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「階段は降りる際、一段手前で頭上2.1m必要【階段CASE 1】」(必要空間)
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
雨水(うすい)初候 土脈潤い起こる(どみゃくうるおいおこる)
歌舞伎の日
今日は歌舞伎の日です。
時は1607(慶長12)年二月二十日、場所は江戸城。
将軍・徳川家康と諸国の大名の前で、出雲(いずも)の阿国(おくに)が「歌舞伎踊(かぶきおどり)」を披露したとされています。
歌舞伎踊りは当時、爆発的な人気を誇った芸能で、その名からも分かるように歌舞伎のルーツ。これにちなみ、今日は歌舞伎の日です。
出雲阿国は出雲大社(島根県)の巫女(みこ)であり、社殿の改修費を稼ぐため、京都で歌舞伎踊の興行を行なったとされています。
その人気から将軍謁見の名誉にも預かったとされていますが、やがて踊りとともに行っていた官能的なサービスが大問題に。
その後、江戸幕府によって歌舞伎役者は男性に限定されることになりました。
男性が女性を演じる「女形(おやま)」という独自の役柄が生まれたのはこのためで、現代まで受け継がれています。
・今日をたのしむ
【歌舞伎用語】
今日は歌舞伎の日だとお話しましたよね。その歌舞伎から【歌舞伎用語】って生まれていて、現在も主力言語として生きているんですよ。
普段何気なく使っている言葉のなかには、歌舞伎由来のものがたくさんあります。
「二枚目」は、芝居小屋に掲げられる名入り看板二枚目に、色事を担当する役者が配されたことから色男の意味になりました。
「三枚目」はおどけ役の定位置でした。今でいう、コメディアンのことですね。
【役者色】
江戸時代の歌舞伎役者はスーパースター、かつファッションリーダー。彼らが好んだ色は瞬く間に流行したそうです。
「団十郎茶」「芝翫茶(しかんちゃ)」など、名優を冠する色は現代にも伝わっています。
「階段は降りる際、一段手前で頭上2.1m必要【階段CASE 1】」(必要空間)
【① 平面寸法の算出方法】
- 階段に必要な平面寸法の算出には、階高、階段の形状、踊り場の有無、蹴上と踏面の寸法が関係します。
- 階高3.0m、1階天井高さ2.5m、U型階段で、蹴上200mm、踏面220mmの場合に必要な平面寸法を検討します(下図参照)。段板は3.0m/0.2m-1で14段必要になります。踊り場を4分割して残り10段を左右に5段ずつ配置し、踊り場を1.0mとします。そうすると、奥行2.1m(=1.0+0.22×5)幅2.0m(=1.0×2)の空間が必要ということが分かります。
- I型階段に踊り場を設ける場合、建築基準法上、その踏み幅は【1.2m】以上必要となります。階高が【4m】を超える階段には踊り場の設置義務がありますので注意しなければなりません。
- 昇降口(しょうこうぐち)には階段と接続するホール(廊下)として、【1.0×1.0以上】のスペースが必要となります。危険防止の観点から、そのスペースに開く扉は設けないことをお奨めしています。※参照※
【②断面寸法の考え方】
- 階段を昇降する際に、頭上(1階天井)を気にせずに使える断面寸法を理解しておかなければなりません。不思議と昇る際には気にならなくても、降りる際は一段上の姿勢で足(身体)を前に運ぶため、天井線が目線に入り危なく感じる場合があります。例えば、段板の直上で天井が1.8mの場合、一段上では1.6mとなり、頭を打つか、通るたびに無意識に頭を下げてしまいます【段板直上で2.0m以上(実際には2.1m以上にすることを推奨)を確保しなければなりません。
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【必要断面寸法の例(15段、踏み面220mmの場合】
【U階段】
奥行きがコンパクト。中間に踊り場があるので転落による大怪我のリスクも低い。階段下の空間は高さが低いので収納に利用することをお奨めします。
【I型階段】
曲がりがないので安全に使用できるが、ただし、転落した場合、途中で止まることは困難なため、転落リスクは非常に高い。但し、省スペースプランには対応しやすい。
【J型階段】
踊り場を分割する場合は平坦部分の上で分割すると安全でいいと思います。階段下の空間はトイレとしても利用可能です。
【必要断面寸法の例】
段板直上の有効寸法で【2.0m】(可能であれば2.1m以上推奨)以上確保すること。ハッチング部分に天井があると、降りる際に天井線が目線に入りたとえ当たらなくても結構不快に感じてしまいます。