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快眠リフォームで快適な寝室に![収納の学び舎【第9回】
【人生の3分の1を過ごす寝室~いい眠りで、スッキリと目覚めたい】
「わが家の寝室をもっと快適にして、上質な眠りと爽快な目覚めが欲しい」・・・このようなご要望が団塊世代の方や高齢者の方を中心に増えています。収納リフォームなどですっきり片づくお部屋にした後は、暮らしのレベルアップに目を向けましょう。
まずは、人生の3分の1を過ごす寝室から。もちろんテーマは「快適な眠り」と「すっきりした目覚めです」
10年以上前の話ですが花王が、首都圏在住の女性450人を対象に睡眠満足度調査を実施しました。自分の睡眠に満足と答えたのは43%、不満と答えたのは過半数を超える57%でした。
しかし満足と答えた人も含めて「不満要因はありませんか?」と訪ねると、「全く不満要因がない」と答えたのは、わずかに13.8%、残る86.2%は何らかの不満要素を持っているという結果でした。
興味深いのは、その不満要因(複数回答)の内容です。
最も多かったのが「起きた時の熟睡感なし」、次に「早朝から目が覚める」、「夜中に何度も目が覚める」、「なかなか寝つけない」と続いています。
日本人の平均睡眠時間は確かに年々減少傾向にあります。NHKが行った国民生活時間調査の結果では日本人の平均睡眠時間は7時間23分だそうです。
30~40代の働き盛りの年代層がもっとも睡眠時間が短い結果となっており、約4人に1人が「自分は睡眠不足である」と感じているといいます。
ですが睡眠時間が6~7時間という数字は、極端に少ないものではありません。つまり、睡眠の満足度とは単に睡眠時間の多い少ないではなく、その質が重要なのです。
【なぜ人は眠らなければならないのか】
睡眠は身体の休息はもちろん、脳が休息するための大切な時間です。身体の疲れは横になって身体を休めるだけでもある程度回復できますが、意識や知能、記憶など知的活動を行う大脳は起きている限り休息することは不可能です。
睡眠は脳を深く眠らせて、精神的な疲労を回復する大切な営みなのです。また、昔から「寝る子は育つ」といいますが、脳が深い眠りに入ると成長ホルモンが分泌されることもわかっています。
この成長ホルモンは細胞の新陳代謝を促して、皮膚や筋肉、骨などを成長させたり、日中の活動で傷ついた筋肉や内臓などを効率よく修復する働きがあります。
いってみれば、睡眠は身体と脳の再生工場のようなもの。私たちは、心と身体の健康を保つために眠る必要があるのです。
さて、眠りの質の良し悪しは、睡眠時間の長短ではありません。良い睡眠には、3つの条件があります。
「すぐに眠れる」、「ぐっすり眠れる」、「スッキリ目覚める」 この3つの条件が揃ったときです。睡眠時間の短い人や、就寝時間の遅い人でも、実際には3つの条件が揃っていれば、それは良い睡眠と言うことができます。
【睡眠の質は寝室環境で改善できるってホント?】
睡眠に影響する要因は、「人に関する要素」(ストレスや加齢など)と、「寝室環境の要素」(温熱環境、寝具など)の2つに大別できます。このうち、私ども大東建設がお手伝いできるのは後者の寝室環境です。
中でも、睡眠と覚醒の場となる寝室の環境づくりに大切なのが、(1)音、(2)光、(3)空気質、(4)室温と湿度、(5)寝具、(6)香り、(7)インテリアカラーなど、寝室環境の要素を整えることです。
まず、寝室環境の要素の中で特に睡眠と関わっているのが「光(照明)」です。眠気に関わっているのが、脳内のメラトニンというホルモンです。日中に光(太陽光)を浴びるとメラトニンの量が増加します。
このメラトニンが夜になって暗くなると分泌して、眠気を感じるようになります。ところが、就寝前に明るい(高照度)照明の中で過ごすと、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。
快適な睡眠には、寝る前の光(照明)選びも大切です。また、夜間のトイレが明るすぎて目が覚めてしまったら、せっかくの睡眠環境も台無しです。トイレ後も再入眠しやすくするためには、トイレや廊下などの照度なども気をつけたい部分です。
トイレは10~20 lx程度、廊下は1~10 lx程度にすると良いでしょう。ただし、高齢者の場合、安全確保のために、足元を明るく誘導する足元灯などを活用して安全を確保すると良いかもしれません。
次に、快適な睡眠環境を妨げる要素のひとつが音(騒音)です。遮音性の高い床や壁、防音ドアなどの騒音対策は欠かせません。特に高齢になるほど睡眠が浅くなるため、少しの騒音でも影響を受けやすくなります。
寝室の騒音レベルは、
若年層は40dB以下、 高齢者は30dB以下
にすると良いでしょう。
最後に、温熱環境も重要です。特に冬場におだやかな環境をつくれる床暖房がおすすめです。
【睡眠ビジネスにご用心】
睡眠満足度調査の結果を反映するように、睡眠ビジネスは全盛を迎えています。睡眠薬、サプリメント、健康食品、寝具、枕、音楽、香り、ハーブティー。なかには怪しげな効果をうたう本道をそれたものも少なからず見受けられます。
本当に効果的なものにお金を使わないと、悪徳業者に大切なお金を吸い取られてしまうことにもなりかねません。
一昨年の4月にエスエス製薬が販売開始した「ドリエル」は、医師の処方箋無しで購入できる国内初の睡眠改善薬です。製薬業界では驚異的なヒットを記録しています。
風邪薬や抗アレルギー薬の成分中の、眠くなる成分だけを取り出す睡眠改善薬に、副作用の面から肯定しない専門医も少なくありません。
できれば、このような薬に頼ることなく、わが家の寝室環境を改善する「快眠リフォーム」によって解決したいものです。
収納のストレスを解消したあとは、「すっきり爽快な目覚め」を手にしませんか。
【不眠度診断チェック!】
不眠は現代人にとって深刻な悩みですが、実は、不眠症の疑いのある人のなかには、自覚のないケースも多いのだそうです。
「そういえばなんとなくいつも寝不足な気がする」、とか、「確かに目覚めがすっきりしていない気がする」、といった症状のある方は(ない方も)、ぜひこちらでチェックをしてみましょう。
このテストは「アテネ不眠尺度」といい、世界保健機関(WHO)が中心になって設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」作成の、世界共通の不眠症判定法です。8つの質問に対する回答を点数化して、客観的に不眠度を測定できるとされています。
※過去1ヶ月以内に、少なくとも週3回以上経験したものをチェックしてください。
Q1 あなたの寝つき(布団に入ってから眠るまでに必要な時間)はどうですか?
【0点】 いつも寝つきはよい。
【1点】 いつもより少し時間がかかった。
【2点】 いつもより少し時間がかかった。
【3点】 いつもよりかなり時間がかかったか、全
く眠れなかった。
Q2 睡眠中に目が覚め、困ったことはありますか?
【0点】 問題になるほどではなかった。
【1点】 少し困ることがあった。
【2点】 かなり困っている。
【3点】 深刻な状態か、全く眠れなかった。
Q3 起きたい時間より早く目覚め、それ以上眠れなくなることは?
【0点】 そのようなことはなかった。
【1点】 少し早かった。
【2点】 かなり早かった。
【3点】 非常に早かったか、全く眠れなかった。
Q4 あなたの総睡眠時間は?
【0点】 十分である。
【1点】 少し足りない。
【2点】 かなり足りない。
【3点】 全く足りないか、全く眠れなかった。
Q5 全体的な睡眠の”質”はどうですか?
【0点】 満足している。
【1点】 少し不満。
【2点】 かなり不満。
【3点】 非常に不満か、全く眠れなかった。
Q6 日中の気分はいかがですか?
【0点】 いつも通り。
【1点】 少しめいった。
【2点】 かなりめいった。
【3点】 非常にめいった。
Q7 日中の身体的・精神的な活動はどうですか?
【0点】 いつも通り。
【1点】 少し低下。
【2点】 かなり低下。
【3点】 非常に低下。
Q8 日中の眠気はありますか?
【0点】 全くない。
【1点】 少しある。
【2点】 かなりある。
【3点】 激しい。
■診断~数字を合計し、以下の項目をチェック!
【レベル1】1~3点 睡眠障害の心配はありません!
【レベル2】4~5点 不眠症の疑いが少しあります。
【レベル3】6点以上 不眠症の疑いあり。医師に相談
しましょう。
[収納の学び舎【第9回】]
寝室には寝具のほかに、趣味の物、衣類、化粧品など身近にしまっておきたい物がたくさんあります。モノが溢れると快適な眠りを妨げるストレスの原因になってしまいます。効率的な収納の工夫が必要です。
衣類の収納に威力を発揮するのが、主寝室と一体となったウォークインクローゼット。5.1mのハンガーパイプの長さを確保すれば、夫婦二人分の吊るす衣類が収納できます。
ベッドでも、必要な季節外の布団を収納できる棚を設けておくと、寝具の入れ替えに便利ですね。寝室と、クローゼット、フィッティングルームとが一つになった空間にリフォームして、ストレスのない生活と、ぐっすり眠れる空間をつくりことをお奨めします。