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趣味空間 オレの隠れ家ならぬ、家全体が趣味空間[暮し向き12]

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今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。

夏至 初候 乃東枯る(なつくさかれる)

櫨(はぜ)の和ろうそく

電気を消して、ろうそくの火を灯そう、というキャンドルナイトを楽しむ習慣が近年広まっています。

なかでも和ろうそくといって日本古来のろうそくは、植物素材100%の天然の火。

とりわけ櫨(はぜ)の木のみからつくった和ろうそくがもっともよいとされます。

櫨(はぜ)のろうそくの柔らかな炎を見つめていると、人間に必要なものが何かを問われる思いがします。

原子力の火はいりません。

そして、今日は沖縄の慰霊の日です。かつての悲しい地上戦の記憶を胸に、平和への祈りを捧げる日です。

趣味空間 オレの隠れ家ならぬ、家全体が趣味空間[暮し向き12]

【家全体が趣味スペース】

男の隠れ家的な書斎に憧れるというご主人がなんと多いことか?!
それまでは、家族みんなオープンに仲良く!それを我が家のモットーにしようと言っていたのに…

自分だけ隠れ家にこもりたいなんて、いうのは…お父さん、それってズルいと思いませんか??もっと言ってしまうと、もしも家族それぞれに趣味の空間があったら、最後は、それぞれ引きこもりになってしまい、最後にはまったく家族の会話がなくなってしまうような気がしませんか??

なので、自分は趣味空間は個室ではなくオープンな空間もいいのではないかと考えています。

この趣味空間に最も適しているのが、玄関が土間になっている「土間のある家」なんです。この「土間のある家」のヒントになっているのは、古(いにしえ)の農家にあった「土間」。川崎市向ヶ丘遊園にある古民家園の移築された建物で観ることができます。

この「土間空間」は作業場であり、家族の交流の場ですから、個人が孤立することはありません。家族全員は家全体で遊ぶべきだと私の思っています。

なので、あえて趣味のための個室はつくるべきではないと考えています。

【なるべく個室は避ける】

[趣味空間はなるべくオープンにする。]

[趣味机を玄関土間に置く]

 

ご主人の趣味が釣りなので、その趣味空間がほしいということで、玄関土間にワークスペースをつくることにしました。ここで釣り竿をつくったり、改造したりと楽しめるように工夫を凝らしています。

[ドッグスペース]
水遊びや犬を洗うための専用スペースがあります。また、走って遊べるように玄関からドッグプール、デッキテラスをぐるりとつないで回遊動線をつくりました。

【趣味空間として防音室をつくる】

[音楽が趣味の場合、防音室を設計施工する場合もあります。]

[断熱と同じで、壁は厚く窓は小さめに]

防音は断熱の考え方とほぼ一緒です。基本的にはプラスターボードや遮音シートなどを何重にも重ねて壁を厚くします。また、窓からも音が漏れますので、極力小さくしたり、二重サッシにするのも効果的です。

窓からも音が漏れると言いましたが、窓からの音漏れを最小限にすることで、効果を発揮させることができます。部屋全体の防音工事は高額リフォーム費用がかかります。

実際、ピアノ教室で窓サッシを3箇所内窓インナーサッシにしただけで、隣のマンションから苦情がなくたったという感謝の言葉も頂いています。お客様が防音工事で見積もりしてもらったリフォーム費用の20分の1弱の工事代金で収まりました。

【プライバシーについて】

開放的でオープンな間取りを提案すると必ずと言っていいほど、反論が起こります。当然といえば、当然のことなのですが…

開放的でオープンな間取りは、気持ちいいけれど、プライバシーはどうやって守ればいいのですか?といった問い合わせが圧倒的に多いと思います。

家族が仲良く暮らしていくために、プライバシーのことを考えてみましょう。

部屋という単位をできるだけつくらない、1LDK…ワンルームに近い間取り。私の考える家は部屋というのはあまりなくて、襖や障子といった建具などで仕切れば、“ふたつになる”という間取りが多いような気がします。

そんな家では必然的にプライバシーを守りつつ暮らすことが1つのテーマとなってきます。
プライバシーの問題は、大きく分けてふたつあって、ひとつは目(視線)の問題です。そしてもうひとつは耳(音)の問題です。

このふたつのうち必ず解決しなければならないのは視線の問題です。自分以外の他の家族の視線を遮ることができるように、目隠しをつくる必要が不可欠となります。

ですが、ちょっと待って下さいね!
その目隠しですが、天井いっぱいではなくて、視線を隠す高さまでで十分です。

上は開けて、オープンにして下さいね。視線は遮るけど、音はできるだけ遮らないというのが理想的です。

では…、では…、なぜ、音の問題はそのままにしておいてもいいのでしょうか?その理由は、誰かの声が大き過ぎるようであれば、家族なら「うるさいんだけど」と声をかければいいし、反対に静か過ぎるようであれば、「大丈夫かなぁ?何かあったのでは?」と心配になってしまうのです。

これもある意味ひとつのコミュニケーションだと思うわけです。

また、「この時間帯は両親が居ないから、家で音楽を聴くチャンス」などと考えて、家族間で空間を使い分ける工夫も学んでいくことになります。

特には音を伝わりにくくする仕掛けをつくることもありますが、基本的には“音だけは筒抜けの家づくり”がよろしいのではないかと考えています。

極端な例ではありますが、縄文時代の竪穴式住居には、個室というものは最初から存在していません。基本的に家族間にプライバシーなどというものは存在していませんでした。

そんな古代と今を比較するのはバカバカしいという人もいるかもしれませんが、そんな暮らし向きは、私の考える理想の家族の感性に近いのではないかと思っています。

プライバシーを気にせずに暮らせてはじめて、ほんとうの家族になるのだと信じています。お互いに声を掛け合って、いつでも一緒に居られる家族。

あくまでも、理想であって簡単ではないとお叱りを受けるかもしてませんが、究極の家族の幸せとはそういうことなのだと思います。家族間のコミュニケーションが希薄になってしまった現代。

簡単には実現不可能なことは分かっているつもりですが、そんな家族になるための場を提供できたら、これ以上嬉しいことはありません。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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