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異空間を生み出す「引き戸」の魅力
家づくりやリフォームをすると決めるまでは「戸の種類や機能の違いは考えたことがなかった」、という方も多いのではないでしょうか。
今回は近年見直されてきた「引き戸」を、玄関に絞ってそのメリット・デメリットや、開き戸との違いなどを解説します。(室内引き戸は後日に特集します)
最新の引き戸の進歩にも触れますので、家づくりの参考にしてください。
「玄関ドア引き戸」のメリット・デメリット
「玄関引き戸」と言うと昔ながらの日本家屋をイメージするかもしれませんが、最近その人気が再燃しています。
玄関リフォームの際に、既存の開き戸を「おしゃれな引き戸」へ変えるケースも少なくありません。
玄関ドアを引き戸にするメリット
新築やリフォームで玄関ドアを選ぶ際、引き戸を選ぶ方が増えています。理由は、いくつものメリットにあります。
■最も大きなメリットは、「開閉のしやすさ」
開き戸は開ける際に扉が手前もしくは奥へ移動するため、人も前後移動が必要です。
そのため、大きな荷物を持っている方や車椅子に乗っている方、杖をついている方にとってはその動作が負担となります。
また、小さいお子さんですとドアハンドルに手が届かなければ開閉できません。
いっぽう、引き戸は腕を左右へ移動させるだけで開閉でき、扉が手前に出てこないため、前後移動する必要はありません。
ロックのかかっていない状態であれば、ドアハンドルへ手が届かなくても、ドア本体に手を当てて開閉できます。
■開けたままにしても邪魔にならない
引越しや買い物帰りなど連続して荷物を出し入れする場合、玄関ドアを開けたままにしておきたいですよね。
また、車椅子に乗っている方やベビーカー連れの方ですと、一時的にドアを開けたままにしておかなくてはスムーズに家へ入れません。
開き戸も開けたままにしておけますが、扉が屋外側に出てくるため、場合によってはそれが邪魔で出入りしづらくなる可能性もあります。
一方、引き戸は開けたままでも扉が邪魔になりません。
■玄関スペースを広く使える
引き戸は開き戸のようにドアの開閉スペースが必要ありません。
そのため、玄関ポーチや室内の玄関土間を有効的に活用できます。
狭小住宅など玄関の室内外に広いスペースを確保できない場合にもおすすめです。
また、来客が多く一時的に靴をいくつもおかなくてはいけない場合にも、引き戸でしたら玄関が混み合う心配もありません。
■ドアの指挟み事故が少ない
小さいお子さんがドアに指を挟んでしまう事故は決して少なくありません。
最近は、昔と比べて玄関の断熱性を高めるためにドアが分厚く重くなっているため、ソフトクローズ機構が付いていたとしても、お子さんの細い指ですと大怪我になってしまう可能性があります。
いっぽう、引き戸はドア枠へ手をつくシーンが少なく扉自体も開き戸よりも軽い上に、勝手に閉まることもないため、指挟み事故のリスクを大幅に減らせます。
玄関ドアを引き戸にするデメリット
玄関ドア引き戸にはいくつものメリットがある反面、デメリットがない訳ではありません。
■断熱性・気密性・遮音性は開き戸に比べて劣る
引き戸は鴨居・敷居のレールに扉をスライドさせて開閉するため、構造上どうしても上下に隙間が必要です。
つまり、その隙間から空気や音が多少ではあるものの出入りしてしまうと言うことです。
ただし、近年は家の断熱性・気密性が重要視されていることから、引き戸も以前より密閉度が上がっています。
寒冷地では定番の「風除室」のような設計をしておけば、気密性や断熱性を向上できます。
■虫が入る可能性
玄関引き戸の上下には隙間があるため、ごく小さな虫が室内へ入ってくる可能性もゼロではありません。
また、引き戸の開けっぱなしにしても扉が邪魔にならないという利点を活かして在宅時にはドアを開けて換気したい場合も、虫への対策は欠かせません。
ただし、最近の玄関引き戸は密閉度が上がっているため、閉まっている状態でしたら、蚊や蝿などのサイズの虫は入ってこられません。
在宅時に玄関の換気をしたい方には、「通風玄関ドア」がおすすめです。
■設置には広い間口が必要
引き戸は開き戸のように前後のスペースは必要ありませんが、扉をスライドさせる左右のスペースが必要です。
そのため、玄関の間口は開き戸の場合よりも広くなくてはいけません。玄関の開き戸を引き戸に変えたい場合は、有効開口幅を確保できるか確認しましょう。
引き戸のオプション
■ソフトクローザー
引き戸を利用していて扉の開け閉めで気になる一つが、閉まる音です。
さらに音だけでなく、勢いよく閉まってしまうのでうっかり指を挟んでしまう事もあります。
これを解消するのが「ソフトクローザー」です。
ソフトクローザーとは扉を閉めると5cmほどのところでソフトクローザーが機能し、扉が閉まるのをアシストします。
ソフトクローザーが機能すると手を放していても最後まで静かにゆっくりと閉まります。
閉まる反動で隙間ができて虫の侵入やペットが逃げ出す、という心配もありません。
ソフトクローザーは購入後に取付けたいと思っても商品形状が異なるので後付けできないのでご注意ください。
■鍵
ドアを選ぶときには、防犯性にも気を配りましょう。ポイントは、侵入者が嫌がる機能を揃えておくことです。
【破られにくい「2ロック」でピッキング対策も万全】
開錠に時間がかかるカギほどドロボウから狙われにくいものです。
2ロックは、ピッキングなどによる「施錠開け」対策に効果的です。
【こじ破りに強い、上下2つの鎌付デッドボルト】
バールなどを使ったこじ破りに強い抵抗力を発揮します。
【ガラス破り対策に有効な脱着式のサムターン(室内側のツマミ)】
ボタンを押すだけで、サムターンの取り外しが可能になります。
外出時や就寝時に外しておけば、万一扉や窓ガラスに穴をあ
けられても「サムターン回し」で開けられる心配がありません。
■シリンダーの種類
【ディンプルキー】
どちらの向きで差し込んでも開けられるリバーシブルな仕様も
のがあります。
表面に多数のくぼみがついており、キーの複製が困難で、カ
ギ穴壊し対策に有効な横向きのカギ穴です。
【ウェーブキー】
カギの表側に波に似た流線型の溝を掘っているカギで、優れ
た防犯性を備えている仕様です。
砂やほこりによるトラブルを起こしにくい縦向きのカギ穴です。
■電気錠の種類
LIXIL – エントリーシステム
【CAZAS+(カザスプラス)】
カードをタッチして駅の改札を通るように、カードキーをピッとすれ
ば開錠できます。
おサイフケータイに対応する機種なら、スマホが玄関のカギに。
【Familock】
スマートフォンやリモコン、カードキー・タグキーを使用して玄関ドアの施解錠を行うシステム。
同じドアで一人ひとりが使いやすさに合わせてカギのタイプを自由にセレクトできます。
YKKap-スマートコントロールキー
【ポケットキー】
リモコンキーを持っていれば、ドアハンドルのボタンを押すだけで施解錠できます。
タグキーは近づけるだけで施解錠できるので、毎日の出入りがもっと快適に。
【顔認証キー】
両手が塞がっていても大丈夫。リモコンキーを携帯してドアの前に立つだけで施解錠できます。
■メンテナンスついて
【鍵】
玄関の鍵は、毎日数回使用するものなので、経年劣化の他に摩耗などにより故障が起きることもあり、鍵の開け閉めが容易にできなくなってしまったり、空回りすることもあったり、不便を感じて交換を検討する方もいます。
リクシルやYKKapの引き戸は、鍵の交換が可能です。メーカーと鍵の型番などを確認し交換します。
【戸車】
戸車の寿命は3~4年と言われていますので、引っ掛かってきたら交換をお勧めいたします。
戸車の交換には、今現在使っている戸車と同じものを選んでください。同時にレールのさびも点検しましょう。
玄関引き戸の選び方とタイプ別特徴
玄関引き戸にはいくつかの種類があります。それぞれ特徴が異なりますので、希望に合うタイプを選びましょう。
1.引き違い戸(2枚)
2.連動片引き戸
3.両引き込み戸
1.引き違い戸(2枚)
2枚の扉が左右へ動くタイプで、最も一般的な引き戸です。
取り付けには扉2枚分の開口幅が必要ですが、ガラスタイプにすると玄関に太陽の光を多く取り入れられます。
2.連動片引き戸
複数の扉が連動して片方へ動くタイプです。
扉の幅が小さいため、扉2枚分の間口幅を確保できない場所でも広めの出入り幅になり ます。
3.両引き込み戸
扉を左右の壁に引き込むタイプで、2枚の扉幅全てを開け放てます。
ただし、扉2枚分の開放幅の左右に、それぞれ扉1枚分の壁面が必要です。
4.引き分け戸
5.片引き戸
4.引き分け戸
扉2枚の両側にFIXパネル部分があり、中央の2枚を左右に引き分けて出入りするタイプです。
大開口でダイナミックな見た目の玄関に仕上がりますが、取り付けるには扉4枚分の開口幅が必要です。
5.片引き戸
1枚の扉を左右どちらかにスライドさせるタイプで、扉1枚分の開口幅があれば取り付けられます。
デザインのレパートリーが多い点が魅力です。
それぞれのタイプには、「欄間(らんま:上部の明かり取りパネル)」や、「袖パネル(左右の明かり取りパネル)」などのオプションがつけられるものがありますので、明るい玄関にしたい方は、ぜひ併せてご検討ください。