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【「収納の仕組みが分かる7つの法則」】[第四法則]

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今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。

雨水(うすい)次候 【霞始めて靆く(かすみはじめてたなびく)】

北へ帰る

そろそろ、本州各地で冬を過ごしたコハクチョウやオオハクチョウの北帰行(ほっきこう)がはじまります。彼らが目指すのは、はるか彼方の生まれ故郷、ロシア。

北海道に渡り1カ月ほど過ごしたのち、シベリアの大地を目指します。故郷に戻り、恋をし、子育てをし、秋になると再び日本へ。また戻ってくるまで8カ月あまり。無事の旅路を願うばかりです。

・今日をたのしむ
【霞始めて靆く(かすみはじめてたなびく)】

雨水の次候は、大気中に水分やチリが増え、遠くの景色がぼんやりと見える自然現象、霞が主役です。

気象用語としては「霧」ですが、古来日本人は、春は霞、秋は霧、と季節のうつろいに合わせて呼び名を変えてきました。寒さで張りつめていた空気が、ようやくしっとり、やわらかくなるころです。

【ハクチョウ】

日本に飛来する【ハクチョウ】は、二種類いるんですね。

シベリアから日本に飛来するハクチョウは、全長140cmほどのオオハクチョウと、ひと回り小さいコハクチョウの2種。湖や池の凍らない越冬地を求めて、3千?4千kmの大移動を行います。

・季節をたのしむ
【ニシン】

北帰行ののハクチョウたちと交差するように、北海道沖にはニシンが春を連れ、群れをなしてやってきます。

ニシンの別名は「春告魚(はるつげうお)」。塩焼きはもちろん、干物や身欠きニシンも人気です。群れのメスが産卵し、オスが放精することで海が乳白色に染まる現象は「群来(くき)」と呼ぶそうです。

春を告げる鳥「春告鳥」はウグイス、「春告草」は梅の花、そして「春告魚」はニシン…こんなにも昔から人は春を待ち侘びて、来春の兆しを期待できる、自然に照らし合わせてきたのですね。

【「収納の仕組みが分かる7つの法則」】[第四法則]

前回【「収納の仕組みが分かる7つの法則」】の[第四法則]のお話をさせていただきました。

今回はその4回目第四の法則のお話です。

第4の法則

棚の延べ長さで考える

●使いづらい日本のクローゼット

愉しむ棚板ローコストに仕上げられた建売住宅でも、豪華な注文建築のお家でも、ほとんどのクローゼットは「枕棚一枚にハンガーパイプをセットしただけもの」が標準仕様となっています。

住まいに関するさまざまな消費者アンケートで、常に「収納にはしっかり配慮したい」という答えが返ってきているのに、パイプ一本通しただけで「はい、収納のスペースをつくってあげましたよ。あとは、どうぞご自由に」と突き放されているのが現状です。

どうも日本の住宅メーカーは、家づくりをハードウェアでしか考えられない「男の発想」にしばられているようです。

このように、クローゼットを通して文化の成熟度が見えてきます。たとえば、一本しか通していないと書いたハンガーパイプひとつを取り上げても、おもしろい違いを発見することができます。

日本の大部分のクローゼットでは、ハンガーパイプの位置が床から高さ1.8mの位置にあります。

しかしながら欧米の場合は、ハンガーパイプの位置は床からの高さが2.1mのところに設計されています。

この違いは、日本人と欧米人の身長の違いによるものではありません。

日本の1.8mという規格は、たまたま日本の建築に関する様々なモジュールが6尺(1.8m)でできており、クローゼットのハンガーパイプを固定する際にも、ちょうど1.8mのところに釘の効く下地がくるから、という建築をする側の都合によるものだと考えられます。

いっぽう、欧米の場合の2.1mという基準は、ジャケットやスーツなどの丈の短い着物を吊るす際には上下に1メートル必要であり、2m以上あれば2段吊るすことができる、という使う側に立った寸法の決め方をしているのです。

日本の1.8mという寸法では2段吊るせるようにすると、裾が摺ってしまいます。結局、下の余ったスペースにホームセンターで買い足した収納ボックスを置くことになります。

可変棚洋服は時と共に増え続けるものですから、何時でも着られる服は見えるところに吊ってあるべきで、収納ボックスに仕舞い込んでいてはデッド(死蔵)となってしまいます。

量的には賄えても機能性の乏しい収納になりがちですね。というわけで、私たちは高さ2.1mのところに棚とハンガーパイプの位置を持ってくるようにお薦めしています。

こうすれば必要に応じて2段のハンガーパイプを配置することが可能になります。

ある調査では一般的な夫婦の寝室で、必要なハンガーパイプの長さは平均すると5mという結果が出ています。この場合、1間半のクローゼットなら、ちょうど2段で賄うことができます。

このようにクローゼットだけを見ても、欧米の収納に対する高い意識のありかたに比べて、日本の収納に対する意識の低さが際立ちます。

そして、その違いの根本的な原因を考えてみて、ようやくある事実に思いあたりました。

●収納計画は必要な棚の長さの決定から

魅せる棚板大部分の建築業者は、「収納に力を入れています」とPRしています。

しかしながらその内容はといえば、「押入れや納戸がたくさんあります」、「床面積の15%以上を収納にしています」、ということばかりです。

つまり、面積のことしか注意は払われていないのです。「たくさん収納スペースはつくりましたよ。後はご自由にどうぞ」ということなのでしょうか。

これでは引っ越して最初のうちはともかく、徐々にモノが増えていくといつか溢れてしまいます。また、以前から使ってきた家具やホームセンターで買ってきたカラーボックスなどが雑然と並ぶさまを見れば、とても「すっきり暮らす収納」から程遠い現実に気がついてしまいます。

様々なアンケートでも、新築の家を買った人の入居後すぐの不満の第一位は「収納に関する不満」です。

いっぽう欧米では、家を建てる際の収納は、『棚の延べ長さ』をどうするか?という意外な視点で計画されます。

これは欧米における収納の基本が『棚』にあるからなんです。

魅せる棚板②この棚は日本で見られる固定的なものではなく、DIYで自由自在に組み替えることのできるシステム収納、すなわち可動棚であることが基本です。

つまり、棚の高さや奥行き、さらには幅にいたるまで、収めるモノの大きさや重さ、形状に応じて収納空間を可変できることが重要なのです。

そして、日本の押入れのように、モノを重ねてしまう、あるいはモノの奥にしまうという収納は避けます。

ひとつのモノにひとつの棚、という考え方です。モノが増えれば重ねるのではなく、棚を増やすという仕組みです。

そして、大きくて重いものは下のほうに大きな棚を設け、小さく軽いモノは上のほうに小さな棚を設ける。さらに、棚の奥行きを上にいくにしたがって浅くすることで、人が普通に立った位置から、上の棚に何がしまわれているかが一目瞭然であること。欧米ではこのような収納のルールが暮らしの常識として浸透しています。

ちなみに、先ほどの調査によれば日本の標準的な夫婦の寝室に必要な棚の長さは、平均して10m。引き出しは15mという結果が出ています。

ちなみに欧米では5人家族の場合、家全体で300フィート(約90m)の棚があればモノが収まると言われているそうです。

そして、部屋ごとに「見せる収納のための棚」、「こちらは隠す収納としての棚」、というように収納計画を具体化するステップに進んでいくわけです。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

 

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