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[身体尺(身体を使ったものさし)③「曲尺・さしがね・矩計尺」[身体尺③]】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
啓蟄(けいちつ)初候 蟄虫戸を啓く(すごもりむしとをひらく)
インスタントラーメンの父
今日はインスタントラーメンの生みの親、安藤百福(あんどうももふく)の誕生日です。
彼は1958(昭和33)年に世界初となるインスタントラーメンを発明しました。
当時、百福は48歳。理事長を務めていた銀行が破綻し、職も財産も失ったなかでのチャレンジでした。
百福が「食」に携わることを決意したのは、戦後の食糧難を通して食事が全ての原点あると強く感じていたから。
色が満たされてこそ平和になり、文化が栄えると考え、それを「食足世平(しょくそくせへい)(食足りて世は平らか)」と表現しました。
「食」は、たのしむことや喜びに直結しているのですね。
・今日をたのしむ
【啓蟄】
今日は啓蟄です。
暖かな日差しが降り注ぎ冬眠から目覚めた蛙が土の中からはい出し始めます。
【巣ごもりの虫とを開く】
冬眠のために巣ごもりをしていた生き物たちが、土中から這い出すころ。穏やかな春の気配があたりに漂い始めています。
【安藤百福の日】
「人間にとって一番大事なのは想像力であり、発明、発見こそが歴史を動かす」という安藤百福の理念を広めるために、制定されました。
【今や世界食】だそうです。
誕生から60年あまり、今やインスタントラーメンは世界中で親しまれています。
一年間で食べられる量は1千億食以上。日本では一世帯あたり82食ほどお世話になっているそうです。
【サンゴの日】
3(さん)月5(ご)日、「サンゴ」の語呂合わせから制定。サンゴと美しい海を守るため、沖縄では海中の掃除やサンゴの植えつけを行います。
・季節をたのしむ
【ジンチョウゲ】
日本の三大法香木に数えられれるジンチョウゲ。
花の姿を見つける前に、甘い香りで開花を教えてくれることもしばしば。
その香りが香料の沈香(じんこう)と丁子(ちょうじ)に似ていることから、名前がつけられたという説もあります。
【スケール感[建築]】
建築を学んでいる若い人たちは、大小、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造建物に拘わらず、いつかは自分で建物を設計したいと思っているに違いありません。住宅でも大きな美術館でも、基本的には『人間が入って何かしらをする器』ですから、私たちの身体を基本に設計しなければなりません。部屋が平均的な人のサイズよりひとまわり以上大きくなかったり、狭すぎたりでは通ることもできないし使うこともできません。
逆にむやみに広過ぎても、イニシャルコストもランニングコストも環境的にも無駄になってしまうことも少なくないでしょう。
私たちの身体にあったスペース、すなわち身体尺(‐ヒューマンスケール)といわれる空間は機能的で居心地のいい空間を指します。言い方を変えれば、適切なスケールや寸法を正しく理解していなければ、身体尺の建築を設計をすることは不可能です。
そこで空間やモノの大きさを観念的に覚えるよりも、自分自身の身体を「ものさし」にして、空間や身近なモノの大きさを考えることによって、建築の設計に不可欠なスケール感を養っていただきたいとお伝えすることにしました。
[身体尺(身体を使ったものさし)③「曲がり尺・さしがね・矩計尺」[身体尺③]】
今回は「[身体尺(身体を使ったものさし)③「曲がり尺・さしがね・矩計尺」[身体尺③]お伝えしたいと思います。
前回は[身体尺(身体を使ったものさし)②「手とあた」[身体尺②]
でした。(お読みになりたい方は前回タイトル(青字)にリンクを張っておきますので、タップしてお読み下さい。)
【ものさし代わりの身体尺「曲尺(かねじゃく)・さしがね・矩計(かなばかり)術」】
【曲尺(かねじゃく)とさしがね】
曲尺は(かねじゃく)と呼ばれていますが、これには二つの意味が含まれているのです。ひとつは「長さ」として日本の中世以来の正規尺とされており、一尺は現在では10/33メートルとして使われています。
一尺は「肘から手首くらいまで」の長さをいいます。(※ただし、一尺の長さは時代によって変化しています)。
二つめは、「道具」としての「さしがね」の意味があります。金属でつくられることからこの名がつけられ、長短二つのものさしを直角に組合せ、目盛りを付けたとされています。直角は「矩(かね)」ともいい、柱や壁が直角かどうか調べることを「矩をみる」といいます。
古来、「まがりがね」と呼ばれていた工具としてはじまり、同時に長さを測るための「曲尺」として、本尺の目盛りか一寸単位、裏面は1.41寸(√2)単位としてつくられました。
ものさしの役割と定規の役割を兼ね備えており、それが後に「さしがね」となっています。
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【曲尺・さしがね】
現在の一尺=303mm(曲尺の一尺の長さと同じ)ほぼ、肘から手首くらいまでの長さと同じです。
【規矩術(きくじゅつ)】
「規矩」とは、規矩準縄(きくじゅんじょう)の語に由来します。「規」(円(コンパス)を意味する)は物の長さを分割し、「矩計」は直角(曲尺)を出し、「準」は水平を正し、「縄」は鉛直・垂直を正すことをいいます。
そのうち建築に関するものでは、寺院、神社などの建物の木割から手斧(ちょうな)はじめ、上棟式などの諸行事に至るまで広範囲にわたり、物事の基準やはじまりとしての意味があります。
規矩術はさしがね使い、かね使いなど、工作に必要な形と寸法、屋根の勾配を割り出す技術であり、親指の間接一節から三節、人差し指の間接一節から四節までの一節の二点を結ぶと、「3、4、5(さんしご)」の方法でピタゴラスの定理となります。
古くから大工たちはこの考え方を持っていたとされています。
【規矩術は直角や勾配を計算する方法】