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「衣裳部屋」をつくると家がスッキリするのには重要な5つの理由があった。
W・I・C(ウォークインクローゼット)シリーズ②
このシリーズの前回【ウォークインクローゼットの効率的な収納方法】
についてお伝えさせていただきました。どちらかというと前回のお話は、このシリーズの総まとめ的な内容でした。今回を含めて2回に渡り前回のW・I・C(ウォークインクローゼット)理論に至った理由についてお伝えさせていただきたいと思います。
最近では一般の住宅で衣装部屋をつくるケースは結構増えています。それだけ衣類をまとめて収納したいというニーズは多いということですね。今回は衣類収納の悩みを吹き飛ばす服専用の収納「衣装部屋」について詳しくお話させていただきます。
普段着ている服をどこに収納していますか?
家づくりをする時、服の収納場所をどこにするかについて悩んでいる方は結構いらっしゃいます。
家事の負担は少しでも軽くしたいものですが、服の収納をいろんな場所に作れば、服を収納する時にそれだけいろんな場所に洗濯した服を持っていく必要も出てくるなど、いろいろと悩ましい部分が出てきます。
また、収納が少なければ服を詰め込みすぎて「アレはどこ?」「コレがない」というようなことも起こってしまいます。
このように、衣類の収納や管理というのは意外と手間になってしまうのですが、そんな時に役に立つのが衣類専用の収納スペースとなる「衣装部屋」です。
衣装部屋というと豪邸のようなイメージで、「普通の家でつくるのはちょっと豪華すぎるのでは…」と感じてしまいますが、実はそんなことありません。
衣装部屋って何?
家の衣装部屋とは、簡単に言うと家族全員の衣類を全部しまっておく部屋のことで、ウォークインクローゼットを衣類しか収納しない部屋にしたといった方がイメージしやすいかもしれません。
では、ウォークインクローゼットと衣装部屋の具体的な違いは何でしょうか?
衣装部屋とウォークインクローゼットの違いは、衣装部屋は服に特化した部屋というところです。
衣装部屋ではただ服をしまうだけでなく、服も衣装部屋の中で着替えられるようにスペースに余裕を持たせることが多く、鏡など服を着替えるのに必要な物も設置することがほとんどです。
さらには外出に必要なカバンや小物などを置く場所もあると衣装部屋がさらに便利になります。
衣類に関する全ての要素が詰まっている部屋、それが衣装部屋なのですね。
それでは次に、衣装部屋がある家のメリットを見てみましょう。
「衣装部屋」をつくるメリット①~着替えが楽になる
衣装部屋の一番のメリットは、衣装部屋があると着替えが楽になるという事です。
世のお父さん方は仕事から帰ってくると普通はまず着替えます。スーツや仕事着だと家で落ち着かないですよね。
家に帰ってきてからの流れとして、寝室でスーツを脱ぎ、服を着替えてからリビングでくつろぐというケースが普通です。
でも、寝室が家の2階にある場合は家に帰ってきてから一度2階に行って、そこから着替えて、さらに1階に降りてきてと、家に帰ってきてからの動線も結構長くなってしまいます。
また、お父さん方だけでなく、もちろん女性の方も着替えますし、学生さんも制服から部屋着に着替えます。
このように、服を着替えるのは日常でよくあるにも関わらず、各部屋で着替えるのが当たり前になっています。
でも服を着替える場所が、1階の使いやすい場所にあったらどうでしょうか?
2階に登り降りしなくてすむので、服を着替えるのがかなり楽になりますね。さらに衣装部屋にカバンやバッグ置き場もつくってあげると完璧です。また洗面室が近いとお化粧やお風呂に入るのも楽ちんですね。
衣装部屋を設けることで着替えが楽になり、動線をコンパクトにできるというのは衣装部屋の大きなメリットと言えます。
「衣装部屋」をつくるメリット②~洗濯物を収納するのが簡単
洗濯の動線を考えた時、洗濯物を取り込んで畳んだあと、最後に各部屋の収納に持って行く必要があります。
そこで衣装部屋があると畳んだ衣服はすべて衣装部屋に持って行くだけで全て簡単に片付ける事ができます。(間取り図の2階ランドリールームに注目)
1カ所に服が集中することで、家事の動線がすごく楽になるんですね。特に家族が多い場合、衣装部屋はとても重宝します。
洗濯物をバルコニーで干す場合は、バルコニーの近くや階段の近くに衣装部屋を配置することで洗濯動線を短くすることができますし、室内干しや庭で洗濯物を干すのがメインの場合は室内干しスペースの近くに衣装部屋があると家事を楽チンにすることができます。
せっかく衣装部屋を設けるなら、洗濯の動線も考慮した上で衣装部屋を配置したいですね。
「衣装部屋」をつくるメリット③~服の貸し借りが簡単
これは特に女性の場合に多いのですが、衣装部屋があることで服の貸し借りがしやすくなるというメリットもあります。
たとえば姉妹がいれば服の貸し借りはよくしますよね。
さらには、親御さんと娘さんの間でも服の貸し借りをしているのもよく見かけます。
最近では親子の関係が友達感覚に近くなったこともあり、服をシェアするのが普通になっているのですね。
また、時代も物をシェアすることが当たり前のようになってきています。
カーシェアリングやシェアハウスが普通になってきたように、家の中でも衣装部屋を設けることでシェアすることがよりスムーズにできるようになるわけですね。
「衣装部屋」をつくるメリット④~服の量が管理できる
あなたは家の中にどれくらいの量の衣類があるかと聞かれた時、頭の中にパッと浮かびますか?
各部屋に服を収納していると具体的にどれくらいの量の衣類があるかというのは中々把握しづらいですよね。
その結果、収納量をコントロールできずに収納が溢れてしまうというケースもあります。
そのいっぽう、衣装部屋がある場合は衣装部屋の中を見れば、家の中にどれだけ服があるのかを一目で把握する事ができます。
衣装部屋ひとつで家全体の衣類の量を管理できるようになるのです。その結果、限りがある家の収納をより有効活用できるようになります。
「衣装部屋」をつくるメリット⑤~自分だけの「セレクトショップ」でワクワクする
管理できずにモノがあふれるクローゼットは、ストレスの原因になります。
いっぽう、しっかり管理できるようになると、自分のセンスを表現するスペースへと逆転させることができます。
(衣装部屋設計のコツや整理の方法については次号以降で詳しく解説します)
家の中に自分のためだけの「セレクトショップ」が出現するわけです。
こうなると友達に見てもらいたくなるし、ますます洗練した服やグッヅだけに持ち物を絞りたくなりますね。
整理整頓の意欲が増し、ワクワク楽しい暮らしを演出してくれる装置になるわけです。
さて、少し余談になりますが、今までで面白い収納をされていると思った方の服の管理方法をここでご紹介したいと思います。
その方は、服を1軍、2軍、3軍と分けていました。
良く着る服を1軍、良く着るけど衣替えで今の季節は着ない服を2軍。めったに着ない服を3軍という風に分けていきます。
そして、3軍になって1年間に1度も着なかった服は捨てるか譲るなどして衣装部屋から無くしていきます。
そうすることで、必要な服、必要でない服の管理を行っているのですね。
服は引越しなどのイベントが無い限り、あまり捨てる事はありません。
新築の家を建てたあとは引越しなどそうそう無いので、放っておくと着ない服がどんどん溜まってしまいます。
そして、いつの間にか収納が足らなくなり…。これは家を建ててからしばらくすると聞こえてくる話です。
そうならないよう、仕組みをつくって服を管理しているのですね。
自分の服だけでなく、家族の服も同じです。
そのため、その方の家の衣装部屋はスッキリとしていて、とても明るい空間になっています。
また、衣装部屋は家族全員がよく使う部屋になるので、ウォークインクローゼットのようにとりあえず入れっ放しにしておくという事がとても少ないという特徴もあります。
何でもかんでも物を詰め込んでしまうと服を着替えることができなくなってしまうため、いらない物は衣装部屋に置きづらいわけですね。
衣装部屋と決めたら、ついつい他の収納スペースと同じように物を入れてしまうのでなく、「衣類に特化してしまう」のが衣装部屋を活用するポイントになります。
衣装部屋のデメリット
ここまで衣装部屋のメリットを見てきました。
では次に衣装部屋をつくる時のデメリットを見てみましょう。
それは衣装部屋という名前にあるように、ひとつの部屋なので、ある程度の家のボリュームが必要になってしまうということです。
特に1階に衣装部屋を作った場合、1階にLDKや水まわりなど比較的広いスペースが必要なものが集まった上にもう1部屋つくることになるので、1階がかなり大きくなる可能性がとても高くなります。
そのため、土地の面積もある程度の大きさが必要になってきますし、家全体のバランスも上手く見る必要があるのですね。
衣装部屋をつくって生活がしにくくなってしまっては、本末転倒となってしまいます。
このように、衣装部屋をつくるには土地や家の大きさの影響を受けるので、予算や間取りのトータルバランスをしっかり把握することが重要です。
また、衣装部屋を作る場合は服を収納するだけでなく着替えも衣装部屋の中で行いたいので、衣装部屋にはある程度の広さが求められるようになります。
そのため、衣装部屋にするなら最低でも3帖ほどのスペースは必要になってきます。
さらには衣装部屋で着替えもするなら姿をチェックできるよう鏡も欲しいですよね。
壁一面を収納にするのではなく、一部は鏡を作りつけで設置したり、後で鏡を置けるようにしておくなど、どのように衣装部屋を使うかというのも家の設計段階でしっかり決めておきたいポイントと言えます。
まとめ
今回は衣装部屋について見てきました。衣類専用の衣装部屋があると、やはり片付いた家になることが多いです。実際に衣装部屋を作った人は、「衣装部屋があって良かった」「衣装部屋が無い生活が考えられない」という方がほとんどです。
いっぽう、衣装部屋のデメリットとしては、どの家でも衣装部屋はつくれる訳ではないという所です。
要望次第で衣装部屋を取るスペースがないことや、要望次第で衣装部屋との相性が悪くなってしまうケースもあるので、要望を伝える時に衣装部屋が取れそうかどうか事前に相談してみるのもいいですね。
衣装部屋は生活する上で、とても便利なものです。
家の間取りをつくる時、衣装部屋を一度検討してみましょう。