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収納を考慮しない「リビングを広くしたい!」は危険!![暮らしの要 収納③]
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
啓蟄 末侯 菜虫蝶と化す(なむしちょうとかす)
土から筆がひょっこり
私が小さな頃に遊びに行っていた田舎の家の近くには川が流れていました。河川敷には、春になるとツクシがたくさん姿をあらわします。
両手いっぱいに摘んでは得意顔でもち帰り、おひたしなどにしてもらいました。
土の筆(土筆)と書いて「ツクシ」と読ませることを知ったときは、妙に納得したものです。
たしかに、ツクシの頭は筆のよう。この頭から胞子を撒き散らすと、ツクシは枯れてしまいます。
植物学的には「胞子茎(ほうしけい)」といい、スギナがその数を増やすために生み出したもの。生命力がギッシリ詰まっていそうです。
・今日の日ををたのしむなら…
【ツクシ料理】
河川敷や野原、田の畦道にツクシが顔を出す時季です。ツクシを食べるには、茎にあるハカマを取る下処理が必要。アクで指先が真っ黒になるので、ビニール手袋は必須です。
〈ツクシの卵とじ〉(2人前)
- ①ツクシ(200g)のハカマを取り除き、流水で何度も洗う。
- ②水から10分茹で、水に30分ほどさらす。
- ③水を切り、油で炒める。
- ④醤油、みりん、日本酒、砂糖(それぞれ大さじ1)を③に入れ、煮詰める。
- ⑤溶き卵(2個分)を入れ、蓋をして1?2分蒸したらできあがり。
【セント・パトリックス・デー】
アイルランドにキリスト教を伝えたセント・パトリックをたたえる祝日。アイルランドでは盛大にお祝いを行います。
日本では、原宿(東京都)をはじめ横浜市(神奈川県)や名古屋市(愛知県)などでパレードが。
参加者はアイルランドのシンボルカラーである緑色のアイテムを身につけるのが、お決まりです。
収納を考慮しない「リビングを広くしたい!」は危険!![暮らしの要 収納③]
リビングを広くしたいーリフォームに関しての相談で、お施主さんからの最も多い要望のひとつです。確かにリビングは広ければ広いほど良いには違いないのですが…
収納スペースを蔑ろにしてでも、広い場所を確保したいという気持ちも分からないでもないですが…
ただ…、生活し、暮らすということは、イコールモノが増えるということなのです。少しでも広くーと、収納スペースを削ったリビングは、生活するうちにどんどんものに占領されてしまい、(まるで現在のロシアに占領されつつあるウクライナのようです)気づいたら足の踏み場もないぐちゃぐちゃに。
残念なことに、そんな住まいをイヤというほど知っています。もちろん相談されない限りは、お施主さんには、なぜそうなっているのかこちらからは敢えてお話するほど図々しくは無いつもりです。
以前紹介させていただいたFさん夫婦は、ご両親との二世帯住宅を新築される際には、掃除機や趣味の道具から洋服まで、見事なまでにすべてのものが、収納されています。
この家族共用収納をつくる際には簡単なコツが有るのですが、まず第一のポイントは細長いカタチが効果を発揮するということです。
幅3間(5,460mm)、奥行き1間(1,820mm)の細長い空間で、壁一面を洋服の収納にしたので、すべてのそれが一目瞭然なのです。左側に奥さま、右側にご主人、それぞれにハンガーパイプと棚を設けました。
真ん中のハンガーパイプは夫妻共用の、昨日着た服と今日着た服の休憩場所にしました。棚にはハンガーに吊るさないセーターや靴下、ハンドバック類、帽子などを収納します。
奥さまの寝室側には、お雛様や正月用の飾り、アイロンとアイロン台、日曜大工道具、食品ストックなどを収納します。最初のお雛様などは、これからの人には当て嵌まらないかもしれませんが、臨機応変に変えられることがこの収納のいいところでもあるのです。
※ちなみに「奥さま」といえば、思い出すのが「奥さまは魔女」。
子どものころ、アメリカから輸入された人気のホームコメディ-ドラマが毎週日曜日の朝放映されていて、大好きでいつも観ていました。
アメリカの一般家庭の住宅がまるでアメリカンドリームを連想するような家でした。各部屋に収納はあるのですが、その中の一部の収納が、廊下とかリビングにあって、その収納がまさに、家族共用収納のヒントになったような気がします。
横に細長いスペース空間は、同じ広さの正方形に近い空間に比べて、真ん中のスペースが中途半端に広くなくむやみやたらと床にモノを置くことがありません。これも横に細長い特徴の家族共用収納の良い点でもあります。
何か探しものがあれば、まずここを見てみればすぐに大抵見つかるし、何より【リビングや廊下がいつでもスッキリ美しく片付いていて、暮らしにも気持ちにもゆとりが生まれた】という感想をいただいております。
ちなみにFさんご夫婦はそれぞれの寝室を持っていますが、どちらの寝室からも生活収納室に入ることが可能です。
※奥さまは魔女のサマンサとダーリンは寝室が一緒なのですが、まだ小さい娘のタバサは別の寝室なのです。これには日米の習慣の違いに違和感を感じ大変戸惑ったのを覚えています。
ところで、この横に細長い「家族共用収納室」をリフォームでつくる場合、“長い辺(ここでは三間:5,460mm)”をとるのにかなりの思い切りが必要です。
他の部屋の広さや配置などのことを考えるより“家族共用収納室”を最優先するくらいの気持ちでないと、なかなかスペースを取ることができません。
そして、新築でもリフォームでも、限りある住まいの空間のなかで、6畳間1室分を収納に割くのは大変勇気と決断力のいることです。
ですが、広くてもモノがぐちゃぐちゃにあふれたリビングと、せまくても物が無くなってスッキリとしたきれいなリビングと、どちらが心地よく寛(くつろ)ぐことができるでしょうか?よく考えてみてください。
【12畳のリビングをリフォームする際、そのうちの半分にあたる6畳分のスペースで小さくてもすっきりとした美しいリビングをつくる。】誰でもそう思うかどうか分かりませんが、そんなリフォームがあってもいいかもしれないと、私は思い続けているのです。