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【適温を保つカギは日射コントロール[暑さ・寒さ対策の基本①]】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
立冬 初候 【山茶始めて開く】
鍋はじめ
夕暮れ時の冷え込みが厳しくなる晩秋は、温かい鍋料理が恋しくなるもの。
「鍋の日」である今日は、鍋はじめにふさわしい日です。
最近は手軽な「鍋の素(もと)」がたくさんあるので、鍋料理が大好きなうちはおおいに助かっています。
毎年登場する新顔を食べるのもたのしいですよね。
チーズ鍋、トマト鍋、カレー鍋など、最初は「え??」と驚くような味でも美味しく、いつの間にか世の中に受け入れられているのが鍋料理のすごいところ。
現在、日本の鍋料理は100種を超えているとか。具材も味付けも自由自在という懐の広さがなによりの魅力です。
・今日をたのしむ
【鍋の日】
冬の到来を感じる時季にあたることから制定されました。
20?70代以上の男女を対象に行ったある調査では、「好きな鍋料理」のランキングは次のような結果になっています。
1位 寄せ鍋
2位 すき焼き
3位 しゃぶしゃぶ
定番は強し。
【保呂羽山(ほろわさん)の霜月神楽(かぐら)】
秋田県横手市に鎮座する波羽志別(はうしべつ)神社に伝わる神事。今年の収穫に感謝するとともに来年の五穀豊穣を願い、三十三番の神楽を夜を徹して奉納します。毎年11月7?8日の開催。
・季節をたのしむ
【洋梨(ラ・フランス)】
芳香な香りと、とろけるような舌触りが特徴。
ちょっと硬いようなら自宅で常温保存し、追熟させることで、より濃厚な甘味をたのしむことができます。
軸の周りにシワが寄り、耳たぶぐらいの柔らかさになったら食べごろです。
【適温を保つカギは日射コントロール[暑さ・寒さ対策の基本①]】
前回は新シリーズ[あらゆる設備は配管、配線があって機能する《2》[配管・配線の基本②]]]をお送りしました。
https://heiwadai.jp/dennkisetubi/
(青字のタイトルをタップすると記事に飛びます)をお伝えしました。
今回は【適温を保つカギは日射コントロール[暑さ・寒さ対策の基本①]】をお伝えさせていただきます。
【庇はデザインのためでなく暑さ・寒さ対策の知恵があります】
【庇がある昔からの家屋】
古(いにしえ)からの家屋は風通しを考えたうえで、深めの庇を設(しつら)えていました。
【庇のない現代のビル】
時代も移り変わり、今えは庇のないビル型の家も大分多くなってきました。
【よく耳にしますが…住まいは夏を旨とすべし】
「家のつくりやうは、夏を旨とすべし」どこかでやたら聞いたことがあるフレーズだと思います。これは吉田兼好(よしだけんこうー兼好法師)の「徒然草」(つれづれぐさ)の一節です。
続いて、「冬は、いかなるところにもすまる。暑き比(ころ)わろき住居は、堪(た)へ難(がた)き事なり」とあります。
冬は寒くても服を重ねれば何とかしのげます。でも、暑いときは衣服での調節にも限度がある。なので、家を建てるなら夏向きの家にするのが基本、というわけです。実際に、古くからの日本家屋は、そのようにつくられたと言っても過言ではないかもしれません。
暑いころの湿気を考慮して、床を高く、庇(ひさし)を深くして風通しを良くする工夫をしていたことが随所にみられます。
もちろん大半が木造ですから、床下の通気をよくすることは構造材料である木造にとっても、よいことです。そして庇を深くすることは、雨をできるだけ建物から遠ざけ地上に落とすことになるため、外壁などを保護することにも繋がります。
【「暑さ・寒さ」対策の基本は、熱の出入りをコントロールすることです。】
古(いにしえ)の住まいは、夏を旨(むね)とすべしですから、冬は当然、寒いのが当たり前でした。床下の通気がいいものですから余計にスキマ風だらけで、子どもが始終鼻を垂らしていたわけです。
ですが、これはそんなに大昔の話でもありません。15~20年前に建てられた現在でも現役の住宅ですら、床下に断熱材を入れるかどうか、壁の断熱材は10Kの厚み50mmが普通に使われていたり、の境目の時期に当たる建物だったりします。
要するに、住まいの計画において「暑さ・寒さ」が話題の中心になってきたのは最近のことなのです。
「暑さ・寒さ」対策とは、つまりは熱の出入りをコントロールし、適温を保つことに他ならないのです。住まいでは、熱を遮る「断熱材」を床・壁・天井など外気に接するところに入れて、家の中と外との熱の出入りをできるだけ少なくします。
また、壁に比べて熱の出入り口になりがちな窓も重要なポイントです。どちらかといえば、こちらのほうが重要性は高いといえるくらいです。
窓をできるだけ多くつくって明るい家にしようとすると、熱の逃げ道までたくさんつくることになるので窓の断熱に年々関心が高まる傾向にあります。
「暑さ・寒さ」対策でもうひとつ重要なことは、熱を適切にためる場所をつくることです。暖まり難く、かつ冷めにくい部分や材料が家の中にあると、室内温度の変化が和らぎます。
建物でいうと、木の部分よりコンクリートや石の部分が熱を溜める熱容量の大きなところとなります。ですが、アスファルト道路のように土よりも熱を溜めて、夏の夜に熱を放出するということもありますので、適切に使用しなければなりません。
「日射」のコントロールも忘れてはいけません。夏の暑さ、冬でも感じられる暖かさ、これらはすべて太陽の光が源(みなもと)であることは言うまでもありません。
この日射のこのトロール役をしているのが庇なのです。夏は暑い日差しを遮り、逆に冬にはその暖かさを取り込むことが、住みやすい室内環境をつくることに他ならないのです。
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【庇と日射コントロールの関係】
南側の庇は、夏でも冬でも日射コントロールに大きな役目を果たします。夏は南中高度の高い日射しを遮り、冬には暖かい日差しを部屋の奥まで取り込みます。単純なつくりではありますが、実に効率が良く有効な環境制御装置といえます。
①庇を伸ばし光線の入る範囲を変える
②夏の場合、庇が日射しをカットしてくれて、室内に入る熱(放射熱)を遮ってくれます。
③冬は床面が暖まります。
④ですから、夏と冬で、家の中に入る日射しを計算に入れ、コントロール可能な設計が望ましいと言えます。
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