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【水は『一億年』経っても腐らない!】
【ペットボトルの水に賞味期限があるなんて、水は腐るのか!】
元日の大地震から復興途上にあった能登地方が記録的な豪雨により、またも甚大な被害に見舞われました。
そのニュースやSNSへの投稿の中で気になったのが下の写真です。せっかく届いた支援物資(保存水)が「賞味期限」切れ寸前であったため、被災者の皆さんへは渡せないという判断に。やはり水は腐るのでしょうか?
絶対腐らないはずの水に賞味期限がある理由
このブログの読者である皆さんはすでにご存じのとおり、ペットボトルの「賞味期限」を過ぎても水は腐りません。
そもそも、飲んだらお腹を壊す「期限」ではない
防災用などで備蓄しているミネラルウォーターの「賞味期限」が切れたら、捨てたほうがいいのでしょうか?
もちろん、捨てる必要はありません。
理論上、ミネラルウォーターは絶対に腐らないので、どれだけ「賞味期限」を過ぎていてもお腹を壊すことはありません。
後で詳しく説明しますが、「賞味期限」が設定されているのは『計量法』があるからなんです。
この法律は適正な計量の実施を確保するために、計量の基準を定めた法律であり、容器(ボトル)に表示された内容物の「量」を対象とするもので、風味の変化や腐敗の心配を対象にしたものではないのです。
そもそも、水は「1億年」経っても腐らない
水は、たとえ1億年経っても決して腐りません。
水素と酸素が結合しただけの水は「無機質」であり、腐りません。
無機質である塩や岩や砂が腐らないのと同じです。
腐るように見えるのは、水の中の有機物が腐るためで、水が腐るわけではありません。
その証拠に、腐ったように見える花瓶の水を濾過してやれば(浄水器を通してやれば)、腐った有機物が除去されて、また飲める水を得ることができます。
水は、個体(氷)、液体(水)、気体(水蒸気)、に変化します。
地球が金星のような灼熱地獄に成らないのは、地上と成層圏を行き来する水の循環があるからです。
太 陽の熱を受け取った水は、蒸発して雲になり、その熱を宇宙に放出して雨や雪に成なり、また地上に戻って水になります。
水が腐るのであれば、地球そのものが腐ってしまい、とっくの昔に地球上の生命はすべて死滅してしまいます。
また、海の水は何処の温度も同じに成ろうとして対流を起こし、私達が住める快適な地球環境を作り出しています。
それが「海流」です。
水は地球上の全ての自然と生き物を支えています。
何十億年も昔からある水が腐らずにあるからこそ、地球は快適な環境と温度を保っているのです(現在はその快適さが壊れつつありますが)。
未 開封ならペットボトル飲料は半永久的に腐らない
ペットボトル飲料と肉や魚の缶詰の共通点を知っていますか?
答えは「未開封であれば永久に腐らない」ということです。
未開封であればペットボトル飲料は全く腐りません。
理由としてはペットボトル飲料は、①無菌の部屋で、②無菌のボトルに、③無菌の飲料を詰めて、④菌が絶対侵入できない容器に入れている、からです。
厚生労働省「清涼飲料水等の規格基準」で示されている通り、ペットボトル飲料は加熱や濾過によって雑菌が取り除かれるのです。
食べ物・飲み物が「腐る」というのは、「悪い菌が有機物を分解する(その時に毒ができる)」という現象なので、菌を完全にゼロの状態にしてしまえば、常温下では「どれだけあがいても、腐れない」のは至極当然のことです。
缶詰の場合、賞味期限を過ぎれば風味は落ちていきますが、その後の腐敗は生じません。
なぜ「腐らない」のに賞味期限があるのか
以 上のことから、「絶対に菌が入れない容器に、無菌の飲料が入っているんだから当然、腐らない」という理屈が成立します。
そうなるとここで、大きな疑問が湧いてくるはずです。
それは「腐らないのにどうして賞味期限があるのか? 一体何の期限なのか?」という疑問です。
ミネラルウォーターであれば一般的に2年、お茶やジュース類は6カ月~1年程度が賞味期限として設定されていますが、「腐らない」のであれば砂糖や塩のように賞味期限が設定されていない商品にできるはずです。
それなのになぜ賞味期限があるのかというと、「ペットボトル容器には通気性がある」と関係しています。
ま ずミネラルウォーターの賞味期限ですが、これは「穴のせいで中身の水が徐々に減る」ことを考慮して設定されています。
実は水の分子は、ボトルにあいた超極小サイズの穴よりも小さいため、非常にゆっくりですがボトルを通過してしまうのです。
そうなると、徐々に中身が減っていくことになりますが、実は量が減り過ぎると販売時に法律違反になるという事情があるため、そうなる前の日付になるように賞味期限が設定されているのです。
この法律は『計量法』というもので、例えば2リットルのペットボトルであれば1%(20ml)、500mlペットボトルであれ2%(10ml)以上減ったものを販売してはならないというものです。
なぜ水が抜けていくのか?
なぜ水蒸気がペットボトルの容器を透過してしまうのでしょうか?
図は、住宅の外壁下地に貼られる「透湿防水紙(タイベックなど)」の機能を表すイメージです。
外部からの水(雨)は防ぎながら、壁の中の湿気(水蒸気)は外部に逃がす優れモノですが、水分子(水蒸気粒子)の微細さを利用してます。
これと同じことがペットボトルで起こっているわけです。
- ペットボトル容器の表面に吸着した湿気は、水分子としてフィルム内に溶け込んでいく
- この水分子は拡散しながらペットボトル容器の中を通過して反対側の表面に達して蒸散する
- 水蒸気の透過は、高湿度(ボトル内部)から低湿度(ボトル外部)の方向へ蒸散していくというわけで、透過するのは「空気」ではなくて「水蒸気」です。
非常用10年保存水のカラクリ
ミネラルウォーターの賞味期限は「計量法違反になるかどうか」だけで設定されている期限なのです。
実際に消費者庁も以下のように回答しています。
※消費者庁食品表示企画課「食品表示基準Q&A」(総則-24)
(問)「賞味期限」とはどのような意味ですか。また、食品を購入した後、家庭等で保存中に「賞味期限」を過ぎた場合には、どのようにすればいいのですか。
(答)「賞味期限」とは、定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品
質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日のことであり、「賞味期
限」を過ぎた食品であっても、必ずしもすぐに食べられなくなるわけではありません。
また、それぞれの食品が食べられるかどうかについては、その見た目や臭い等により、
五感で個別に食べられるかどうかを消費者自身が判断し、調理法を工夫することなど
により、食品の無駄な廃棄を減らしていくことも重要です。
そ もそもミネラルウォーターは水の分子とミネラルだけで構成された(有機質を含まない)無機質の飲み物なので、腐敗や劣化をする物質が含まれていません。
したがって容器が変形したり衝撃を受けたりして破損していない限りは何年期限を過ぎようが飲むことができるのです。
もちろん、賞味期限を何年も過ぎてくると中身の水が減ってボトルがどんどん凹んでくるので、その変形によってボトルが破損して中身が外気に触れてしまうリスクがある点には注意が必要です。
これはお茶やジュースのペットボトル飲料にも言えることです。
ちなみに防災グッズとしてよく売られている5年保存や10年保存のペットボトル水は、中身が蒸発しにくいように厚みを持たせたり特殊な素材を使うことで、5年経っても10年経っても計量法に違反しない量をキープしています。
参考~賞味期限は食品・飲料メーカーが決めた「おいしさの期限」
次に、お茶やジュース類などの賞味期限ですが、こちらは「計量法」違反が気になってくるよりももっと前のタイミングで「変色したり味が落ちたりしてくる」ために賞味期限が設定されています。
先 ほど紹介したペットボトルの超極小サイズの穴は、水分子だけでなく、酸素や二酸化炭素もゆっくりと通してしまいます。
外の空気に含まれている酸素がゆっくりと中に入ってくることで、お茶やジュースは徐々に「酸化(劣化)」して味が悪くなるし、逆に炭酸飲料は炭酸(二酸化炭素)がだんだん抜けていき、最終的には「無炭酸のおいしくないジュース」ができ上がります。
ですので、そうやって「おいしくない商品」になってしまう前の日付に賞味期限が設定されているわけです。
飲料を備蓄するなら水がベスト
以 上の理由から、防災目的として飲料を長期備蓄する場合は、お茶やジュースではなく「水」がベストです。
自分が好きなジュースやお茶を防災備蓄に少し加えておくことは決して悪くありませんが、ミネラルウォーターは酸化や劣化の心配が無い上に、災害時の調理や衛生管理でも必要になりますので、ミネラルウォーターを中心に準備することをお奨めします。
ペットボトル飲料を長持ちさせるための注意点
最後に、ペットボトル飲料を保管する際に気をつけてほしいポイントを4つお伝えします。
①直射日光が当たる場所での保管はボトル素材を劣化させるので絶対にしない。
②芳香剤が置いてある部屋や、防災倉庫のガソリン缶の横で保管すると、水にニオイが移るので注意する。
③普通のボトルは凍ると破裂するため、寒冷地の方は氷点下での保管にならない場所で保管する。
④お茶やジュースは高温下では中身が劣化するスピードが上がる(まずくなるのが早い)ので、防災用で車内に保管する場合は水のボトルにする。
災害時に無くて困る物のトップはいつの時代も「水」ですが、まとめ買いすると重たいし、保管するにも場所を取る。
そして賞味期限内に飲み切れないから自宅に備蓄できていない方が非常に多いのが現状です。
でも、今回の特集で「賞味期限内に飲み切らなくても大丈夫」だと分かったはずです。
スーパーで買い物をするたびにペットボトル水を1~2本買って、クローゼットや収納棚、ベッド下などのすき間に入れていくだけでも、続けていけば自宅の防災力はどんどん上がっていきます。
アクアレイヤーの耐久性能
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