いです。
【引き戸の使い方】
[開き戸よりも引き戸のほうが応用が効いて便利です。]
[カーテン代わり]
障子は断熱効果が高いので、外と内を仕切る掃き出し窓などのガラス戸の内側に、カーテン代わりとして使用します。やわらかな光が差し込んできて、目にも大変いいようです。
[部屋と部屋を仕切る]
ふだんは開けておきたいところだが、ときには2つの部屋に仕切りたいという場合は、デザイン性の高いフラッシュ戸で仕切ります。
一瞬にして部屋をひとつにしたり、2つにしたりできます。
[物を隠す]
散らかりがちな収納には引き戸をつけて目隠しとすることにしましょう。戸を移動して隠す部分を変える工夫も有効なのです。収納は例外を除いて光が入らないほうが好ましいので、襖のほうが適しています。