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[階段]多彩な起用法【天井高⑩】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
立夏 次候 蚯蚓出ずる(みみずいずる)
卯の花腐(くさ)し
野山のなかで白い花びらがひときわ目を引くウツギが花をつける頃です。ウツギの別名は「卯の花」。
旧暦4月の異称である「卯月(うづき)」は、この花の名から取っています。
ウツギが咲く時季に降る長雨は「卯の花腐し」と呼びます。
卯の花は農作物の豊凶を占う花で、ほがらかに咲き続ける年は豊作、降りつづく雨で早く散ってしまう年は凶作になると考えられていました。
「卯の花腐し」には、せっかくの花が腐って散り、凶作になるのではないか、という先人の憂いが込められているのでしょうね。
・今日をたのしむ
【卯の花】
豆腐や豆乳をつくる際にできるおからの別名も「卯の花」。小さな白い花が集まる様子が似ていることから、この名前がついたといわれています。
【風日の祈祭(かざひのみさい)】
伊勢神宮(三重県)内の風日祈宮(かざひのみのみや)は、風の神さまをお祀(まつ)りするお宮です。
今日は、農作物が育つこれからの季節に風雨の災害が起きないように祈る「風日祈祭(かざひのみさい)」を執り行います。
・季節を愉しむ
【天日干しー初夏の手仕事】
カラッと晴れた日に、天日干(てんぴぼ)しをお奨めします。野菜を干物にすると甘みや旨味がギュッと濃縮されてことのほか美味しくなります。
[野菜の天日干し]
- ①生姜や人参、大根などの野菜を薄切りにしてざるに並べます。
- ②朝十時ごろに風通しの良い場所に置き、三時ごろにひきあげます。
- ③しんなりとしたらできあがり。ポリ袋に入れて冷蔵庫に保存します。
- ④炒め物や煮物など生野菜と同じように使えます。
《オーブンで》
100度の低温で20分から30分ほど加熱します。りんごやトマト、イチゴやオレンジなど水分の多い果物を半乾燥するのに向いています。
[階段]多彩な起用法【天井高⑩】
前回は、[吹抜け・段差]段差をつくるなら、こんなところ【天井高⑨】
をお伝えしました。(前回の青字のタイトルにリンクを張っておきましたので、良かったらタップしてお読みください。
今回は、[階段]多彩な起用法【天井高⑩】を、お伝えします。
それでは、よろしいでしょうか?!
【階段の多彩な起用法】
野球でいえば内野も外野も守れる選手、サッカーでいえばMF(ミッドフィルダー)もDF(ディフェンダー)もできる選手。(だだし、メジャーリーグの大谷は、また別格)そのような万能型の選手をユーティリティプレーヤーと呼びますが、家というか間取りの世界で同様の活躍を見せてくれるのが階段なのです。
ただ、その能力を存分に発揮させている建築家や設計者は少ないのが実情なのです。階段の起用法について、あらためて考えてみたいと思います。
廊下をできるだけ短くするために、階段はなるべく中央付近に設ける…、という話はすでにしてあります。これは階段の「移動」に関する起用法です。階段はこれ以外にも、「収納」という能力を持っているのです。
デッドスペースになりがちな階段下を、収納やトイレに利用するのです。これも以前お話させていただきましたが、さらにさらに、本来、上下移動を目的に設ける階段を、「移動のために使わない」という使い方もあるのです。
では、何に使うのか?
あなたも、階段のポテンシャルを存分に引き出す方法を考えてみて下さい。
【階段の「身体測定」】
①[階段が欲しがるスペース]
3尺角(910mm)を1コマとすると、階段は形状別に3~4コマの面積を必要(平面上)とします。最も省スペースなのは3コマの直進階段ですが、間取りを考えるうえで比較的ラクに納まるのは4コマの廻り階段です。
②[踏み面(フミヅラ)・蹴上(ケア)げ・段数の適正値]
踏み面(T)と蹴上げ(R)の寸法は、適正な範囲内に収めておかないと昇降しにくい階段になります。私、個人的には、踏み面220~240mm×蹴上げ200~210mmの階段が小規模な住宅ではお奨めだと思います。
550≦T+2R≦650且つ勾配45°以下
蹴込み
③[蹴込みの有る・無し]
階段上がり降り時の安全性を考えれば、踏み面は小さいより大き方が良いに決まってます。ところが、高齢者や、小児にとっては、、踏み面を大きくすることが原因で蹴込みができてしまうと、、蹴込みに爪先(つまさき)を引っ掛けやすくなります。
居住者の構成次第では、「蹴込み無し」という選択も考えられます。
④[廻り階段(段)にはたくさん危険が犇(ひし)めいています
矩折(かねお)れ階段の「廻り段」部分は、降りるときに転びやすいので私個人的にはお奨めしかねます。とくに90°を3分割するような廻り段は高齢者や小児の大敵。なるべくつくらないことをお奨めします。