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生活の質を高めてくれるのは健康な住まいです。【リフォームの大切な視点6】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
処暑 末候 禾乃登る(こくものみのる)。
新米と新参
七十二候で処暑の末候は、禾乃登る(こくものみのる)。禾という字は、稲や麦、稗(ひえ)、粟(あわ)などの穀物を指します。
つまり、田んぼに稲が実るころという意味で、およそ九月二日から六日ぐらいまでの季節です。
旧暦だと今時分にあたる旧八月二日は、後の出代わりといって、奉公人の雇い期限が切れる日でした。
昔は半年ごとに入れ替わり、新たに来た者は新参、残ったものは古参と。せっかく奉公しても半年でさよならなんて、まるで昨今のような世知辛さです。
人は慣れることを熟練といいます。そして、熟練した人を熟練工とも。熟練は物づくりには欠かせませんが、慣れというリスクもあります。慣れてくると、いい加減になってくるのが人の修正でもあります。
そのようにならないために、昔の人は、半年ごとに新たな気持ちで臨めるような仕組みをつくったのかもしれません。
やはり、初心忘るるべからずは、いつの世にも通用する大切なことですね。
生活の質を高めてくれるのは健康な住まいです。【リフォームの大切な視点6】
住環境の未来
光・風・熱をコントロールした家は、安心感が生まれます。その上安心できる家は健康を生み出します。
どんな住まいが不健康な住宅といえるのか?
一般に不快に感じる住まいとして、とても暑い家、寒い家、カビや結露が発生しやすい家、日当たり、通風、換気の悪い家などが挙げられます。
とくに日本は高温多湿なので、カビや結露の発生しやすい条件が揃っています。さらに、近年は高気密・高断熱の家づくりが行われるようになり、今まで問題にならなかった換気不足によるシックハウスが引き起こされるようにもなりました。
このように住まいは、個々の工夫や対処だけでなくトータルなプランニングをしなければ、どの家でも不健康住宅になる可能性があります。
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住む人が健康になる住宅と不健康になる住宅の違い
✖住む人が不健康になる住宅
- 建築基準法など各種基準をギリギリで通過できた構造
- ライフステージの変化に対応できない
- 通風や換気状態が悪い
- 家の内外に段差だらけの危険箇所が多い
- 夏暑く冬寒い
- ランニングコスト膨大
- 部屋ごとの温度較差大
- 使い勝手が悪い動線になっている
⇒生活しても落ちつかない、
身体的、精神的
安心感のない空間に
○住む人が健康になる住宅
- 気密断熱性、通風換気性が高く、そのバランスもよい
- 室内の湿度分布が一定
- 躯体が耐久性に優れ、耐震性にも優れる
- 内装や設備の維持管理がし易い。
- 居住空間の自由度が高い
- 動線が使い勝手がよくできている。
- プラスαのスペースが存在する
⇒身体的安心感、
精神的安心感
空間的安心感が生まれる
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では、健康住宅とはどんな住宅かというと、なんといっても光・風・熱がコントロールできている家でしょう。単に採光や通風だけを目的にするのではなく、室内に光の層や空気の層をどのようにつくるのか計画されている家です。
さらに、南側の暖かい空気が北側まで届くようなしかけをしたり、昼夜に生じる温度差の対策として断熱サッシや二重サッシなどを取り入れたりします。
一般的に、健康住宅とは自然素材を使用して温熱環境をコントロールし、快適な空間をつくり出す住宅だといわれています。もちろん間違いではありませんが、もう少し健康という意味を広げて考えてみると、人間にとって本来の健康とは、
- 身体の健康
- 心の健康
- 生活の健康
- 思想の健康
- 運命の健康
の5つ。これが重ね合わさっているのが健康住宅のあるべき姿でしょう。
人は家をつくりますが、家もまた人をつくるのです。そこに住まう人の人格形成に、健康な住まいづくりは、深く関わっていくテーマでもあるのです。