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自然の風を見直し、もっと利用すべきです〈風通し考③〉
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
雨水(うすい)初候 土脈潤い起こる(どみゃくうるおいおこる)
おでんの日
2が並ぶ今日は「ふーふーふー」と息を吹きかけアツアツをいただく、おでんの日。
「おでん」という響きだけで心がほこほこになりますが、この名は豊作を願う歌舞である「田楽(でんがく)」に由来します。
室町時代、焼き豆腐に味噌を塗った料理が、白袴に上衣(じょうい)を着る田楽の衣装に見立てられ、「お田楽」の名になったそうです。
やがて「楽」が取れ、「お田」自体もお出汁で煮る、具材が変わるといったうつろいを経て、現在のものになりました。
焼き豆腐に味噌の「お田楽」は、いわゆる「田楽豆腐」。田楽豆腐とおでんが親戚だったことに、日本食の奥深さと歴史を感じますよね。
そして、雨水に入って最初の七十二候の季節は、土脈潤い起こる(どみゃくうるおいおこる)です。およそ、2月18日から23日ごろまでのこと。
初春の雨が暖かく降り注いで、大地が潤い、目覚めていくという意味があります。土がぬかるみを帯び、地中で眠っていた生き物が顔を出すまで、あと少し。
土脈とは不思議な言葉ですが、人の体が脈打つように大地の中でも、たとえば地下水脈が流れ、地層が連なり、空気を含み、たくさんの生き物を抱えています。そんな生命の源として大地が脈打つ、その気配が湧いてくるようです。
自然の風を見直し、もっと利用すべきです〈風通し考③〉
風見鶏風自然排気筒なら、汚れた空気を排出できます。
風を読んで方向をクルクル変える「風見鶏」という風向舵があります。自分自身の意見を持たず、人の意見に左右されることを風見鶏のようだといいます。
あまりいい意味では使われていませんが、その由来となっているものです。
鳥の形をしているものが多いので風見鶏という名前がついているのですが、実際には回転する薄い板ならばどんな形でも風向きはわかります。
この薄い板に煙突や排気筒を組み合わせれば、エネルギーを使わず効率良く汚れた空気を排出することができます。(汚れた空気というのは、実際には湿度を多く含んだ空気のことをいいます。)
①鳥が向いている方が風が吹いてくる方向です。
②東西南北の方位もついています。
その原理は、風下に流れる空気が排気口部分を通過する際に圧力が下がることで、排気筒内の空気が排出されるのです。
風通しの悪い形状の家などでは、その効力を発揮します。
①風向きをとらえるファン
コロナ禍の今だから見直すべきは、外の自然の風
最近新しく建てられる家を見ていると、ほとんどの家の窓や戸にはシャッターが付けられています。
理由は、防犯、プライバシーの確保、さらには、機密性をアップさせて省エネに役立つということです。
ですが、実際には、これらのシャッターなどは、エアコンを設置することを前提としています。
春や秋の気候の良いときにシャッターを締め切ってしまっては、気持ちよい風が吹いていてもそれを知らずに一晩中エアコンを付けてしまっていては、こんなもったいないことはありません。
季節の良い時季には2階の窓のシャッターを少しだけでも開けて、さらにエアコンを止めてそよ風のなかで眠るのも気持ちのよいものです。
地震などの災害のときに、締め切った電動シャッターは開かなくなるだろうし、玄関が開かなくなったときにはどうやって避難するのだろうと、余計な心配をしてしまいます。(現在の電動シャッターは、手動に切り替えられるタイプも多いので、設置する際に確認しておくことが必要です。)
①ピロティや中庭は光や風の通り道なのです
②ピロティは風の通り道
③中庭は風の煙突の役割をします
ピロティ(風の横、水平工法の通り道)や中庭(風のタテ、垂直方向の通り道)を設け、そこに、池や樹木があると、周囲との温度差によって風が起きます(池は他の意味でのリスクもあります。)