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[地震対策は人の命をどう助けるか?「温故知新」9]

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今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。

立夏 末候 竹笋生ず(たけのこしょうず)

うちわまき

今日、令和4年5月19日は、奈良時代に鑑真(がんじん)によって建立された唐招提寺(奈良県)では、たくさんのうちわがまかれるんです。

「唐招提寺中興の祖」とたたえられる覚盛(かくじょう)の命日に行う「うちわまき」でのひとコマです。

鎌倉時代の高僧・覚盛(かくじょう)は戒律を遵守することで、衰退していた同寺を復興しました。

彼は蚊を殺そうとした弟子に対して、「自分の血を与えるのも仏の道」と諭したそうです。

せめてその風で蚊を追いやってほしいと覚盛に供えられたうちわは、法会(ほうえ後、参拝者にまかれます。

ハート型のうちわは厄除けや病除け縁起物です。

・今日一日を愉しむなら…
【うちわまき】

先ほど、文字化けしてしまった「うちわまき」のことですが…

うちわまきに先駆けて、唐招提寺の講堂では覚盛を偲(しの)ぶ中興忌梵網絵(ちゅうこうきぼんあみえ)が営まれます。

授与されるうちわは1500本。そのうち数百本は安全を祈願して手渡しされます。

【小諸・山頭火(さんとうか)の日】

「分け入っても、分け入っても青い山」「まっすぐな道で寂しい」といった自由律俳句で知られる種田山頭火が、1936(昭和11)年の今日、長野県小諸市に投宿したことを記念して制定されました。

[地震対策は人の命をどう助けるか?「温故知新」9]

たびたび、大きな地震が起こる日本は、地震国と言えます。これは今に始まったことではありません。それどころか、長い歴史を振り返って、世界広しと言えどもこれほどの地震災害と付き合ってきた国は、ほとんどないといっていいかもしれません。

昔の家は地震の力によって家を曲げながら維持するという、いわゆる「免震構造」でした。「倒壊しなければ、人命は損なわれない…命さえあれば、家が傾いても、なんとかやり直せる」という観点から、傾いても倒れない家がつくられてきました。

風土に照らし合わせ、対応した素晴らしい考え方だと思います。「曲がったら起こせばいい」というのはなんとも大胆で楽天的ではありますが、ひいては大変合理的な考え方でもあります。

一方、今の木造住宅は柱と梁と筋交い、壁で支え合って、曲がらないようにする耐震構造が法律で定められています。地震の際、昔の家が20分の1のゆがみまで許容するのに対して、今の家は120分の1までしか歪むことが許されないのです。

これまでの地震データから研究を重ねてできた厳しい基準です。ですから、私たちも安心して家を建てられるのかもしれませんが、必ずしも数値上だけ強くても、必ずしも地震に耐えられるかどうかは怪しい現象が起こっているのも事実です。

半年ほど以前にも、このシリーズで【昔の家】について触れましたが、今回はお浚(さら)いも含めて地震対策中心のお話をしてみたいと思います。

【昔の家と今の家との違い】

現代の家は地震でも傾かない耐震構造となっていますが…といか、建築基準法で最低限決められた耐震構造としなければ建築することは原則として許されません。

では昔の家は耐震構造ではなかったのでしょうか?ちょっとした地震が来ただけでも、倒壊していたのでしょうか。そんなことはありません。昔の家は地震の力をいなす免震構造を地震対策として採用していました。

地震がくれば、揺れますがもどる力を利用して地震を和らげるのです。免震構造で、傾いてももとに戻り、倒れない工法だったのです。

【今の家】

【昔の家から見習うべきこと】

家族が集まる土間空間は、現代の家から消えてしまいましたが…。さまざまなことができて、現代の家造りにでも、工夫をすれば大変面白い空間に十分成り得ます。

温故知新、復活させたい住宅空間のひとつです。

なぜならば、私たちは2LDK、3LDKなどと部屋数にとらわれがちですが、これからの住まいは、個室にこだわらない開放的な間取りも考えたいものです。

その他にも、土壁などの自然素材を使った家づくりや、室内の熱を排出するハイサイドライト(越し屋根)の文化などは見習いたいどころか、亡くしてしまってはならないものだと思っています。

構造  ※2軸力系(このあとに詳しく説明)

断熱  あり

屋根  瓦、金属系などさまざま

間取り 部屋ごとに用途を限定

収納 部屋ごとに収納を設ける

キッチン 床上

トイレ  家の中

【曲げ系と※1軸力系建築構造】

[昔の家は曲げ系構造]

伝統工法(民家型工法)は、筋交いのない「曲げ系」と呼ばれる構造です。地震の際には、力を受け流して維持するという理論で、20分の1の歪みまで許容範囲です。

家が倒壊しなければ、人命は助かるという考え方で一種の免震構造ともいえます。実際に地震で家が傾いてしまった場合は、ロープなどを掛け建物を垂直状態に起こして直します。

今の家は※2軸力系

一方、現代の木造住宅は「軸力系」の軸組在来工法でつくられています。これは、柱、梁、筋交いという3つの軸をしっかりと固定し、家を歪めないようにする構法となります。歪みの角度を120分の1以上にならないように施工します。

ただし、建築基準法では、耐震力は基本的に耐力壁の数や配置で計算されています。

【曲げ系(昔の家)
  • ・伝統構法(古民家型構法)
  • ・制震工法(柔(じゅう)構造)
  • ・地震の際、1/20の歪みまで許容範囲
  • ・地震で曲げながら人命は助ける
  • ・歪んでも建物を起こして直す
【軸力系(今の家)】
  • ・軸組在来工法
  • ・耐震構造(剛(ごう)構造)
  • ・地震の際、歪みの許容最大値は1/120まで
  • ・歪まないよう基礎と梁、柱をホールダウン金物等で緊結

【柱、土台、基礎、三位一体の関係】

[基礎も耐震構造の重要な要素なのです]

【古(いにしえ)の基礎】

古の家の基礎は、石の上に土台桁(どだいけた)をのせただけのものです。(実際には、まったく違っていて、土台石の頭の形状を観ながら土台から柱に揺れが伝わる方向をコントロールしながら施行されていたのです。

バランスよく地震の波動がどちらから来ても一方向にならないよう、分散させています。これぞ免震ですね。当時の職人の受け継ぐ力とは見習うべきものだらけです。

土台石の上に直接柱を載せ、上に土台をかける場合もあります。地震の際は、柱や土台桁に伝わったそれぞれ別の方向に働いた力が相殺され、また石と建物本体がずれることで、免震性能が働きます。

ずれたり、土台石と柱、土台桁がはずれてしまった場合は、元の位置に戻せばいいという考え方だったのだと思います。

【今の基礎】

軸組在来工法の「軸力系」では、土台の下をコンクリートでぐるりと囲む「布基礎(ぬのぎそ)」を敷きます。さらに基礎と土台、柱をアンカーボルトで固定します。動かない支点を作ることで地震に対処する考え方です。

また、前面にコンクリートを敷いたベタ基礎も布基礎の一種です。(下記ベタ基礎の断面図には基礎と土台、柱を緊結(きんけつ)するアンカーボルトは表現されていませんが、こちらもかなりの数のアンカーボルト(ホールダウン金物)を使用する必要があります。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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