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味付けの順番「さしすせそ」の科学的な根拠は?

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私どもの理念は、同じ住宅建設、リフォームでも、立派な他社とは違い健康、安全、長持ちを土台に考えてやってきました。もちろん現在も継続中です。最初に上げた健康(そこに住む人の健康と建物の健康)には当然、食による健康を欠かすことはできません。そこで今回は食に欠かすことのできない、料理。料理といえば調味料のお話を取り上げさせていただきたいと思います。

いにしえの知恵は調味料の力を引き出す合理的な手法だった

さしすせそ
料理をする上で、調味料は欠かせません。料理によっては複数の調味料を使用しますが、和食で使われる基本の調味料は「さしすせそ」→「さとう」 「しお」 「す」 「しょうゆ(古語で書くとせうゆ)」 「みそ」の順に使えという、おばあちゃんの知恵のような教えがあります。

この、さしすせその順番の通りに調味料を入れていくと、料理を美味しく味付けできるとされているのです。この順番は、「分子」の大きさによって効率的に味付けができるようになっており、昔の人たちの知恵は科学的に理にかなっていたということになります。

 

分子の大きさが味の浸透や風味の決め手に~いにしえの知恵の科学的根拠

分子レベルでの浸透圧さしすせその理由塩を構成するイオンは非常に小さく食材に染み込みやすいため、塩を先に入れると、あとから入れた砂糖が食材に染み込む余地がなくなってしまいます。

つまり、砂糖水に塩を入れると「溶けやすい」のですが、塩水に砂糖を入れると「溶けにくい」、ということです。そこで料理では砂糖を先に、塩を2番目に入れます。

次に酢を入れるのは、この段階で入れて加熱を続けることで、強すぎる刺激臭を飛ばすためです。しょう油を後半で入れるのは、加熱時間を短くして、揮発性の高いしょう油独特の香り成分を飛ばさないためです。

そして味噌を最後に入れるのは、加熱しすぎると、味噌に含まれるタンパク質が変質する可能性があり、香りも飛んでしまいやすいから。そのため、味噌は最後に火を止めてから入れ、ひと煮立ちさせるだけで料理を締めくくるります。

「さ」「し」「す」「せ」「そ」で得られる効果は?

基本調味料を使う順番である「さしすせそ」、それぞれの特徴や料理にどのような効果を与えてくれるのかについて解説いたします。

「 さ」砂糖の効果

砂糖の効果砂糖の分子は塩より大きく、味が染み込むまでに時間がかかります。

また、砂糖には食材を柔らかくして、その後に入れる調味料の味の染み込みもよくしてくれることから、最初に入れるのがおすすめです。

さらに、料理にツヤを出したり、食材の水分を保ってくれる効果もあることから、食材の乾燥も防いでくれます。

砂糖にはいくつか種類があり、上白糖やグラニュー糖、三温糖、白双糖など、結晶の大きさや風味が異なります。世界的にはグラニュー糖が主流で、上白糖は実は日本でしか使われていません。

料理、お菓子、飲み物等、用途によって向いている砂糖の種類が変わります。

さしすせその効果一覧

名称:上白糖 グラニュー糖 三温糖 白ざら糖 中ざら糖 粉砂糖 氷砂糖 きび砂糖 黒砂糖(黒糖) てんさい糖

原料:サトウキビorてんさい

さとうきび 左に〃 てんさい

質感:粒が小さくしっとり

粒がやや小さくサラサラ 粒が小さくしっとり 粒が大きくサラサラ 左に〃 最も粒が小さくサラサラ 大きな塊 粒が小さくややしっとり

塊or

左に〃

粒が小さくややしっとり
色:無色透明 無色透明 黄褐色 無色透明 黄褐色 無色透明 無色透明 黄褐色 褐色 黄褐色
精製度:4☆ 5☆ 3☆ 5☆ 5☆ 5☆ 5☆ 2☆ 2☆ 2☆
味:ソフトでクセがない すっきり 甘味強くコクがある 上品 まろやかでコクがある すっきり 上品 濃厚でほどよいコク 濃厚で独特のコク 濃厚でほどよいコク
                   
                   

 

「 し」塩の効果

塩の効果塩は、砂糖と比べると分子が小さく、食材に早く染み込むことから、砂糖の後に入れるのが良いとされています。野菜や果物の変色を防いで鮮やかな色にしたり、肉や魚などの生鮮品の身を引き締める目的でも使うことができます。

さしすせその特徴また、食材の水分を外に出す効果がある事から、昔から保存食を作る為に重宝されていました。

一口に塩といっても、様々な種類があり、原材料によって「海水塩」「岩塩」「湖塩」の3種類に分けられます。

日本で主流になっているのは海水塩です。

世界で最も採取量が多いのは岩塩ですが、日本ではほとんど採ることができません。

岩塩は一般的に海水塩よりも塩味が強いので、 海水塩と同じ感覚で使ってしまうとかなり塩辛くなってしまいます。湖塩は、塩湖で採取できる塩ですが、日本には塩湖が無く、世界的にも珍しい塩です。

「す」酢の効果

酢の効果酢は酸味をつけるほかに、食材の生臭さを消したり、柔らかくする効果があり、風味や酸味が飛びすぎないように、味付けの最後の方に入れます。野菜の変色防止や発色を良くする効果があり、殺菌作用もある他、健康作用も期待できる調味料です。

内臓脂肪の減少を助ける・高めの血圧を下げる・胃酸の分泌を促す・便秘改善・食後の血糖値の上昇を抑えるなどの効果が期待できますが、摂りすぎると歯のエナメル質が溶けたり、消化器官の炎症につながる危険性もあるので注意が必要になります。

酢は原料によって様々な種類がありますが、その分類を知っている方は少ないでしょう。

日本農林規格の分類では、醸造酢と合成酢に分けられ、醸造酢からさらに分類されて、小麦やとうもろこしなどを原料とした穀物酢、米を原料とした米酢、果物を原料としたリンゴ酢やみかん酢などがあります。

他にも梅干しの製造過程で生まれる梅酢や、泡盛の製造過程でできる「もろみ粕」を原料としたもろみ酢など、原材料や生まれる過程が異なる酢が多くあります。

「 せ」醤油の効果

醤油の効果醤油も、酢と同じく風味が飛ばないよう、味付けの後半に入れることが多いです。

醤油は大豆・小麦・食塩を発酵させて作った発酵調味料で、うま味があり、食材の生臭さを消す効果もあります。

JAS規格によると、醤油は濃口醤油・淡口醤油・再仕込醤油・溜醤油・白醤油の5つに分類されます。熟成期間が長くなればなるほど、黒く濃いとろみのある醤油になり、うま味も強いです。

熟成期間の短い醤油は色も薄くあっさりしているものが多く、醤油の主張を抑えて素材の味を生かすことができます。淡口醤油は薄口醬油とも呼ばれ、塩味も薄いと勘違いされがちですが、実は塩分が高いので血圧の高い方は注意が必要です。一般的なレシピに「醤油」と書かれているものは「濃口醤油」です。

醤油の種類

「そ」味噌の効果

味噌の効果味噌も、酢と醤油と同じく風味を生かすために後半に入れます。

味噌は大豆と塩に麹を混ぜ、発酵させて作られる発酵調味料で、全国各地で様々な味噌が作られていますが、使う麹の種類によって米味噌󠄀・麦味噌󠄀・豆味噌󠄀の3種類に分類されます。

米味噌は全国で作られていますが、麦味噌は九州、四国、中国地方、豆味噌󠄀は愛知、三重、岐阜の中京地方がおもな産地です。

よく味噌汁を作るときに「沸騰させない方がよい」といわれていますが、味噌の香りは90℃以上になると揮発してしまうため、味噌を入れた後は煮立てないようにします。

調味料は、基本的に砂糖から順番通りに入れていきますが、料理によっては例外もあります。酢の酸味を生かしたい料理の場合は最後に入れたり、食材を柔らかく炊きたいという場合は最初に入れましょう。味噌も、八丁味噌の場合は煮込んだ方が美味しくなる等、必ずしも順番通りにはならないことがあります。

味噌の種類と特徴

「冷めるときに味が沁みこむ」といわれるのは科学的に正しいの?

拡散による味の染み込みゆでた野菜に味がしみ込むのは、「浸透圧」によるものではありません。生野菜には細胞壁と細胞膜がありますが、加熱すると細胞膜が壊れるため、半透膜の性質を失うからです。加熱した野菜に調味料がしみ込む原理は何かというと、「拡散」によるものです。

●浸透圧=生野菜に味がしみ込む ●拡散=加熱した野菜に味がしみ込む

拡散とは、調味液を入れると段々混ざり合い、味が均一になっていくこと。

この原理を使って、野菜の中に味を上手にしみ込ませるためのコツが「さしすせそ」なのです。

煮物といえば、「冷めるときに味がしみる」と聞いたことはありませんか。

煮る際に調味液が沸騰すると、煮物の水分が膨張し、材料の細胞や組織を押し広げます。

その後火を止めると、調味液の体積は小さくなり、煮物の水分の体積も減り、細胞や組織に吸い込まれていくのです。

この一連の現象を「冷めたときに味がしみる」と考えられています。また、「冷めると、より塩味を感じる」「冷めるまで調理に時間をかけたこと」など、色々な解釈や考え方もあります。

いずれにしても、加熱で野菜の表面が傷つき、浸透圧ではなく拡散によって、時間をかけて調味液が野菜の水分の中に入り込んでいくことを伝える意味となっています。従って、「高温に比べて低温の方が、味がしみ込みやすい」ということではありません。なぜなら、加熱している時にはすでに、味はしみ込んでいるからです。

 

by株式会社 大東建設 阿部正昭

 

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