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【土間のある家】利用しないのはもったいない「土間」
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
穀雨 次候 霜止んで苗出ず(しもやんでなえいず)
鯉のぼり
5月5日の端午の節句が近づき、各地の空で鯉のぼりが泳いでいます。
鯉のぼりは、戦国時代の幟(のぼり)がルーツ。江戸時代に入ると、「黄河にある急流“竜門”を昇った鯉は竜になる」にあやかろうと、子どもの立身出世を願う武士の家々が鯉のぼりを立てるようになりました。
住宅事情の変化により、大きな鯉のぼりを掲げる家庭は少なくなりましたが、たくさんの鯉のぼりをロープにつなぎ掲げる「鯉のぼり祭り」が増えています。風を受けて泳ぐ鯉のぼりの群れは爽快そのもの。色、柄、大きさなどの個性も面白く、見ているだけで元気をもらえます。
私の子どもの頃、庭に鯉のぼりを立ててもらったのですが、どうせなら東京で一番巨大な鯉のぼりということで、つくったのですが出来上がった鯉のぼりは、あまりにも重くどんな風が吹いても上がることはありませんでした。(笑)
七十二候によると穀雨の次候は、霜止んで苗出ず。霜の覆いがとれて苗がすくすくと育つころという意味を持つ、およそ四月二十五日から二十九日までの季節です。
【土間のある家】利用しないのはもったいない「土間」
家のうちと外をつなぐ“土間” 土間が再注目される理由
土間は家の中を土足で歩き回れる特異な場所。
昔の住まいによく見られた土間。土間とは、地面と同様に土足で使用する、屋根と壁に囲まれていながら、土足で歩きまわる部分のことです。
昔は石灰、にがりなどを混ぜた土をしっかり固く固めた床仕上げだったため、別名「三和土(たたき)」とも言われます。
土間は料理や洗濯など家事のいろいろな作業が行われ、土足のまま家に出入りできるため来客と気軽にコミュニケーションがとれる場所でした。
このような空間は農家だけでなく町屋(まちや)などにもあり、細長い奥行きの生活空間をつなぐ小路(こみち)としての役割も果たしていました。
靴を脱ぐ習慣をもつ日本人にとって、内と外をスムーズにつなぐ土間は、家の中にもかかわらず土足で歩ける貴重な空間だったようです。
そもそも、私たち日本人は玄関で靴を脱ぐことが当たり前だと思っていますが、世界的に見ると少数派です。日本は温帯モンスーン気候で夏に湿気が高い地域なので、家の中で快適に過ごすために靴を脱ぐというのが、その理由だと言われています。たしかに素足で気の床や畳を心地良い感触は、捨てがたいものがありますよね。
玄関の部分が広い土間になっています。土間を中心に家事のいろいろな作業が行われていました。こういった土間を「にわ」と呼ぶ地域もあり、外と内のつなぎ目と言えます。
土間は、家の活動の主動線。正面の入り口から奥へと長く延びた土間の小道によって家の機能が繋がれています。奥には裏庭があるケースがよくみられます。この土間の上を吹き抜けにして光を採り入れたたつくりもあります。
玄関土間を仲介して内と外が違和感なく繋がっています。自転車を修理することも、雨の日には洗濯物を干したりも、気兼ねなくできるし、リビングと繋がったスペースとして子どもと遊ぶのにも最適です。土間を設けることによって、さらにもっと、もっと可能性が広がります。土間を利用しない手はありませんよね。
土間は現代の生活を豊かにする多目的空間
近年、土間は住まいの新たな空間として注目されています。最近の施主(せしゅ)の希望として、自転車の組み立てや修理、本格的な料理の下ごしらえ、日曜大工、有機野菜の保管などが自由にできる多目的空間を手に入れたいという意見が多くあります。
これらの希望は、玄関の土間を広くしたり、リビングやキッチンに繋げて土間をつくることで実現できます。
玄関土間の現代の使いかたとしては…
玄関を入ると、広くて長い玄関土間があり、左には庭、見日手前にはリビングとダイニング、右奥には、キッチンが繋がる。
日本の住まいも成熟の時代です。高度成長時代の「外で働き、家ではくつろぐ」という図式から、「外でも家でも生き生き生活する」という時代になっています。
そういった生活に対応できる空間のひとつとして注目されているのが土間なのです。
一年の半分から3分の1が雨天である日本で、雨の日でも自然や風を感じながら趣味などをたのしむことで、より一層、風情豊かな時間が過ごせるに違いありません。