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知らぬ間に…「地球温暖化」はどうなってる?
気候変動は加速し、世界気温は高温記録を更新し、ゲリラ台風まで登場
「天災は忘れたころにやってくる」ここ近年日本の各地で地震や災害が頻発しています。地球温暖化が直接の原因かどうかまでは分かりませんが、どうも、まったく関係ないとは言えないようです。
むしろ、高い確率で関係しているような気がします。異常気象が起こるたびに6年程前の衝撃的なスウェーデンの少女の行動を思い起こします。
3.11大震災以降、多くの人が「なかったこと」にしかかっていたところに、雷が落ちたような衝撃を受けましたね。 『あなたたちが話しているのは、お金のことと経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。恥ずかしくないのですか』
スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(16歳)は9月23日、ニューヨークで開かれた国連気候行動サミットに出席し、地球温暖化に本気で取り組んでいない大人たちを叱責しました。
トゥーンベリさんは世界のリーダーを前に、時に涙を浮かべながら約5分間スピーチ。温暖化解決のための具体的な行動を取らないのであれば、『結果とともに生きなければいけない若い世代はあなたたちを許さない』、と強く訴えました。
(写真はニューヨークのサミット参加のためヨットで大西洋を横断するトゥーンベリさん)
ひと目で地球温暖化がわかる気候ストライプ(チャート)が話題に
このチャートは全世界の国・地域の気温を年代別に表したものですが、その傾向は見間違えようがありません。
それぞれの列のマスが各国のその年の平均気温を表しています。
青いマスは涼しかった年、赤いのは暑かった年です。左側が1900年で、右へ行くほど現在に近くなります。
これによると、地球全体が過去100年余りで暖かくなっており、特にここ数十年でその傾向が強くなっています。
この「気候ストライプ」は、英レディング大学のエド・ホーキンス教授が作成したもので、気候変動の問題をより明確に伝え、解決策を導く会話のきっかけをつくろうと考案したものです。
ホーキンス氏は「#Show Your Stripes(あなたのストライプを見せて)」というサイトを立ち上げ、誰でも国や一部都市の気候ストライプのデータや画像をダウンロードして使用できるようにしたことで話題を呼んでいます。
ウェブサイトからダウンロードしたストライプは、これまでにネクタイやセーター、レギンスなどの衣服に使われました。
米ミネソタ州では、テスラの電気自動車(EV)をこのストライプの模様に塗り替える人も現れています。
ホーキンス教授はBBCの取材に対し、「メッセージを伝えるのに数字は要らないということを学んだ。代わりに色がやってくれる」と話しています。
「人々とコミュニケーションを取り、様々な集団にアクセスするためのやり方を探すのが大事だ。皆が気候変動を理解しているわけではないし、中には科学者が気候変動と言うや否や、聞くのをやめる人もいるかもしれない。これはそういう人たちに届けるやり方のひとつだ」
歴史に関心のある人なら、この表には他のデータ表示方法では見逃してしまうような興味深い点があることに気づきます。
例えば1940年代前半を見てみると、欧州には他の地域に比べて非常に濃い青色の線が出ています。
大規模なエル・ニーニョ現象によって太平洋の貿易風が弱まり、欧州以外が暖まる一方、欧州は冷え込んだのです。
そしてこの寒波が、第2次世界大戦の結果にも影響を与えたともいわれています。当時の欧州を襲った厳寒によってアドルフ・ヒトラー率いるナチスドイツ軍はソヴィエト連邦(当時)侵攻に苦労し、敗北への大きな要因となったのです。
過去5年で世界気温は最も暑く~世界気象機関
世界気象機関(WMO)は9月22日、温室効果ガスの影響で世界の平均気温が過去5年間で観測史上最も暑くなるなど、地球温暖化の兆候やその影響が加速していると発表しました。
報告によると、「2014年から2019年までの5年間の世界の平均気温が、観測史上最も暑くなり、同期間の海面上昇についても著しい加速がみられる。二酸化炭素(CO2)排出量が過去最高となったことが要因」として、二酸化炭素削減の対策強化が急務だと指摘しています。
報告書は、近年確認されている前例のない規模の温暖化について、その原因や影響の拡大に関する最新の科学分析をまとめたものです。
世界の平均気温は1850年以降、摂氏1.1度上昇。2011年から2015年の間に0.2度上昇したといいます。
また、2015年から2019年までの間に大気中に排出された二酸化炭素は、2015年までの5年間と比べ、2割上昇しています。
恐らく最も心配なのが、海面上昇に関するデータです。1993年から現在まで海面の高さは年間平均3.2mmずつ上昇していますが、2014年5月から2019年にかけては、毎年5mmずつ上昇しているそうです。
WMOのペッテリ・ターラス事務局長は、「海面上昇は加速している。我々は、将来的な海面上昇を深刻にするおそれのある、南極とグリーンランドの氷床の急激な減少を懸念している」、「今年、バハマとモザンビークで悲劇的な影響を目の当たりにしたように、海面上昇と激しい熱帯暴風雨は人道的および経済的な大惨事を引き起こした」と述べています。
報告書はまた、「気候変動による熱の9割以上が海に吸収されている」と強調。2018年の海洋蓄熱量は観測史上最高だったといいます。
非常に危険な方向へ加速
インペリアル・コレッジ・ロンドン(ICL)グランサム研究所の所長で、レディング大学気象学部の教授、ブライアン・ホスキンス氏は、「我々人類による気候変動は、非常に危険な方向へ加速している」、「我々は子供たちからの大きな求めに耳を傾けるべきだ。これは緊急事態だ。温室効果ガス排出量をゼロにすることを目指して急速に削減しつつ、不可避な気候の変化に適応するため、取り組まなければ」と指摘します。
温暖化STOPの潮流から取り残される?・・・日本と豪の登壇なし(国連気候行動サミット)
米ニューヨークで9月23日に開かれた国連気候行動サミットでは開催に先だって、気候変動について通達が発表されていました。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、言葉ではなく行動について議論するためのものだと説明。
開催に先立ち、「サミットに参加する首脳に対し、しゃれた演説ではなく、具体的な対応策を持ってくるよう指示した」、「人々は解決策を、対応策を、そして行動を求めている。
私は、次の10年間で二酸化炭素排出量を劇的に削減し、2050年までにカーボンニュートラル(炭素中立、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量)を実現するための、多くの意義ある計画を発表できることを期待する」と発言していました。
冒頭で紹介したスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんに続き、中国・インド・フランス・ドイツ・イギリスなど約60か国が気候行動サミットで演説しましたが、日本の安倍晋三首相とオーストラリアのスコット・モリソン首相は、石炭火力発電削減などの具体的施策が不明確として、参加が認められませんでした。
わが国の政府はより一層、具体策を世界に向けて発信する必要を感じましたね。
(※話題となった小泉環境大臣の発言は本会議ではなく記者会見会場でのもの)
ターラス事務局長は、「産業革命前より摂氏2度以上も高い世界の気温上昇を止めるには、温暖化を食い止めようという野心を3倍持つ必要がある。そして、上昇を1.5度に留めるためには、5倍にしなければならない」と述べました。
日本列島を襲撃する巨大台風やゲリラ台風
今年も多くの台風が発生し、各地にフォームの終わり
大きな爪痕を残しました。そのうちいくつかの台風は日本近海で発生し、徐々に勢力を増していったことも特徴的でした。
一般に台風は海面水温が26℃以上でないと発生しないと言われています。
こうした日本近海の海面水温上昇が、巨大台風発生の背景にあったのです。このままでは、さらに日本列島の近くで
台風が発生し、進路予測もできないうちに日本列島を襲う「ゲリラ台風」まで発生するのではないかと予想されています。
この海面水温のシミュレーション(名古屋大学・坪木教授)では、2076年9月に、西日本沿岸で29℃、沖縄では30.5℃と予測されています。
2005年と比べると、日本近海は2℃以上も海面水温が上昇することになります。
今年の8月よりも更に高い海面水温が、常態化するのです。
更に注目されるのは、2076年の日本近海は、現在のフィリピンと同じくらいの海面水温になるということです。
こうなると、日本近海で台風が発生した台風が、時間をおかずに、すぐに上陸することも考えられます。
また、2013年11月にフィリピンを襲撃したスーパー台風・ハイエンのような台風が、その勢力を維持したまま日本を襲うことも確実になるでしょう。
スーパー台風・ハイエンは、フィリピンに想像を絶する被害をもたらしました。
※死者・行方不明者:約8000人 | ※被災者数:1600万人以上 | ※家屋倒壊:114万戸以上 |
※最低気圧:895ヘクトパスカル | ※最大風速:秒速90m | ※最大瞬間風速:秒速105m |
風だけでなく、高さ9.2mにも達した高潮が沿岸部を襲い、被害を大きくしました。
(「最大風速」は平均風速の最大値、「最大瞬間風速」は文字通り瞬間風速の最大値を表す。ちなみに、日本に上陸した時の風速が最も大きかったのは1934年の「室戸台風」で、最大風速は約60mと言われている)
温暖化はなぜ巨大台風を発生させるのか?
温暖化が台風に与える影響には2つの要因があります。
1.海面水温の上昇で大量の水蒸気による激しい上昇気流が発生する
…これはだいたお分かりだと思います。これを「急速強化(きゅうそくきょうか)」と言います。これからの台風情報では「急速強化」という言葉がキーワードの一つになってくるかもしれません。
2.高温の海水層が厚くなり、下層の冷たい海水が湧き上がってこない
…この内容は、ちょっと分かりにくいかもしれません。
グラフ(上)をご覧ください。台風が通り過ぎたあとに、海面水温の下がる様子を示したものです。
海面水温が28℃から一気に25℃程度まで下がったことが分かります。
なぜ、台風が通過すると海面水温が下がるのでしょうか?
それは「湧昇(ゆうしょう)」という現象によるもので、下の図は「湧昇」を図解したものです。
台風の風が吹くと、中心付近から外向きに海水が移動します。すると、台風の中心部では、移動した海水を補うように、深いところから海面よりも冷たい水が湧き上がります。これを「湧昇」といいます。
そのため、台風の通過後には海面水温が低下するのです。
ところが、今では、温暖化によって高温の海水の層が100mにも及ぶほど厚くなり、下部の冷たい海水が海面まで上がってこないケースが増えているのです。
これまでの台風は、冷たい海水と混ざり合い、海面の温度が下がることで、次第に勢力を弱めていきました。
しかし、現在の台風では、高温の海水の層が厚くなっていることで、その勢いを維持しながら北上する傾向が強くなっているのです。
私たちは、風だけでなく、河川の洪水、高潮などにも事前に備えておく必要があります。国土交通省が作っている『ハザードマップ』などは、大いに活用したいものです。
災害時に大量の備蓄水を確保できるアクアレイヤー
災害規模の拡大にともなって復旧に要する時間も長くなっています。とりわけ飲料も含めた水の備蓄は喫緊の課題です。アクアレイヤーは大量の水を蓄熱に利用しますが、緊急時には数トンの備蓄水として活用できます。
14畳分のアクアレイヤーを設置した場合、約1,600リットル(浴槽8杯分)の備蓄水を確保できます。床材の一部を開閉式にすることで、水の取り出しが容易になります。